「12歳の文学賞」が生んだ2人の高校生作家 その歩みとこれから(「日本経済新聞」記事)

「12歳の文学賞」で、2013年から2015年まで3年連続で大賞を受賞した鈴木るりかさん。そして、同じく2013年に大賞、2014年には2作で優秀賞を受賞した中濱ひびきさん。現在高校生の2人はすでに作家デビューを果たし、プロの作家として活躍中です。

日本経済新聞に掲載された「子ども作家 羽ばたくか  小学生文学賞から時経てデビュー」(2019年6月25日夕刊)という記事では、鈴木さんと中濱さんの歩みと未来、そして「12歳の文学賞」の果たした役割などが紹介されています。

■デビュー作は「同世代へのメッセージ」

現在17歳の中濱ひびきさんは、英国で育ち、母国語は英語。「12歳の文学賞」受賞作は英語で書いたものを翻訳サイトで日本語にして出来た作品だったことも話題になりました。

2019年4月に発表したデビュー作の『アップルと月の光とテイラーの選択』は、2年かけて執筆した大作で、原作は英語。翻訳家が日本語に訳しています。人類が直面する科学技術や自然環境の問題について考える壮大な物語です。

記事の中で、中濱さんは、この作品は「同世代へのメッセージ」であると語り、「子どもでも、生きてきた時間は濃縮していた。愛や生命、魂という(本質的な)テーマに関しては、全ての孤独な人に読んでほしい」とコメントしています。

■ちょっとしたことが頭の中で回路のようにつながって物語ができる

鈴木るりかさんは、中学生だった2017年に『さよなら、田中さん』でデビュー。2018年には2作目『14歳、明日の時間割』、2019年には『太陽はひとりぼっち』が発表されました。1作目は10万部を突破し、2作目、3作目も売れ行き好調で、すでに人気作家です。

物語の着想をどのように得るかについて、鈴木さんは「だれかの何気ない一言や、バスから見た風景、街中ですれ違った人。ちょっとしたことが、頭の中で回路のようにつながる瞬間があって、どんどん物語になる。」と語っています。

■他の文学賞への通過点になったらうれしい

記事では、「12歳の文学賞」を立ち上げた小学館こどもデジタル室副編集長の水野隆氏のコメントも紹介。

水野氏は、この賞は「同世代の子どもたちの文学への入り口」で、「文学へのハードルを引き下げたという点で一定の成果」があったとしています。そして、ここから生まれた作家たちの将来については、「まいた種が本当に花開くのはこれから。(振り返って)他の文学賞への通過点になっていればうれしい」と。

たくさんの若手作家の中で、ずっと書き続けて大成できるのはほんの一握りである現実も、この記事は指摘しています。十分な実力を備えた彼女たちにとっても、その道のりは決して平坦ではないかもしれません。

今、スタート地点に立った彼女たちが、今後どのように成長していくのか。読者は期待を込めて見守っています。

 

日本経済新聞記事はこちら

「子ども作家 羽ばたくか  小学生文学賞から時経てデビュー」(2019/6/25付日本経済新聞 夕刊)

 

【関連記事】

12歳の文学賞で大賞・優秀賞の中濱ひびきさん『アップルと月の光とテイラーの選択』でデビュー
「12歳の文学賞」で、第8回に大賞、第9回に2作品で優秀賞を受賞した中濱ひびきさんが、2019年4月、16歳で作家デビューしました。 第2...
12歳の文学賞3回連続受賞!鈴木るりかさんが14歳の誕生日に『さよなら、田中さん』でデビュー
2017年秋、出版界の話題をさらう新人作家がデビューします。その名は、鈴木るりかさん。2003(平成15)年生まれの中学2年生です。 ...
小学生限定の新人公募文学賞「12歳の文学賞」
「12歳の文学賞」が日本経済新聞に取り上げられました 第8回大賞、第9回優秀賞の中濱ひびきさんデビュー 「第12回12歳の文...