「12歳の文学賞」出身の16歳の作家、中濱ひびきさんが壮大なスケールで描いた衝撃のデビュー作とは?

2019年4月、16歳の作家、中濱ひびきさんが、長編小説アップルと月の光とテイラーの選択でデビューしました。

高校生とは思えない壮大な世界観のもと、美しい文章で紡ぎ出される物語が、話題を呼んでいます。

■「12歳の文学賞」で大賞・優秀賞を受賞

中濱ひびきさんは、小学館で2006年から2017年まで12回開催された小学館の「12歳の文学賞」で、11歳だった第8回に大賞を受賞。翌年の第9回には、2作品で優秀賞を受賞しました。

「12歳の文学賞」からは、今までに、第2回の大賞受賞者三船恭太郎さん(『12歳の空』)、そして、第8回から10回まで3年連続で大賞に輝いた鈴木るりかさん(『さよなら、田中さん』『14歳、明日の時間割』)が、作家デビュー。中濱さんは、この「12歳の文学賞」出身の3人目の作家です。

受賞作品を読んだ審査員の先生たちからは、当時こんなコメントが寄せられました。

「完成度の高さととてもこの年齢とは思えない博識や成熟が明らか」(石田衣良さん)
「文章もきらめくほどに美しい」(あさのあつこさん)
「言葉の豊かさ、表現の鋭さ、ものごとを見る力…どれも12歳の今しか書けないレベルを超えていた」(鵜飼哲夫さん)
「心の中に神様のいる人」(西原理恵子さん)

幼少期はイギリスで暮らし、母語は英語という中濱さん。「12歳の文学賞」の受賞作は、英文で書いたものを翻訳サイトなどで日本語に訳してできあがった作品です。

■現代社会に強いメッセージを発信する壮大なスケールの物語

デビュー作の『アップルと月の光とテイラーの選択』も、約2年かけて英文で執筆されました。

主人公のアメリカ人の少女テイラーは、父を交通事故で亡くし、精神バランスを崩した母と2人で暮らす孤独な少女。そのテイラーが、強盗に襲われて危篤状態になり、そこに現れた精霊ジョイが示した2つの人生のいずれかを選択することを迫られます。彼女はどんな選択をするのか、父の死の真実は何だったのか…。

生命、宇宙、神、人間、愛が壮大なスケールで描かれ、現代社会に強い警告とメッセージが発信されます。

生物学者・福岡伸一さんが、「細胞も宇宙も記憶も自由自在に語る天才女子高生作家」と評した中濱ひびきさん。彼女が、驚異的な知識量と鋭い視点、深い洞察力から生みだした『アップルと月の光とテイラーの選択』は、編集者によれば、“想像をはるかに超える「新しい形の小説」”です。

ぜひ、読者として、今までにない新しい体験をお楽しみください。

 

アップルと月の光とテイラーの選択

著/中濱ひびき 訳/竹内要江

小学館刊

定価 1800円+税

ためし読み

 

 

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