子供の乳歯を虫歯から守ろう!虫歯を防ぐ歯みがきや食事のコツ、歯並びを解説

乳幼児期の歯並びのお話。乳歯時代にあごの骨を育てよう

あごの骨を育てるには「よくかむ」ことが必要なのはもう常識ですが、ポイントは他にもあります。成長期の子どもの骨は粘土のように柔らかく変化するので、適正に成長するようサポートしてあげましょう。

知っておきたい子供の悪い歯並び例・「不正咬合」

歯並びが悪いと、生涯にわたって悪影響が

歯並びが悪いと、むし歯や歯周病になりやすい、発音が不明瞭、かむ力が弱いなど生涯にわたって影響します。主な不正咬合はあごの小ささなどが原因の「叢生(八重歯など)」、猫背や指しゃぶりで起きやすい「上顎前突(出っ歯など)」のふたつがよく知られていますが、他の4種類も知っておきましょう。

反対咬合(はんたいこうごう)
(受け口)

下の前歯が上の前歯より手前に出ている。原因は遺伝が多いが、むし歯や下あごを出すクセから出ることも。

交叉咬合(こうさこうごう)

奥歯のかみあわせがずれて、前歯の正中線が合わない。上あごの発育不全、指しゃぶり、傾いた姿勢などが原因に。

過蓋咬合(かがいこうごう)

下の前歯が見えないほど上の前歯がかぶさっている。下あごの発育不全や長時間うつむいた姿勢が原因になることも。

開咬(かいこう)
(オープンバイト)

奥歯はかみあっているが、前歯が開いている。前歯でかみきりにくい。指しゃぶりや口呼吸が原因になる。

よい歯並びのために、注意すべきことは?

鼻呼吸はよい歯並びの基本。口呼吸は治して

鼻で呼吸をする鼻呼吸ができることは、よい歯並びの基本です。子どもに唇を閉じさせてみて、呼吸が苦しい場合は口呼吸かも。口呼吸は健康に悪いほか、上下の歯の間に舌を出す習慣から歯並びに影響することも。疑わしいときは耳鼻科で原因を調べて。

食事のときは、足をしっかり着けて

イスで食事するなら腰、ひざ、足首が直角になるように高さを整えて。かんで歯を包む歯根膜がまっすぐに押され、骨芽細胞に刺激が伝わってあごの骨が育ちます。しかし足が着かない姿勢ではかむ刺激が十分伝わりません。

 

楽しい会話でよい姿勢に導く

横向きにテレビを見ながら食べると交叉咬合になるほど、姿勢は重要。叱られると猫背になり、かみ合わせがゆがみます。食事中はテレビを消して子どもをほめれば、自然によい姿勢ができますよ。

 

指しゃぶりは4歳までに忘れさせたい

赤ちゃんの指しゃぶりは心配ありませんが、3歳を過ぎても続くと不正咬合の原因に。叱るのではなく、周囲の大人が協力し合って徹底的に遊び相手をして、指しゃぶりを忘れさせましょう。

 

 

 

倉治ななえ先生

お話:倉治ななえ 先生

クラジ歯科医院院長。日本歯科大学附属病院臨床教授。育児を契機に子育て歯科を始め、フィンランドでの研修も生かして予防歯科に精力を傾ける。著書多数。

イラスト/竜田麻衣 構成/童夢

 

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