なかよしいとこのお手紙3 福徳秀介(ジャルジャル)× 北村絵理

【なかよしいとこのお手紙3 北村さんから福徳さんへ】

拝啓、福徳秀介様。

お返事ありがとうございます。

ドーナツの件ですが、北村家ではドーナツに限らずいつでも何でも分け合うのが当たり前だったので、それがおかしいとも思いませんでした。

今考えると確かにドーナツのおいしさの半分は輪っかであるところだなと思います。

どのドーナツを食べるかということに悩まなくてよかった私は優柔不断になってしまいましたが、

一つのドーナツを選ぶのに真剣に悩める幸せな大人です。

うーん、ドーナツが食べたくなってきました。

「なんで絵を描くのが好きなのか?」

「好きだから」「楽しいから」以外の理由が思いつきません。

絵を描くことは難しいし、思い通りにいかないし、いつだって自分の力不足と向き合わないといけません。

ただ楽しいだけではないから、飽きないしおもしろいんだと思います。

今日描いた絵より、明日はもっと上手く描きたい。小さな頃から大人になった今でもこの気持ちは変わりません。

絵を描く才能ではなくて、絵を描くことを楽しめる才能をもらえたことはラッキーでした。

一生飽きずに楽しめそうです。

『まくらのまーくん』はイメージしやすかったこともあり、割とすんなりと…あ、そうそう! 応募締め切りまであと1カ月くらいしかない中、急ピッチで仕上げたことを思い出しました。

秀介君が「あとはまかせた!」のテンションなのがなんとなくわかっていたので、「よし、まかせろ!」 と好きなようにやらせてもらいました。

上手くいってよかったです。

 

秀介君のいうその【モヤモヤ】を絵にするのは難しくて楽しいのですが…

今回の『なかよしっぱな』は本当に手強かった~!

小学館の編集者さんのお力添えがなければ、モヤモヤの中をさまよい続けて抜け出せなくなるところでした。

なんとか完成させることができました。ありがとうございます。

まさかの鼻の穴が主人公、なかよしっぱなたちの物語。

読むと鼻がちょっとムズムズする絵本になりました。誰か一人でも楽しんでくれる人がいれば嬉しいですね。

これからも秀介君の脳ミソを裏返してみたいので、新しい物語をいつでもお持ちしております。

P.S. 愛犬ラフちゃんに「また一緒に遊びましょう」とお伝えください。

つづく

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