夏休みは「きれいな字」を身につけるチャンス!【隂山英男の家で伸ばす! 子どもの学力】

「百ます計算」などの「隂山メソッド」が多くの学校・家庭で成果をあげている隂山英男先生が、子どもの学力を家で伸ばす方法について教えてくださるコーナーです。今回のテーマは、「1年生の夏休みは、正しく読みやすい『字』を家庭で身につける!」です。

 

計算ミスの少ない子は、正しい字の子

「字」の修正は夏休みの間に

その理由は3つあります。まず約3か月間の学校生活を通し、指先の器用さがかなり育まれた状態にあること。次に夏休みなのでまとまった練習時間が確保しやすいこと。そして字の乱れは、学年が上がるほど修正しにくくなることです。ひと通りのひらがなを使いこなせるようになった今こそ、丁寧に字を書ける子へと導いてあげてください。

丁寧な字を書く子、乱雑に字を書く子……。どちらになるかは親の意識が大きく影響します。字なんて書ければいい、書き順など適当でいいという親の子は、乱雑な字を書く傾向にあります。逆に字の形の正しさや書き順などに注意する親のもとでは、丁寧に字を書ける子が育ちます。

多くの子ども達を指導してきた経験からいえば、正しく読みやすい字や数字が書ける子は計算ミスも少なく、これから習う漢字の習得もはかどります。計算ミスの原因で最も多いのは「数字を丁寧に書いていない」ことです。決してそそっかしいなどの性格の問題ではありませんし、計算方法を理解していないわけでもありません。0だか6だかわからないような数字、1だか7だかわからないような数字を自分で書いて自分で読み違える。これが計算ミスを生み出すのです。

きれいな字が書けたら花丸をあげましょう

漢字も同じです。漢字が身につかない子は、そもそも字が乱れていることが多く、書いても書いてもほめてもらったり、花丸をもらえることがありません。そのうち漢字が嫌いになってしまい、ますます字が乱れていく…ということになります。字が乱雑な子は、きれいな字とはどんな字なのかを知らない子です。書き順や「はね・はらい・とめ」のルールは、きれいな字を書く方法であることを理解し、きれいな字が書けたときに「上手に書けた!」と感じる気持ちが、漢字の練習意欲を支えるのです。

きれいな漢字を習得するためには、まずカタカナを正しく書く練習から始めることをおすすめします。ひらがなの多くは曲線の組み合わせですが、カタカナは直線が多く、線と線がつくる角度や、直線どうしのバランスを自在にあやつる必要があります。これは漢字を正しく書く力に直結します。

字の形の正しさや書き順などを、しっかり見てあげてください。その際にも、「字がきたない、書き直し!」という否定の姿勢ではなく、「こういうふうに書くと、ほら、きれいでしょう?」と、肯定の姿勢で教えてあげることも大切なポイントです。

 

教えてくれたのは

陰山英男|教育者

1958年兵庫県生まれ。1980年、岡山大学法学部卒業後、教職の道へ。百ます計算をはじめ、「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子ども達の学力を驚異的に向上させた。その指導法である「陰山メソッド」は、教育者、保護者から注目を集め、「陰山メソッド」を教材かした『徹底反復シリーズ』は、総計770万部の大ベストセラーとなっている。現在、YouTube『陰山英男公式チャンネル』で授業や講演を公開して注目を集めている。

編集協力/小倉宏一(ブックマーク)  撮影/奥田珠貴

(初出:『小学一年生』2015年9月号)

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