デイリーポータルZの記事は、『小学一年生』9月号(8月1日ごろ発売)の親向け別冊「Hug Kum」の自由研究特集で提案している「子どものなぜ、どうして」や「子どもの興味のあること」を自由研究にする、という方向性と似ているなって思いました。
「なぜ」、「どうして」、そこから始まるところは確かに自由研究と共通していると思います。
そのつもりで見たら、自由研究のヒントがたくさん転がっていると思います。
僕が特に自由研究っぽいなと思ったものをいくつか挙げてみますね。
ものの金額は、社会学であり考現学であり経済学です。また、1個あたりの数を割り出す、というのは3年生の算数で習う割り算を使います。単に割り算のドリルをやっているだけとは違う、学習と生活が合致するすばらしいテーマです。
方角を調べるのは、社会であり理科でもあります。地図記号は3年生の社会、方位磁針の使い方は3年生の理科で習います。もちろんべつに1年生や2年生のうちから使ってもかまいません。検証に適した道具を使いこなすこともポイントが高いです。
また、「北口は北にあるに決まっている」とスルーしてしまうのではなく、常識を疑ってみる姿勢がものすごくすばらしいです。
これはもう言わずもがなですね。まんま小学生の夏休みじゃないですか(笑)。
これを、図鑑などでもよく紹介されている虫集め用の液体(バナナや焼酎などを調合するやつ)でなく、普通のジュースそのまんまでやってみるのが、むしろポイントが高いと思います。
虫捕りのためにはオリジナル液を作らないといけないのかと思い込むのではく、「そういえば道にこぼしちゃったジュースとかに虫がたかったりしてるよなあ」と何気なく見ていた記憶を結びつけること、そして「虫にも好き嫌いがあるはずだ」と仮説を立てて挑んでいるのがすばらしすぎる。
ほかにもまだまだありますが、ここに挙げたものは、じゅうぶん小学生の自由研究のヒントになるなと思いました。しかも、見ていてつい「ププッ」と笑っちゃう。でも、「ふーん、なるほど!」と唸ってしまう。そして次の日、誰かに教えたくなるような気持ちになるんですよね。
それで、マニアの多い音楽や映画の話はやめようと思いました。マニアがいる世界だと、何をいっても怒られる。それは嫌だなって思ったんです。
要は争わなくてもいいところ、平和に記事をまとめられて、みんなが読んでちょっとハッピーになれるところに行き着いたんですよね。
そうすると、「コイにはなにか書いてある」とか、「ハトの模様を調べる」みたいな記事になる。このふたつはボクが書いたんですよ。どっちも平和的でしょう!?
自由研究って、特に低学年の場合は、学校側が「保護者も一緒に取り組んでくださいね」といったスタンスでいるので、親の負担が大きいんです。つまり、自由研究のアイデアも親が一緒に考えなきゃいけない。けれど、親も「何をやっていいかわからない」「面倒くさいわ」みたいなね。
これって、会議とかのプレゼンの資料を作るときの工程も同じ。そこに気づくと、じつは自由研究って、社会人として必要なコミュニケーション力やプレゼンテーション力を培うための練習につながることなんだなって思います。