平成23年度 第47回結果発表
>>4人の審査員の方々から全入選作品についての選評を伺いました。
特選【1編】 | 賞状と研究助成金50万円 |
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成美発! 子どもの心に、学びの花を咲かせよう!
【富山県高岡市立成美小学校教諭 西川敦子】
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特別賞【1編】 | 賞状と研究助成金20万円 |
日常生活に生きる伝える力の育成
【岐阜県各務原市立鵜沼中学校教諭 村上薫子】 |
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入選【3編】 | 賞状と研究助成金10万円 |
規範意識を醸成する教師のはたらきかけ
【東京都文京区立昭和小学校教諭 保戸田めぐみ】 |
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挑戦!笹小エコ活動
【神奈川県横浜市立笹野台小学校教諭 下城貴美子】
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児童生徒の科学的な見方・考え方をのばす
【茨城県稲敷郡美浦村立大谷小学校教諭 桑名康夫】 |
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新採・新人賞 【2編】 |
賞状と研究助成金10万円 |
身近な自然への興味を育てる
【東京都・光塩女子学院初等科教諭 長田朋之】 |
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「地域と密接に連携した社会科の授業実践」 |
【審査員】 50音順・敬称略 |
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保戸田めぐみ先生 授賞式取材記
【平成23年12月6日】
平成23年師走も押し迫った12月の放課後、JR駒込駅にほど近い昭和小学校を訪ねた。雨が降り始め、傘をさした児童たちが並んで下校していた。紅葉の名所、六義園もすぐ近所の環境に恵まれた開校80余年の名門校。ちょうど、四年生以上の保護者会も開催される日で、玄関先には先月の学習発表会の写真が展示されていた。
― 東京都心にある文京区は、大変教育熱心なところである。どんな学校か、どんな先生か、とても興味を持ちながら、私は授賞式に訪れた。
受賞者の保戸田めぐみ先生は、初任校が昭和小で7年目を迎える。昨年から教職大学院にも通っているという研究熱心な若い先生だ。幼小の円滑な接続を研究テーマにし、今回論文の応募で、「子どもたちに育っているものと研究テーマの実践を見直し、意味付けられた」とご自身でふり返る。
教師からの「てがみ」を通して、子どもの人間関係を良好に保ち、友だちのよいところを、担任がちゃんと見取ることで、子どもたちの有能感や親の安心感にもつながる。子どもたちに育っている力と学級集団に育つ規範意識を的確に分析した今回の教育記録の実践は、教育実習で経験した先生の真似がきっかけだったそうだ。
若い先生であるが、これから益々実践を積み重ねて、活躍して欲しいと強く思った。
写真左から、山﨑淳校長と、保戸田めぐみ先生。
東京都杉並区立和田小学校
新宅直人先生にお会いして
学校からほど近い場所に、新宅先生が子どもたちと調べ学習を続けてきた和田商店街はあった。17時を過ぎてあたりはすっかり暗くなっていたが、オリジナルのテーマソングが軽快に流れ、お客さんも数多く歩いている。近くにはスーパーマーケットもあり、全国的にはシャッター商店街が増えている中、なぜここは元気なのか? 新宅先生は、スーパーマーケットと商店街とを比較し、商店街の持つ『人との触れあい』に大きな価値があるということに気づかせたかったのだという。
応募のきっかけは、4月号の教育技術の告知記事。教員4年目で余裕が出てきたこともあり、かねてから気になっていたこのテーマで挑戦しようと決めた。奇をてらわない真正面からの実践記録が評価され、見事、初挑戦で新人賞を受賞。最近では、新宅先生の授業がきっかけで絆が深まり、和田商店街と和田小学校の保護者とを結ぶ新しいサービスも展開している。将来、ここに店を出したいという子どももいる。予想以上の反響に照れ笑いをしながらも、「次回は特選を狙います」と意欲を見せていた。