0歳、1歳それとも3歳?「保育園」何歳から入れる・入りやすいの?

出産を終え、育児休業も終え、そろそろ仕事に復帰しようと考えたとします。あるいは子育てもひと段落したので、そろそろ仕事でも始めようと思ったとしたら、子どもを保育園(保育所)に預ける必要も出てくるはず。しかしこの保育所、身近な存在なのに、「いつから入れられるの?」などと疑問がいっぱいですよね。

そこで今回は、保育所ではありませんが、2人の子どもを幼保連携型の認定こども園に通わせる筆者が、保育所は何歳から入所させられるのか、いつが入りやすいのかといった問題を解説します。

いつから預けられる? そもそも保育園は何歳(何カ月)から何歳まで入れるの?

幼稚園との関係で「保育園」と呼ばれますが、正式には保育所。この保育所は、子どもが何歳から何歳までの期間に預けられる場所なのでしょうか。年少、年中、年長という言葉がありますから、満3歳、満4歳、満5歳は間違いなさそう。ですが、それより下はどうなのでしょうか。法律をチェックしてみると、

<日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設>(児童福祉法第39条第1項より引用)

と書かれています。保育所が保育を提供する子どもの対象は、保育に欠ける未就学の乳児と幼児。ルールとしては0歳の乳児に始まって、小学校に入る前の幼児が入所を認められているのですね。

まとめ

保育所は0歳から就学前の幼児が入れる。

 

幼稚園は何歳から入れるの?

一方で幼稚園は何歳から入れるのでしょうか。幼稚園は保育所と異なり、教育を行う学校になります。言い換えれば、教育を受ける側の子どもにも一定の「成熟」が求められます。法律を見ると、

<幼稚園に入園することのできる者は、満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とする>(教育基本法第26条より引用)

とあるように、3歳になった子どもが「年少」として入園を認められるのですね。

保護者からすれば「保育所みたいに、もっと早く通えるようになればいいのに」と感じるかもしれませんが、かつて満2歳の子どもに対して教育を行った特区では、子どもの発育が不十分で、体系的、組織的な授業が行えなかったという実例もあるのだとか。

逆を言えば、教育のみを目的としていない、養護と教育を行う保育所だからこそ、0歳(乳児)からの受け入れが可能なのですね。

まとめ

幼稚園は満3歳から就学前の幼児が入れる

 

0歳から? 3歳から? それとも4歳から? 保育園は何歳からが入りやすいの?

小学校に入学する前までであれば、保育所は子どもが何歳であっても入れます。しかし、保育所というと「待機児童」という言葉が思い浮かぶはず。

厚生労働省がまとめた「保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)」を見ると、全国で待機児童の人数は26,081人、待機児童の人数が100人以上も控えている市区町村は、全国で64カ所にも達するのだとか。

そうしたニュースを耳にするたび、「うちの子は入れるのか?」と心配になってしまいますよね。特に待機児童数が多い東京都世田谷区(861人)、岡山県岡山市(849人)、東京都目黒区(318人)、千葉県市川市(576人)、東京都大田区(572人)など待機児童が多い地域で子育てをしているとしたら、「少しでも入りやすい年齢で預け入れたい」と切実に考えてしまうはず……。

ではこの入所のタイミングに関して、何歳からが入りやすいなど、入所に有利な子どもの年齢はあるのでしょうか?

〇保育園は0歳児が入りやすい?

