作/たなか鮎子
小学館
2024年9月18日(金)発売
AB判・40P
定価1,870円(10%税込)
【絵本作家・たなか鮎子さんからのメッセージ】
メルと野菜たちの楽しい冒険が詰まった絵本です!
秋になると、パリのマルシェにはカラフルな野菜が並びます。
たくさんの人でにぎわうマルシェの中で、野菜屋さんに並ぶカラフルな野菜たちを見ると、心がうきうきしてきます。
収穫祭のこの季節になると、幼い頃住んでいたドイツの聖マルティン祭というお祭りを思い出します。
紙やセロファンの手作りランタンにキャンドルを灯し、近所の家を訪ねてはお菓子をもらって歩きます。集まった広場でゆらゆら揺れるたくさんのランタンの面影が、今も心に残っています。
もうひとつ、野菜たちを眺めていて思い浮かぶのは、母の庭です。うちの母はガーデニングが大好き。朝早くから庭に出て花や野菜に水をあげている母は、とても楽しそうで、生き生きと輝いて見えます。都会のアパートで暮らしている私にはうらやましい光景です。
朝食には、採れたての野菜サラダやスープがテーブルに並びます。大地と太陽の力をたっぷり吸い込んだみずみずしい野菜たちを食べると、「今日も頑張ろう!」と元気がわいてきます。
この絵本は、そんな収穫祭の思い出と、元気いっぱいの野菜たちをイメージしながら作りました。
主人公は、ちょっとおっちょこちょいな小さな魔女のメル。
魔女なのに魔法は苦手だけど、実は野菜たちとおしゃべりできる特別な力を持っています。
誰かが落ち込んでいるとほっとけない、心優しい女の子でもあります。
秋の収穫祭の日、メルが出会ったのは、元気をなくした男の子、ピムくん。
いったい何が起こるのでしょうか…?
メルと野菜たちの楽しい冒険が詰まったこの絵本、
ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。
【著者プロフィール】
たなか鮎子(たなか・あゆこ)
絵本作家、イラストレーター。福岡県生まれ、宮城県に育つ。ロンドン芸術大学大学院修了。2000年ボローニャ国際絵本原画展入選。書籍・児童書の装画挿絵等の他、個展を中心に活動中。絵本に 『ふしぎなかさやさん』『クリスマスマーケットのふしぎなよる』(講談社刊)、『森のささやきの標本室』(A&F出版)、『ルナのたまごさがし』(フレーベル館刊)『はだかのおうさま』(文・立原えりか フレーベル館刊)など多数。
『まじょのメルとひかるスープ』のあらすじ
心も体もぽっかぽかになる魔法の絵本
まちはずれの小さなお屋敷に一人ですんでいる魔女のメル。
魔法はあんまり得意じゃないけど、生き物たちの声を聞くのは上手で、毎日、植物や動物とにぎやかにおしゃべりしています。
ある日、物知りのフクロウから、今夜町の広場で開かれる収穫祭の話を聞き、そのお祭りに行けば、もしかしたら友達ができるかも、と、わくわくします。
さっそく出かけたメルは、広場に向かう途中で、元気のない男の子ピムくんに出会います。
ピムくんを元気づけようと魔法の呪文を唱えてみるけれど、メルの魔法はやっぱり大失敗。でも、その失敗のおかげで不思議な扉が開かれ、二人は冒険へ駆け出すことに・・・・・。