静岡県 たまごふわふわ
「たまごふわふわ」は、誌面では袋井宿の本陣で朝食に出されていたことをお伝えしましたが、より古くは寛永3年(1626)、徳川家が京都の二条城に天皇の行幸を仰いで祝宴を開いた際、その朝食にも出されていたことが『日本料理事物起源』(岩波書店刊)に掲載されていて、日本最古のたまご料理ともいわれています。
当時、卵は貴重品だったと思うので、特権階級の人が食べるセレブな料理だったと思いますが、はるか昔、390年以上も前の人たちも食べていたと思うと、なんだか不思議な気がしますね。
袋井市観光協会による公式レシピをご紹介!
WEB版では、袋井市の観光協会が「たまごふわふわ」を再現した際に公開している公式レシピを紹介しましょう。
誌面で紹介したレシピ同様に、とても簡単なので、こちらもぜひ試してみてください!
【袋井市観光協会による公式レシピ】
[材料]1人前
だし汁(昆布・しいたけ・鰹ぶしなどお好みで)…200㏄
卵…1個
塩…小さじ1/4
薄口醬油…大さじ1/4
こしょう・みりん…各少々
[作り方]
① だし汁に、塩と薄口醬油を加えて、180㏄(A)と20㏄(B)に分ける。
② 鍋に(A)を入れ、蓋をした状態で火にかける。
③ ボウルに卵と(B)、みりんを加えて、ハンドミキサーか、泡だて器でクリーム状になるまでよく混ぜる(最低4~5分)。
④ ②が煮立ったら火を止め、鍋の縁から③を一気に流し込み、蓋をして蒸らす。(蓋はあらかじめ温めておきましょう。上手に蒸らすことができます)
以上が、公式レシピです。和風だしを使用して、砂糖は使わず、塩とこしょうで味付けをしている点が大きな特徴です。誌面でも述べましたが、卵はあらかじめ冷蔵庫から出して、常温にしておくのがポイントです。泡立ちがよくなります。
袋井市観光協会では、「このレシピをもとに、ご家庭ごとに好きな味にアレンジして楽しんでいただきたいです」とのこと。いろいろ試して、お宅の好みの味にしていただけたらと思います。
袋井市には「たまごふわふわ」を提供しているお店が多数あります!
お寿司と一緒に「たまごふわふわ」が並ぶ、上の写真は、誌面で作り方を教えていただいた「山梨屋寿司店」の「ふわふわセット」1450円です。握りとお寿司のセットになっていて、いちばんの人気メニューです。「たまごふわふわ」は、吸い物がわりにもなるので、お寿司とぴったりな組み合わせだと思います。お店へ行ったなら、まずはこれを注文することをオススメします。
でも、握り寿司以外のお寿司を食べたい方も、ご安心を!「山梨屋寿司店」では、「たまごふわふわ」を単品でも注文ができます。お値段は385円(2022年1月現在)となっています。
「山梨屋寿司店」は、JR袋井駅から徒歩3分ほどのところにあって、とても便利な場所にあります。駐車場も完備していますので、近くへ足を運んだときはぜひ立ち寄ってみてください!
お店は昭和2年の創業の老舗で、マグロは焼津から、そのほかの小物は毎日朝に仕入れているので、ネタの鮮度はバツグン。鮨屋といっても敷居は高くなく、3代目主人の平岡善一さんと女将さんの千晴さんはとても気さくで、温かいおもてなしをしてくださいます。アットホームなお店なので、小さなお子さん連れでも安心して利用できます。
「たまごふわふわ」をご当地グルメとしてPRしている袋井市では、「山梨屋寿司店」さん以外のお店でも、さまざまな味わいの「たまごふわふわ」を提供しています。
なかには、元祖のレシピをアレンジした創作チーズケーキやアイスクリームなどもあるので、袋井市へ行ったなら食べ比べをしてみるのも楽しいと思います。
詳しくは「袋井市観光協会」のホームページ内の以下のコンテンツで確認してみてください。
http://www.fukuroi-kankou.jp/wp/archives/category/tamago
ひなまつりを観覧がてら袋井市へ出かけてみてはいかが?!
「たまごふわふわ」を紹介している3月号「めばえ」が発売された春先にかけては、3月31日(木)まで袋井市の寺「可睡齋(かすいさい)」にて、壮大なひなまつり「ふくろい遠州の可睡齋ひなまつり」が開催されています。
↑これが、大広間に飾られている雛飾り。32段約1200体のお雛様が並ぶ日本最大級の雛飾りです。
拝観料は500円(小学生以下無料)と有料ですが、等身大のひな人形や竹細工のひな人形など、会場内のあちこちでさまざまなお雛様を観覧することができて、中身の濃い展示となっています。
なかでも2階の大広間に展示されている大ひな壇は圧巻! 32段約1200体のお雛様が飾られている日本最大級の雛飾りになります。
ぜひこの機会に足を運んでみてはいかが⁉ 一見の価値アリのイベントです‼
詳しくは以下のサイトにてご確認ください。
「可睡齋ひなまつり」https://www.kasuisai.or.jp/wp/p27
協力/袋井市観光協会 撮影/尾島翔太(たまごふわふわ) 取材・文/山津京子