結論から先に言うと、どこの地域に暮らす人にも適用されるような裏技めいたルールは、存在していません。地域によって受け入れ可能な定員の数も違いますし、同じ地域でも現実的に子どもを通わせられる保育所の数も、人によって異なってきます。

ただ、幾つかの示唆的なデータはあって、例えばベネッセ教育総合研究所「第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年]」には、全国にある保育所の募集定員数と、実際に入所している子どもの数が示されています。

全国の保育所における0歳児クラスの定員数(平均)は、

→満0歳児クラス

〇定員・・・・・公営:6.8人 私営:8.8人

に対して、実際に通っている子どもの数が、

〇入所者数・・・公営:4.3人 私営:8.4人

となっています。満0歳児クラスは公営・市営に関係なく、全国的に見れば定員割れが起きていると言えるのですね。しかし、満1歳児クラスにおいては、

→満1歳児クラス

〇定員・・・・・公営:11.6人 私営:13.3人

に対して、

〇入所者数・・・公営:9.3人 私営:14.2人

と、私営で定員オーバーが起きていると分かります。満2歳児に関しても、

→満2歳児クラス

〇定員・・・・公営:14.6人 私営:15.8人

とありますが、

〇入所者数・・・公営:11.7人 私営:16.5人

と、私営で定員オーバーが起きていると分かります。もちろんこの数値はちょっと前のデータで、保育所などの認可定員数は年々増えている現状があります。そう考えると状況は変わっている可能性もありますが、一方で今でも「1歳の入園は激戦」という保護者の声を耳にしますよね。

厚生労働省の資料「待機児童の状況(年齢別)」を見ても、平成28年4月1日時点の待機児童は、71.1%が1歳児、2歳児だとも分かっています。子どもが満1歳、満2歳で保育所に入れようと考える保護者自体も、右肩上がりに増えています。

出産を終え、産後休業と育児休業を経て、子どもの1歳の誕生日で仕事に復帰しようという女性が多いからか、あるいは1歳、2歳の時点で保育所に滑り込ませて、持ち上がりで年長クラスまで在籍させたいと考える親が多いからか、満1歳、満2歳の入所は地域によって、待機児童が多く生まれています。

〇保育園は3歳なら入りやすい?

では、3歳以上児の場合はどうなのでしょうか? 

3歳以上児のクラスは、保育所の定員数がぐっと多くなります。上述した「第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年]」を見ても、0歳児クラスの平均受け入れ人数は公営で6.8人、私営で8.8人である一方、満3歳児クラスの定員は公営で21.4人、私営で19.1人と倍以上になります。そもそも0歳児クラスに関しては、存在しない保育所もありますよね。受け入れ人数が多くなるため、入りやすくなるイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。

上述の「第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年]」で、定員数と実際の入所者数の平均を年齢別にあらためて見比べると、

→満3歳児クラス

〇定員・・・・・公営:21.4人 私営:19.1人

〇入所者数・・・公営:16.0人 私営:17.1人

→満4歳児クラス

〇定員・・・・・公営:25.5人 私営:20.4人

〇入所者数・・・公営:16.8人 私営:19.4人

→満5歳児クラス

〇定員・・・・・公営:26.4人 私営:20.7人

〇入所者数・・・公営:17.1人 私営:19.0人

という感じで、いずれの年代も募集定員に空きがあると分かります。満3歳児クラスは受け入れ側の保育所の定員数が増えるために、この全国平均の数字だけ見ると、(第一希望に入れなかったなどの問題はあるかもしれませんが)とりあえず3歳の子どもの預け先は確保できる状態になっていると言えそうです。実際に、平成28年4月1日時点で、3歳以上児の待機児童は全体の13.2%とやや低めだというデータもあります。

ただ、これは全国的な平均値。待機児童が叫ばれているようなエリアでは話が違います。3歳以上児の募集定員が増えると言っても、3歳未満児クラスからの持ち上がりによって、定員の大部分が埋まっていたり、区切り良く3歳のときに子どもを入所させようと考える保護者が周りに多かったりで、地域によっては第一希望の保育所に入所できない、待機児童になってしまうというケースが生じているようですね。

まとめ

何歳からが入りやすいとは一概には言えない。しかし、0歳児は比較的入りやすいとも考えられる。

 

満3歳が主流⁉ 保育園は何歳から入れる親が多いの?

