子供がヘルパンギーナにかかったら?症状や治療法、抗生物質など小児科医が解説

Q . 子供の風邪は冬に多いイメージですが、夏に流行するものも。「夏かぜ」といわれるヘルパンギーナの症状や対処法を教えてください。

A . 夏に活発なウイルスが 原因で起こる病気です

かぜとは、気道(鼻や口から肺につながる空気の通り道)に炎症が起こり、くしゃみや鼻水、のどの痛み、発熱などが見られる病気の総称です。かぜのうち、梅雨の時期~夏に流行するものが「夏かぜ」と呼ばれます。

夏に流行しやすい風邪や病気に、以下のものが。今回は「ヘルパンギーナ」について詳しく解説します。

「夏風邪」の代表、「ヘルパンギーナ」の症状とは?

急に高熱が出て、のどの周りや口の中に小さな水疱ができます

のどの奥、口の周りなどに赤く小さな水疱が数個~十数個できます。水泡が目立たないケースもあります。38~39度の高熱が出て、のどの痛みがしばらく続き、唾液を飲み込めずによだれが増えたり、飲食を嫌がったりすることも。水、麦茶、経口補水液などでこまめに水分補給をして、一度受診してからも症状が長引く場合は複数回の受診を。小さな子どもは、のどの痛みを言葉で伝える代わりに指を口に入れる仕草が増えることもあります。

「ヘルパンギーナ」の原因と治療は?大人にもうつる?

おもにコクサッキーA群ウイルスの感染によって起こり、感染した人のだ液や排泄物などからうつります。子供のオムツ替えなどから、大人にうつることも。水疱がつぶれると痛むため、食事や水分をとりにくくなることがあります。熱はそれほど長引かずに1~3日で下がり、のどの痛みも1週間ほどで治まります。不機嫌になって食事がとれなくなったり、唾液を飲み込めずによだれが増えたりします。

 

「ヘルパンギーナ」家庭でのケアのポイント

●熱がある時はエアコンを上手に使い、快適な室温・湿度の部屋に寝かせる
●食べられない時は無理せず、経口補水液などで脱水を防ぐ。冷スープなどのどごしのいい食べ物や、食べられるなら固形物を少量ずつ与えても
●元気で水分がとれていれば、シャワーもOK
●結膜炎がある時は、家族でタオルを共用しない

 

ヘルパンギーナに抗生物質は効く?

ウイルスによる感染症なので、抗菌薬(抗生物質)は効果が期待できません。のどごしのよいものを与え、水、お茶、冷ましたスープなどで水分補給をして安静にしましょう。飲食ができず、おしっこの回数が減る、泣いても涙が出ないといった症状が見られたら、早めの受診を。ウイルスは便からも排出されるので、おむつ交換のあとは手洗いを忘れずに。

 

 

Q:微熱があるときの入浴は避けたほうがよいですか?

38℃以上なら入浴は控えますが、37℃台で機嫌がよければ、ぬるめのお湯での短時間の入浴やシャワーなら差し支えありません。おしりをシャワーで洗うだけでもさっぱりします。

 

Q:のどを痛がるときは何を食べさせればいい?

ゼリー状のもの、うどんやそうめんなど冷たくてのどごしのよいもの、冷たいスープや冷ましたみそ汁などを少しずつこまめに与えましょう。飲み物はストローを使うと飲みやすいことも。

 

水分補給で脱水を予防することが肝心!

ウイルスが原因の夏かぜの場合、治療は対症療法に限られます。病院で処方される薬もつらい症状をやわらげるためのもので、病気そのものを治すものではありません。回復を待つあいだ、もっとも注意したいのが脱水の予防です。口の中やのどが痛むと飲んだり食べたりするのをいやがることがあります。食事は無理にとらなくても構いませんが、水分はほしがらなくてもこまめにとらせます。水分補給には水や麦茶など甘くないものが適していますが、食事がとれない場合は、糖やナトリウムを補給することができる子ども用の経口補水液を利用するとよいでしょう。

夏かぜは、それぞれ原因となるウイルスが複数あります。一度かかれば免疫ができますが、違う型のウイルスには感染するため、何度かかかることもあります。また、症状が治まったあと数週間は、便(咽頭結膜熱の場合は目やににも)にウイルスが含まれています。トイレやおむつ替えのあとなどはていねいに手洗いをし、使用ずみのおむつは密封して捨てましょう。

夏の旅行やレジャーは無理のない計画を

旅行やレジャーに出かけるときは、子どもの体調を考えて余裕を持った計画を。飛行機では気圧が変わる離陸時と着陸時の前に何かを飲ませたり食べさせたりすると、耳が痛くなるのを防げます。

夏を元気に過ごすには、気になる症状に早めに対処するとともに、スポーツドリンクなど糖分の多いものをとりすぎない、15時以降のお昼寝は控えて早寝早起きをするといった基本的な生活習慣を見直すことも大切です。

 

 

金井正樹先生
東京都八王子市・金井内科医院 院長
国立小児病院、米国の小児病院などで小児外科の臨床・研究を行い、2008年より現職。診療科目は内科、小児科、小児外科、外科。保育園の園医、小・中学校の校医も務める。

※出典:『めばえ』2017年8月号 再構成/HugKum編集部

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