子ども達の感性の振り幅を広げたい【絵本作家インタビュー】よしながこうたくさん

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鮮やかな色彩と、独自の世界観が魅力の新作絵本『ワオコッコ』。作者のよしなが こうたくさんに、ライフワークであるライブペイントと子ども達への思いを語っていただきました。

 

ワオコッコ表紙A入稿

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ぴっかぴか絵本シリーズ
『ワオコッコ』
さく:よしながこうたく
小学館・刊

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■子ども達のリクエストで予想外のものが生まれるライブペイントの魅力

『給食番長』で絵本デビューして以降、作家活動と並行して年間20~30本のペースで講演会を行っています。

講演会といってもぼくが一方的にしゃべるのではなく、絵本の読み聞かせと、子ども達にも参加してもらう「ライブペイント」が中心です。

その場で描くものをリクエストしてもらいながら1つの作品をつくり上げるのですが、描いている本人にすら、出来上がりがまったく想像できません(笑)。

具体的には、動物や好きなキャラクターをどんどん言ってもらって、それを合体させていきます。

「体はどっち向き?」「手はどこまでのびてる?」「このままじゃ顔に当たるよ~」「え! 口に入る? 本当に!?」なんて、連想ゲームみたいにつなげていくんです。

毎回とんでもない絵ができ上がりますが、これがすごく楽しい。

すみっこのほうでモジモジしている子にも、せめて指で示してみてと、参加を促します。

たまに、1人だけ乗ってこない子がいたりするんですが、そういう子が気になって仕方がない。必ず話しかけます。

反対に、「こんなのは描けないだろ?」って挑戦状をたたきつけられることもあります。そういうときは、「やれるよ!」って受けて立ちます。

子ども達と同じ目線で、本気の遊びをしている感じですね。

 

■格好付けやウソつきをすぐに見抜く子ども達

読み聞かせを初めてやった8年前、ヘアスタイルがモヒカンだったんです。

若かったし、まだまだ尖っていたんですね…。そんなぼくを警戒したのか、子ども達はけげんな顔をして近寄ってこない!

自分のせいで、絵本にも興味を持ってもらえなくなったら大変だ! ということで、頭を剃りまして、オーバーオールに自作のかぶりものという、親しみやすいスタイルに変更しました。

今では、これが定番です。

子ども達は、格好付けやウソつきをすぐに見抜いてしまいます。それがわかってから、彼らともっと本気で向き合わなくては、という気持ちが強くなりました。

ぼくの場合は、絵や絵本はコミュニケーションアート。それを通して、子ども達の感情や感性、考え方のふり幅が広がったら最高です。

そのための努力はこれからも惜しみません。

 

■感情をダイレクトに塗りこんだ新作絵本

今回の新作絵本では何か新しいことをやりたいと考えていました。

そこで、これまでの絵の具に加えて「クレパス」をメインに使ってみました。

手で直接握って描くクレパスは、感情の起伏を塗りこみやすく、勢いが出せたと思います。

ただでさえぼくの絵は「見ているだけで汗をかく」なんて言われているのに、おかげでさらにこってりした仕上がりになりました(笑)。

青いクレパスの先に赤がちょっと付いていて、知らずに塗り始めて色が混ざってしまうようなハプニングもありましたが、そんな風に思うようにならないところも楽しかったです。

自分が好きなのは、大人達が寝ながら歩くシーン。ちょっと笑えて気に入っているので、ぜひ見てもらいたいですね。

ぼくの作品をおもしろがってくれた最初の読者も、今や高校生や大学生になっています。

もう少し時間がたって、その子達の、そのまた子ども達が同じ絵本を読んで何かを感じてくれたら…。それはもうグッときます!

(写真/柴原 豊 取材・文/和田明子)

 

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Profile•よしなが こうたく

1979年、福岡県出身。九州産業大学デザイン科卒業。大学在学時より作家活動を始め、イラストレーターとしてのキャリアをスタートさせる。2007年『給食番長』にて絵本作家デビュー。精力的に作品を発表するとともに、日本各地の小学校で講演会を実施している。

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