うまくいかない現実が作品を面白くしてくれた :第11回12歳の文学賞・贈賞式 受賞者の挨拶

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あさのあつこ賞・山本千尋さん(小6)「井の中のしじみ、行き着く先を知らず」

この小説は書こうと思って書いたわけではなく、夏休みの自由研究を早く終わらせたくて、以前、授業で書いた物語を膨らませたにすぎません。今、この場に立っていると嬉しいというよりも、本当に受賞していいのかな、という気持ちになります。

受賞したと知り、あわててあさのあつこ先生の「バッテリー」全巻買いました。とてもおもしろかったです。書いている最中は宿題を早く終わらせたい一心で、読者に伝えたいメッセージなど考えずに書き上げてしまいました。

大海を知らない蛙は、私を含め世の中にたくさんいると思いますが、その蛙は蛙なりに一生懸命頑張っているんだ、ということが頭の片隅にあったからこの物語が書けたんじゃないかなと、今は思います。

西原理恵子賞・島田藍さん(小3)「足くさ物語」

「12歳の文学賞」はお姉ちゃんの担任の先生におしえてもらい、これまではがき部門に出していましたが、今回、長い物語が書きたいと思い、小説部門に投稿しました。

保育園に行っている時から、お父さんに「お前の足は臭いな〜」と言われ続けていて、そのことと私の好きな歴史を合体させて物語にしました。自分の好きな歴史と自分を主人公のようにした物語を作るのはとても楽しかったので、すぐに作ることができました。

保育園の頃は足が臭いことはとても恥ずかしかったけど、そのことで小説が書けて受賞もできてとても嬉しいです。次に小説を書く時も楽しみながら作れたらいいなと思います。

読売新聞社賞・渡邉瑞記さん(小6)「スミレさんの恋」

4年生の時に書いた「かたつむり電力会社」という小説をもとにしてこの作品を書きました。4年生の時は自由に楽しく書いていたんですけど、今回は言葉を選んで自分らしい作品にしようと思いながら書きました。

言葉を選ぶのは難しいけれど、ピッタリした言葉が見つかるとすごく嬉しいです。その気持ちは人に何かを伝える時の気持ちと似ていると思います。

人に伝えるっていうことも難しいけれど、自分の気持ちや考えが伝わる時の喜びは大きいです。それがあるからこそ、私は物語を書くことができると思います。これからも文章を書き続けていきたいと思います。

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受賞の喜びを率直に語ってくれた子どもたち。作品に負けず劣らずユニークなスピーチでした。
贈賞式の様子や、審査員の先生方のメッセージ、受賞作品への選評は以下でお読みいただけます。

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