楽器はいろいろあるけれど、紙で楽器をつくったら、どんな音が生まれるかな? そもそも紙で楽器は作れるのかな?
そんな疑問を抱いていたところ、なんと明和電機さんが大発明をしてくれました! 小学館のOYAKO MOOK『ぺぱぷんたす』002号でご紹介するのは、マスク型の紙の楽器、その名も「ガーガーマスク」と「ビリビリマスク」です。でも見るからにあやしさ満点で、ちょっと楽器には見えないですよね。
明和電機さんといえば電子楽器オモチャ「オタマトーン」などのナンセンスマシーンで知られていますが、さて、紙の楽器の音色はいかに…?
■「ガーガーマスク」は、“ふえ”の部分に秘密が!
それでは、2つの楽器のひとつ「ガーガーマスク」の音色をお聴きいただきましょう。「ガーガーマスク」には、音を出すための中枢を担う「ガーガーふえ」という部分があります。「ガーガーふえ」と、完成品の「ガーガーマスク」の音の違いを動画でお確かめください。
「ガーガーふえ」はリアルなアヒルの声のような音であるのに対し、「ガーガーマスク」は金管楽器のような音ですね。ただ遊ぶだけでなく、練習すれば合奏もできちゃうかも?
「でもこれ、何度も使ううちにツバで紙が破けちゃうんじゃないの?」という方、よくぞ聞いてくださいました! じつはこれこそが「ガーガーマスク」の肝なのです。唇を当てる「ガーガーふえ」の部分には、プラスチックでできた特殊な紙「ユポ」が使われています。だから何度吹いてもへなへなにならず、へっちゃら。ちなみにこの「ユポ」は選挙の投票用紙にも採用されているんですよ。
また、アヒルの口ばしにも似た、マスクの外側の四角い箱を手でふさいだり、開けたりすると、さまざまな音色が楽しめます。
■テクノサウンドが紙で実現!?「ビリビリマスク」
もうひとつは「ビリビリマスク」です。写真では、明和電機の社長、土佐信道さんがつけています。これもまた、口を当てる部分に特別な紙を使用しています。「びゃくや(白夜)」という薄くて透け感のある紙は、片面はつるつる、もう片面はざらざら。作るときは、マスクに貼りつける面を間違えないようにしましょうね。
マスクをつけたら、思いきり声を出して鳴らしてみましょう。すると、お子さんの声がまるでロボットのようなエレクトリックな声にチェンジ! 紙の振動を利用したシンプルな楽器が、どうしてこんなに楽しいの? 一度試したらやみつきになりそうです。
「ガーガーマスク」と「ビリビリマスク」は、明和電機さんの斬新なアイデアと、特殊な紙のコラボで実現した、いままでにない楽器です。紙と音の新しい世界を、ぜひお楽しみください。
(ライター/菅原裕佳子)
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