「おもしろい」そう感じてもらえれば十分 岡田よしたかさん【絵本作家インタビュー】

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絵本『たのしいひっこし』(発売中)の作者、岡田よしたかさん。ほのぼのとしたおかしさあふれるお話が生まれた、奈良のご自宅を訪ねました。

 

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ぴっかぴか絵本シリーズ
『たのしいひっこし』
さく:岡田よしたか
小学館・刊

詳細は、こちらのページをご覧ください

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■飼い犬のフウちゃんとの散歩中に生まれたお話

『たのしいひっこし』の小屋にいろいろな生き物達がいる設定は、実は2、3年前からあったんです。

他にも、めざし小屋、鮭の切り身小屋といった絵を何枚も描いていました。

そうしたアイデアは、飼い犬のフウちゃんと近所を散歩しているときに、ふと出てきます。

特に自宅から畑道を上っていった辺りでよく浮かぶ。僕のパワースポットです(笑)。

結婚してから奈良に移り住んだものの、生まれも育ちもずっと大阪です。子ども時代は、漫才や落語などお笑いが好きで、テレビでもよく見ていました。

僕の絵本が「淡々としたおかしみがある」なんて言われるのは、テンポのゆったりした昭和の漫才が好きだからかもしれませんね。

 

■共同保育所で働くなかで知った絵本のおもしろさ

子どもの頃は漫画家になりたくて、『小学一年生』に、当時連載されていた「すすめロボケット」の似顔絵を描いて、投稿したこともありました。

本格的に絵を描き始めたのは高校時代です。僕は登山部でしたが、油絵も描きたくて。

そのときの美術の先生がユニークで「デッサンなんてしなくていい」と。だから自由に、やたらデカい絵を描いていました。

勉強に興味がなかったので高校卒業後はプータローになり、でも急にデッサンを学びたくなって美術の専門学校に行き、2浪して芸大に入りました。

大学時代はわりとまじめに静物や人体を描いていて。でも次第に人をわっと沸かせることをやりたくなった。

バンド活動もしていたので、絵でも歓声を浴びることを求めていたのだと思います。

卒業制作展ではもう好きなように描こうと決めて、あざらしを擬人化したおっちゃんの絵を描いたんです。

先生達からは相手にされませんでしたけど、「おもしろい!」と言ってくれる人が多かった。それが今につながっています。

 

僕は、子ども時代には絵本に接しておらず、絵本と出合ったのは30歳を過ぎてからです。

共同保育所の仕事を始めるようになり、絵本を子ども達に読んでやるうちに興味が湧いて。まったく縁がなかった世界だったけど、やってみたらすごくおもしろかった。

 

■近所の小学校で読み聞かせをしています

絵本は、読んだ人の反応がそれぞれなのがいいですね。

以前に、読者カードを見せていただいたとき、だいたいは子どもやその親御さんからなんですけれども、60代の方からも「病気で仕事もなく、毎日家におります」と。でも、僕の絵本を読んで「楽しかった」と書いてあったんですね。

そんなお便りをもらうと、なんやええことしているような気持ちになりますね(笑)。

 

僕には二人の息子がいますが、次男の小学校で読み聞かせボランティアを始めたら、これがまたおもしろいんですね。

同じ学年で同じ絵本を読んでも、クラスによって反応が違う。たとえ、わっと盛り上がらなくても、それぞれに何かしら感じてくれていればいいのかなと。

それに、もしそのときにわからなくても、数年後にもう一度読んでツボにはまったりすることもあるでしょうし。

何より僕自身が、自分がおもしろいと思うものをずっと表現していきたいだけなので。

子ども達にも楽しい、おもしろいと感じてもらえたら、それで十分なんですよ。

 

(写真/田中麻以 取材・文/宇田夏苗)

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Profile•おかだ よしたか

画家・絵本作家。1956年大阪府生まれ。愛知県立芸術大学油画科卒業。大阪市の無認可共同保育園で働きながら個展・グループ展を重ねた後、2001年『おーい ペンギンさーん』で絵本作家デビュー。近作に、『ぼくはいったいなんやねん』(佼成出版社)『ぼくらはうまいもんフライヤーズ』(ブロンズ新社)がある。

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