子供達に地獄を伝えることは大切【絵本作家インタビュー】青山邦彦

元建築設計事務所勤務という異色の経歴をもつ絵本作家・青山邦彦氏。

地獄の様子をまるで見てきたかのように事細かに描いた絵本『地獄めぐりの橋』がどのように生まれたのか? お話をうかがいました。

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『地獄めぐりの橋』
作/青山邦彦
2019年7月25日発売・小学館刊

詳細はこちらのページをご覧ください。

『地獄めぐりの橋』発売記念
小野篁さんとえんま大王の「地獄めぐり」in京都
のご案内もあります。

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■地獄をテーマにした絵本を描くことは、運命だった

最初から地獄を描きたいと思っていたわけではありません。7、8年くらい前からいくつかの出版社の編集者さんから地獄を描いてみる気はありませんか?と聞かれるようになりました。地獄に興味があったわけでもなく、そういう素振りを見せたこともありません。

私が初めて地獄の絵を見たのは小学1年生の時。友達が持っていた図鑑に載っていました。死人に恐ろしい形相で裁定を下す閻魔大王と、それを取り囲む獄卒の鬼達。血の池や針山、炎の海に放り込まれてもがき苦しむ人々。

恐ろしくて友達と一緒に震え上がった感覚は、今でもはっきりと覚えています。その後ずっと頭の片隅にその地獄のイメージが残っていました。とはいえ、めまぐるしく過ぎていく日々の中で、地獄のことはすっかり忘れていました。

でも雑談の中とは言え複数の編集者さんからほぼ同時期にそのように聞かれて、なんとも不思議な因縁を感じました。「人間はいつか必ず死ぬ」と同じくらい強く運命を感じはじめました「自分はいつか必ず地獄を描く」と。

そして数年後、雑誌『小学一年生』で「地獄を題材にしたお話を描きませんか?」と言われた時、これはもう間違いなく運命だと思いました。まず読者が、私が初めて地獄の絵を見た時と同じ、小学1年生。しかもその地獄の絵が載っていた本は、小学館から出ていた図鑑だったのです! なので迷う事なく描かせて頂く事にしました。

■地獄につながる井戸伝説のある、京都・六道珍皇寺に取材に行き…

まず六道珍皇寺が京都市の街中にある普通のお寺だったのが意外でした。「地獄と繋がっている井戸があるお寺」なんて、ちょっと不気味な響きではないですか。

人里離れた場所にひっそりと建つ、誰も寄せ付けない雰囲気を持つ古寺をイメージするものです。でも現地に行ったら立派な門構えで、誰でも気軽に入れる雰囲気でした。

取材に行ったのはお寺で収蔵されている数々の地獄絵図や十王図の公開期間(特別拝観寺宝展期間)だったので、その伝説の井戸もすぐ近くで見ることができました。紙垂で祀られてはいましたが、ごく普通の井戸に思える外見。でも中を覗くと真っ暗で何も見えません。本当に地獄に繋がっているのかもしれないと思うほどでした。

地獄絵図は本やインターネットで結構見てきましたが、やはり本物の迫力には到底敵いませんね。とにかくそこに描かれている場面を、絵本の中で最大限に再現してやるぞ!と、むさぼるように見入りました。その経験が今回の絵本で生かされたかどうか…

しかし一番驚いたのは等身大と言われる小野篁の木像を拝観した時でした。とにかくデカい!2メートル以上あるのでは? まるでプロレスラーか相撲取りみたいに強そうです。まあだからこそ、獄卒達をも恐れることもなく地獄と現世を行き来できたのかもしれませんね。

「迎え鐘」も、つかせて頂きました。その音は十万億土の冥土にまで届き、亡者をこの世に呼び寄せると言われているのですが、私が鳴らした鐘で誰か来てくれたかな? 何しろその日は記録的猛暑でした。亡者もわざわざそんな日には来たくありませんよね。

 

>> 次ページ: ミニ絵本と書籍絵本で、地獄がより怖く恐ろしく見える表現に変わりました

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