入所のしやすさは、同学年の子どもを持つ周りの親が、どのタイミングで子どもを預け入れたいと考えるのかも影響してくるはずです。そこで、世の保護者はどのタイミングで子どもを保育所に預けているのか、あらためてチェックしてみました。

〇3歳児以降の子育て費用トップは保育料になる

1つの参考となる情報が、内閣府『インターネットによる子育て費用に関する調査』になります。同調査では、保護者がどの程度の子育て費用を年間で出費したかというデータが、子どもの年齢別に出ています。関連記事「調査から判明!年齢別「子育て費用」シミュレーションで月々の総額を計算しよう」でも同データを利用して、子育て費用をまとめました。

その結果を見ると、0歳児と1歳児の育児中において、子育て費用のトップ3に保育料は出てきていません。しかし、2歳児になると保育費の出費が第3位になり、3歳児からは保育費が子育て費用のトップになって、それ以降は小学校入学まで、保育費がずっと子育て費用のトップになり続けています。

〇1歳と3歳が入所の山

厚生労働省の作成した「保育の現状」という資料も参考になります。同資料には、平成25年時点での未就学児の保育状況が示されています。保育所在所児数として、保育所の利用者数も示されていますが、

0歳児 1歳児 2歳児 3歳児 4歳児 5歳児
112,000人 322,000人 394,000人 459,000人 469,000人 464,000人

 

となっています。変化が大きい年齢は、1歳児と3歳児。この数字は子どもが入所した年齢を示しているわけではありませんが、各学年の総人口がほとんど変わらない中で、0歳児と1歳児、2歳児と3歳児の間に大きな変化があると考えると、一般的には1歳で保育所の入所者がぐんと増え、3歳である種のピークを迎えるといった実態が見えてきます。

こうしたデータを踏まえて考えると、子どもを保育所に預ける保護者の多くは、子どもが1歳のとき、あるいは3歳のときに入所を決断していると考えられますね。

まとめ

子どもが1歳のとき、3歳のときに入所させる親が多い。

 

保育園の入園は何月から?

今までは何歳から保育所に入所できるのか、何歳からが入りやすいのかといった話を見てきました。最後は何月から入所できるのかを考えてましょう。保育所は4月入所が基本で、それ以外は全て途中入所になります。

〇4月入所のスケジュール

4月入所の大まかなスケジュールですが、

  1. 前年の秋に募集情報が出る
  2. 11~12月に新規入所申し込みを希望の保育所、または役所で行う(その場で面接を行うケースもあり)
  3. 入所が決定した場合は、2月中旬以降に利用決定の通知が届く
  4. 内定の通知を受けたら、保育所で面接と健康診断を行う
  5. 4月1日から入所(入所日については、保育所に相談)

 

といった流れになります。

〇途中入所のスケジュール

途中入所に関しては、毎月1日からの入所が基本となります。申し込みの締め切りは、利用を希望する月の1日から見て前の月の15日~20日などと自治体で決まっています。

  1. 治体の施設(役所など)などで申し込み
  2. 審査と入所調整
  3. 月末に内定者に連絡が入る
  4. 保育所と日程調整の上で、面接と健康診断を行う
  5. 希望する月の1日から入所

ちなみに欠員の状況は自治体が把握しているため、事前に入所希望の保育所に空きがあるかどうか、どこの保育所に空きがあるのかを確認してから、応募したいです。

まとめ

保育園の入所は基本的に4月1日だが、それ以外の毎月1日の途中入所も認められる。

 

以上、保育所の入所が何歳からできるのか、何歳からが入りやすいのかといった点をまとめました。幼稚園と異なり、必要に応じて何歳からでも預けられる施設が保育所になります。仕事復帰や仕事のスタートに応じて、柔軟に入所を希望してみてくださいね。

(文・坂本正敬)

 

【参考】

学校教育の対象年齢について – 文部科学省

第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年] – ベネッセ教育総合研究所

保育をめぐる現状 – 厚生労働省

待機児童の状況(年齢別)  – 厚生労働省

保育所入所待機児童数及び定員数について – 千葉県

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