長崎県 トルコライス
長崎県の「トルコライス」は、「大人のためのお子様ランチ」と呼ばれるだけあって、ボリューム満点です。けれども、作り方を教えていただいた「長崎トルコライス食堂」の杉本さんによれば、意外と女性も平らげてしまう人が多いそうです。WEB版では、そのネーミングの由来から、まず解説していこうと思います。
「トルコライス」のネーミングの由来
トンカツにピラフ、スパゲッティがワンプレートに集合した「トルコライス」が、なぜ「トルコライス」と呼ばれるようになったのか……?! それには諸説あって、じつは定かではありません。しかし、その有力な説としては、以下の5つがあります。
- トリコロール説
トンカツ、ピラフ、ナポリタンの3種類を、赤、白、青という3食のトリコロールカラーに重ね合わせたという説。そして、トリコロールが転じて「トルコ」になった。
- 店名説
昭和の時代中ごろに、長崎市鍛冶屋町にあったといわれている「レストラントルコ」に、現在の「トルコライス」の原形となる料理があって、それがおいしいと話題になり流行して、レストランの名前から「トルコライス」と呼ばれるようになった。
- トルコブーム説
神戸港にトルコ海軍が入港したり、トルコと名が付く歌が流行ったりと、トルコがちょっとしたブームになった時代に誕生した料理なので「トルコライス」と呼ばれるようになった。
- トルコ料理説
長崎市内のレストラン「ビストロ ボルドー」の現オーナー、植原さんのお父さんが、神戸の海軍の将校倶楽部で働いていたときに、トルコ料理の「ピラウ」というサフランの炊き込みご飯をヒントに、冷やご飯の活用法として「ピラウ」に似た料理を考案。それにおかずを付けて出したところ好評で、店の正式メニューになり、それが「トルコライス」と呼ばれていて、他店にも広まった。
- 国の位置説
スパゲッティをイタリアに、ピラフ(炒めご飯)を中国に、その中間地点にあるトンカツをトルコに見立てて、東西の懸け橋となっているトルコから「トルコライス」と呼ばれるようになった。
以上が、有力とされている「トルコライス」のネーミングの由来です。
どれも皆、「そうなのかもしれない」と思える説ですよね。
トルコライスを食べながら、ぜひご家族で話し合ってみてはいかがでしょう!?
子どもたちの感性は豊かなので、意外におもしろい説が飛び出すかもしれません!
「長崎トルコライス食堂」は、長崎県の産品を使った料理が楽しめるレストランです!
↑「長崎トルコライス食堂」
東京都千代田区神田練塀町8-2 CHABARA内 ☎03-6206-9223 通常は11:30~21:00(L.O.20:00)日曜営業(定休日なし)
ところで、誌面ではお見せできませんでしたが、杉本さんが料理長を務める「長崎トルコライス食堂」は、東京・秋葉原にあります。
オープンは2018年。店名にあるように、長崎のご当地グルメである「トルコライス」をメインに、長崎県産の食材を店のメニューの半分以上に使って料理を提供している長崎県の産品応援店です。
「トルコライス」は4種類の基本メニューがありますが、トッピングが何種類も用意されていて、お好みでさまざまなアレンジができます。また、長崎のお酒や一品料理も豊富で、ママ友の集まりにもオススメです。
例えば、お酒のおつまみには、「からすみ塩仕立てのポテトサラダ」や「長崎和牛入り大判メンチカツ」、「長崎産アジフライ」などバラエティーに富んだメニューがいっぱい! デザートにも、「文明堂総本店のカステラ」や「梅月堂のシースクリーム」など、長崎の名店の味が用意されています。
そのうえ、お店で気に入ったものは、一部購入して持ち帰ることもできるんですよ!
というのも、このレストランは日本中のおいしいものが並ぶ「ちゃばら マルシェ」の一角にあるからなんです。JR秋葉原駅から徒歩2分の高架下にあるので、アクセスもバツグンです。
お近くに行かれたときは、ぜひ足を運んでみてください!
最後に、写真でご紹介した料理は、「長崎トルコライス食堂」の〝和牛メンチカツが主役のハヤシトルコライス〟です。トンカツの代わりにメンチカツが、カレーピラフの代わりにバターライスになっています。これに半熟卵やエビフライ、長崎名物の揚げかまぼこなどのトッピングもできます。
読者の皆さんのご家庭でも、自由な発想でいろいろなアレンジをしてみてください!
協力/長崎県
撮影/尾島翔太 取材・文/山津京子