子供の乳歯を虫歯から守ろう!虫歯を防ぐ歯みがきや食事のコツ、歯並びを解説

虫歯予防の先進国、フィンランドの取り組みとは!?

昔にくらべると日本の子どもの虫歯は減っていますが、親がうっかりすると虫歯ができることに変わりはありません。虫歯予防の先進国フィンランドの取り組みを先駆的に紹介した倉治ななえ先生に、実践的な知恵をたっぷりうかがいました。

乳歯は永久歯よりも薄く、虫歯になりやすい

乳歯は永久歯に生えかわるまでの長い間、食事、言葉の発音、骨格作りなど子どもの成長・発育の重要な役割を担います。乳歯はエナメル質が薄く、虫歯になりやすい性質ですが、親が知識をもって実践すれば、予防可能です。また、乳歯の虫歯予防の習慣を作れば、親自身の歯を守ることにもつながります。元来、女性は男性よりも虫歯になりやすいので、ママと女の子は特に気をつけましょう。

 

乳歯の虫歯ができる過程を解説!

初期の乳歯の虫歯は修復可能

虫歯は「歯」が「虫歯菌」と「糖分」に出会い、「時間」が経過したときに発生します。口の中にすむミュータンス菌などの虫歯菌は、飲み物や食べ物の糖分をえさにして増え、歯垢(プラーク)を作り出して自分の巣にします。虫歯菌は歯垢の中で酸を作るので、酸に弱い歯のエナメル質が溶けだします。溶けだした状態を「脱灰」といい、ごく初期の虫歯の状態です。唾液には修復(再石灰化)する働きがありますが、修復が追いつかないと本格的な虫歯になります。歯質や食事の仕方も影響しますが、この4つの要素を覚えておきましょう。

虫歯を作る4要素と組織図

虫歯菌

食べ物(糖分)

歯(環境)

時間

 

乳歯はどうやってできるの?成長スケジュールを解説

妊娠7週ごろ、お腹の赤ちゃんには歯の「芽」が!

おなかの赤ちゃんにはすでに歯の芽ができています。妊娠中にむし歯予防を学んで母子の歯の健康に役立てて。

生後6か月ごろ。最初の乳歯が

最初の乳歯が生え、むし歯予防がスタート。歯ブラシの感触に慣れやすい時期なので、歯みがきを始める好機。

3歳ごろ、20本の乳歯がはえそろう

奥歯の第2乳臼歯が生えて20本の乳歯がそろいます。永久歯に生えかわるまで、あごの成長を支えます。

6歳ごろ、初めての永久歯が誕生

6歳臼歯(第1大臼歯)と呼ばれる初めての永久歯が顔を出します。みがきにくいためむし歯になりやすい歯です。

12歳ごろ、永久歯がはえそろう

小学生の間に次々と永久歯に生えかわります。その後12歳臼歯(第2大臼歯)が生えて永久歯がそろいます。

 

フィンランド式・虫歯予防の5つの柱とは?

風邪はどんなに予防に努めてもかかってしまいますが、むし歯は知識をもって実行すれば、防ぐことができます。フィンランドで効果を上げてきた「5つの柱」の習慣で歯を守りましょう。

※上の図はフィンランドで用いられている「むし歯予防」のクローバーです。4つの行動とキシリトールの摂取を呼びかけています。

虫歯予防の柱1.歯みがきで汚れを取る

自分みがき

子どもが歯ブラシという異物に慣れ、将来自分で歯みがきをする練習です。歯が生えたら、年齢にあった柔らかい毛の歯ブラシを持たせ、みがくまねをしたらほめます。歯ブラシをくわえて立ち歩くのは厳禁。必ずそばで見守って。

仕上げみがき

大人がみがいて歯垢を取ります。生え始めの乳歯2本なら数秒で終了。続けるうちに親子両方が慣れるので、歯の数が増えてもみがけます。みがく歯の順番を決めておくと、みがき忘れがありません。手先が器用になり、理解力もついてくる小学校3年生ごろまでは続けましょう。

