プログラミングでゲームを作るスーパー小学生! (『小学一年生』4月号連動企画)

ワイワイとおしゃべりをしながら、時に真剣な表情をのぞかせて、パソコンに文字を打ち込む小学4年生の澁谷知希(しぶやともき)くん。彼が次々と打ち込んだプログラムによって、複雑なゲームができあがっていきます。

彼は、複数のプログラミング言語をあやつり10以上のゲームやアプリを開発している、スーパー小学生なのです!

(『小学一年生』2018年4月号では、お子さん自身の興味関心を突きつめ、それぞれの「すごい!」を実現した小学生を紹介する「すごいぞ!スーパー小学生!」記事を掲載しています。 本誌もあわせてご覧ください。)

■「パパがプログラムを組んでいるのを見て、僕もやりたいと思いました」 

システムエンジニアのお父さんの影響で2才の頃からパソコンに興味を持ち始めた知希くん。最初はHTMLを使ってホームページを作っていました。

「この文字を赤くしよう」 お父さんのアドバイスを聞きながら命令を打ち込むと、本当に文字が赤くなって表示される。自分の指示が、その通りになって実現することに興奮します。

幼稚園の年中になるころには、プログラミング言語の習得をはじめ、どんどんとステップアップしていきました。

■小学1年生で、はじめてのゲームを作る 

小学1年生の9月、自分でゲームを作りたいと思った知希くんは、プログラミングをより詳しく学ぶため東京・渋谷にあるプログラミングスクール「Tech Kids School」に通いはじめます。そして3か月後には、最初のゲーム「生活ゲーム」を完成させました。主人公が寝たり買い物をしたりすることで、体力やお金などのゲージが増減するゲームです。

この段階では、まだボタンを操作するだけの単純なゲームでしたが、第2弾の「冒険生活ゲーム」では、キャラクターを十字キーで動かす、草原や湖へ場面移動ができるなど、バージョンアップ。さらには、「このシーンで音楽をつけたい」「スマートフォンでもできるようにしたい」など、やりたいことがどんどんと増えていき、それに応じて必要な言語を習得していきました。

「こういうふうに動かしたい」と頭の中で考えたことが、プログラムを組むことで本当にその通りになる、その快感が知希くんの大きなモチベーションになりました。

▲最初に作った「生活ゲーム」。「買い物をする」、「寝る」、「お金を借りる」などの 単純なボタン操作で、キャラクターの体力やお金のゲージが増減する。

■お母さんに奪われたゲームをとりかえせ!

知希くんが一番気に入っているゲームは、小学4年生のときに作った「ゲームハンター」。 「お母さんにゲームを奪われたゲーマーの勇者が、隠されたゲームを取り返しに家中を探し回る」というユニークな設定。

ゲームを見つけるために、アイテム「100点のテスト」をゲットしてお母さんを説得するなど、これまでの知希くんのゲームに足りなかった「ストーリー性」が与えられました。

「僕はプログラムを組むのは得意だけど、ストーリーを考えるのは苦手なんです」そう知希くんは言います。「ゲームハンター」の子どもらしい世界観は、意外にもお母さんとの会話の中から生まれていったのだそう。

▲「ゲームハンター」のトップ画面。「お母さんに奪われたゲームを探しだす」のがミッション。

▲「お母さんが隠しそうなところといえば、キッチンですよね〜!」。 キッチンに隠されたゲームを取り返すために、アイテム「100点のテスト」 を使って説得するなど、その世界観には遊び心がふんだんに盛り込まれている。

▲無事ゲームを見つけてもまだ終わらない。インターネットの接続が意図的に 切られていたのだ。今度はお父さんの部屋でWi-Fiパスワードを探し出す。

▲制作ノート。お母さんがやることリストを整理してくれて、知希くんが具体的に設計を記していく。

■1日のパソコン時間は2時間まで

明るくてお話し上手な知希くんは学校でも人気もの。とくにパソコンを使う授業となると、友だちからの質問攻めにあって、まるで先生のよう。好きな教科は、地域のことを調査してまとめる「総合」。その理由も、「調査にパソコンが使えるから」という徹底ぶりです。

意外にも、家でパソコンを使える時間は2時間と制限されています。その2時間を使って、プログラミングをしたり、新しいゲームの構想を練ったりしています。

知希くんの夢は、お父さんと同じシステムエンジニア。 大好きなゲーム「マインクラフト」のような、人を魅了する大きなゲームを作りたいとのこと。知希くんの今後の活躍に期待大です。

 

澁谷知希(しぶやともき)くん

『小学一年生』認定スーパー小学生。
埼玉県の小学4年生。 友達とマインクラフトで遊ぶのが大好き。「自分で言うのもなんですけど、歌声には自信があります」と隠れた特技も教えてくれた。

(写真/平田貴章)

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