5. めくりを使う
テレビのワイドショーなどでボードに貼った紙をめくっている。あれを「めくり」と呼ぶのだ。自由研究の成果もあのように紙で隠しておいて、発表するときにはがすのだ。それだけで注目度アップは間違いない。
結果だけではなくて、「この日、僕が食べた昼ごはんは何だったでしょうか……(ぺりっ)……カレーでした!」と個人的なことだってOK。
のりは「ポストイットのり」というノリが貼ってはがせるので便利だ。
6. 完成予想図を書く
工作を作ったけど、ぜんぜん予想と違うものになってしまった…。よくある!すごくよくある。予想通りのものができることなんてめったにない!
そういうときは自由研究のはじめに完成予想図をつけよう。
すごくかっこいいやつにするのだ。
それを見た人は「お、こんないいものができるのか。楽しみだ」という気持ちになる。そうすると実際にできたものを見たときに一緒にがっかりしてくれる。
それは作った僕らと同じ気持ちなので、なぜうまくいかなかったか、という考察も共感しながら聞いてくれるはずだ。
7. 前後をつけてエッセイにする
観察や工作がうまくいかない。それだけを伝えると失敗のように見える。
でも、「わくわくして始めて」→失敗して→「がっかりする」という前後があればそれはお話になるのだ。
うまくいかなかったからといって、始める前のわくわくした気持ちまでなかったことにしてしまうことはない。これはだめだなと思ってふて寝したことも書こう。
デイリーポータルZは毎日3つの記事を載せているので、失敗したからと言ってボツにすることはできないのだ。このテクニックはサイトの根幹になっている。
8.友達に笑い屋を頼む
観客を笑わせるいちばんいい方法はおもしろいことを言うんじゃなくて、よく笑う人が観客席にいることらしい。デイリーポータルZのイベントでも関係者にはよく笑うようにお願いしている。
教室で自由研究を発表するときは友達に笑ってくれるようにお願いしておこう。
きっとまわりの人もつられて笑うだろう。
もちろんその友達の発表のときはたくさん笑って盛り上げよう。「へー」「すげえ」「なるほど!」「天才!」と合いの手を入れていこう。
9.役に立つことを入れておく
人は「役に立つ」に弱い。「おもしろいから」だと理由として不安だけど「役に立つから」だと納得してくれる人が多い。
実験がどうもうまくいかなかったときも、この道具はここで安く買えます、ここにタオルを巻いていくと持ちやすい、などちょっとした情報をいれておくと、それだけで得した気になって自由研究の結果を忘れてしまうぞ。たぶん!
10.喜びの声を入れる
僕が出版したビジネス書の帯には「とても役に立った」「すばらしい」という感想が書いてある。最初から感想が書いてあるのだ。
その感想の下に「という感想をお待ちしております」と書いてある。担当の編集者が書いてくれたのだ。
ひどい帯だけどもっともらしさは激増だ。
自由研究にも人の感想を書いてしまおう。友達に頼んでもいいし、頼める友達がいない場合は自分で書こう。
「この研究に対して予想される感想」と小見出しを付けておけばOKだ。
11.表情はわかりやすく
デイリーポータルZは書いた人の顔写真を入れるようにしている。例えばこの写真を見て欲しい。
顔写真があると、楽しさを伝えたいとき、「楽しい」と書くほかに表情が使えるのだ。
自由研究に使う写真も楽しいのか困っているのか、驚いているのかがわかるような写真を使おう。この記事に使われている写真もデイリーポータルZのライターが分かりやすいポーズをとっているのだ。
◎まとめ
これら11つのコツを使えば、自由研究をかっこよくすることができる。
自由研究の内容に自信がなくたって大丈夫。2学期のヒーローはきみだ!
そして将来はデイリーポータルZのライターになって毎日自由研究をやろう。まってるぞ。
モデル/デイリーポータルZライター、ウェブマスターの皆さま
撮影/五十嵐美弥(小学館)