乳歯の虫歯を防ぐ、仕上げみがきのポイント

ポイント1:歯ブラシの選び方

ヘッドは子どもの歯2本分の大きさ、毛足は短く(5〜6㎜ほど)、毛は柔らかめで密集しているもの。柄はストレートで大人が持ちやすいものを。

ポイント2:歯ブラシの持ち方

ペンで字を書くときのような「ペングリップ法」で持ちます。なるべくブラシに近いほうを持つとコントロールしやすくなります。

ポイント3:仕上げ磨きの時の姿勢

1歳前後はなじみやすいおっぱい抱き、次にあお向けに転換しましょう。あお向けをいやがるときは、親子でゴロゴロ転がる遊びなどで「あお向けが楽しい」と感じられる経験を積んで。うがいができるまでは、歯みがき剤は使わずに。

ポイント5:キシリトール入りの歯みがき剤

ブクブクペーができるようになったら、歯みがき剤を使うチャンス。子供用の、フッ素やキシリトール入りのものを選ぶとよいでしょう。量はごく少なめに、子どもの切った爪1枚程度の量で大丈夫です。ベビー用の歯磨き剤は、スプレーやジェル状など種類も豊富です。

ポイント6:大人の手を固定する

歯ブラシを持つ手の小指と薬指を子どものあごに沿わせて固定すると安定します。上の前歯をみがくときは上唇小帯(上唇の裏の粘膜のスジ)を片方の手でカバー。

ポイント7:震わせみがき

ゴシゴシこするのは禁物。歯ブラシを歯に対して直角に当て、先を震わせるように微振動させてみがきます。マッサージのような感覚で。

子供が歯みがきをいやがるときはどうする?

7割の子供が歯磨きを嫌がる!

読者アンケートでは歯みがきをいやがらないお子さんは3割のみ。一般的にいやがる原因は「痛い・怖い・時間が長い」ですが、わが子の原因を探り、みがき方を見直しましょう。歯みがきの絵本や歌を親子で楽しみ、初めはとにかく手早くすませるのも効果的です。

 

虫歯予防の柱2.けじめのある食生活

だらだら食べをしない

飲食は回数が多いほど、時間が長いほど歯はダメージ(脱灰)を受けます。3食とおやつ以外は、基本的に水とお茶以外は口にしない習慣を。

おやつはなるべく糖分の少ないもの

子どものおやつは本来、食事で摂り切れない栄養を補うためのもの。甘いお菓子や飲み物より、野菜やおにぎりなど食事に近く、よくかんで食べるものがおすすめ。

夕食後は間食しない

唾液には歯を守る働きがありますが、就寝中は分泌が激減。夕食後は甘い飲み物や間食を避け、歯みがきをして寝る習慣をつけましょう。

歯によくないおやつって?

砂糖入りで、歯にくっつく、歯の間に行きわたる、食べる時間が長いものが避けたいおやつ。甘いものを楽しむなら食後のデザートとして食べ、その後は歯みがきを。

 

虫歯予防の柱3.定期健診を受ける

年に2回はチェックを

乳歯はひとたびむし歯ができると進行が早いので、数か月に1度は歯科健診を。奥歯のチェック、歯みがきの指導、フッ素塗布、歯のクリーニングなど、健診には数えきれないメリットがあります。また、歯ブラシや歯みがき剤のほか、キシリトールのガム、タブレットなどの効果的な使用法を教えてもらうことや、歯並びの相談をして専門医を紹介してもらうこともできるでしょう。子どもが歯医者さんに慣れれば、親にとっても大助かりです。

虫歯坊の柱4.フッ素で歯を強化!

歯科だけではなく家庭でも

WHOも推奨するフッ素を積極活用!

フッ素は海藻類やお茶にも含まれている物質で、
●歯のエナメル質を強化 
●初期のむし歯の修復を助ける 
●むし歯菌を弱くする 
などの効果が知られ、WHO(世界保健機関)でも推奨されています。安全性を心配する人もいますが、正しく使えば問題ありません。乳幼児向けジェルやスプレータイプがあるほか、歯みがき剤に含まれるフッ素濃度は何種類かあるので、月齢に合わせて使いましょう。その上で、歯科医院で濃度の濃いフッ素を塗ってもらうことが大切です。

 

虫歯予防の柱5.キシリトールで虫歯菌を減らす

タブレットが便利です

キシリトールは天然素材の甘味料で、むし歯菌を弱める効果があります。むし歯予防1〜4(四葉のクローバー)を守っている人には特に効果的。ガムとタブレットがありますが、3歳ごろまではタブレットを。食後になめるか、歯みがきのごほうびに与えてもいいでしょう。歯医者さんで売っているキシリトール100%のものがおすすめです。ただし、一度にたくさん摂るとおなかがゆるくなることがあるので、少量から試して。

 

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