物語のなかに、お子さんが作ったキャラクターが出てくる⁉ 小学館の幼児向け雑誌『幼稚園』2018年8月号の「おあそびえほん」に、かつてない作品がお目見えしました。
それは「登場するキャラクターを自分で作って、自由に動かしながらストーリーを読みすすめる物語」です。
この『ぴよことプータのぼうけん』を描いてくださったのは『ぺんぎんたいそう』や『ながーい はなで なにするの?』などで知られる絵本作家の齋藤槙さん。キャラクター作りとともに、独特の世界観をお楽しみください。
■作ったキャラクターを、思うままに動かそう!
物語に出てくるのは、ことりの「ぴよこ」とプテラノドンの「プータ」。このキャラクターを、実際に作れるのです!
お話のページの下部分に「ぴよこ」と「プータ」の台紙がついています。切って、折って、貼って…。完成したら、お話を読みながら、お子さんは「ぴよこ」や「プータ」になったつもりで、自由に動かしてみましょう。空を飛んだり、木の枝の上でくつろいだり、まるで生きているかのよう。セリフをつけてみるのもおすすめです。いつもの絵本とは違う楽しさが味わえます。
■まるでパズル⁉ 切り絵で作られた物語
『ぴよことプータのぼうけん』は、齋藤槙さんのやさしい絵のタッチも魅力です。そしてそこには隠された秘密が。じつはこの物語、すべて「切り絵」で作られているのです。たとえば、この横長の絵。
木や花や山の部分は、一枚の紙から切り取ったもの。しかも、木や花や絵などは別々に描かれ、パズルの「パーツ」のように分かれているのだそうですよ! つまり「ぴよこ」と「プータ」は、齋藤槙さんの切り絵作品の象徴でもあるのですね。
そしてそれらのパーツを抜き取った状態がこちら。
作者の齋藤槙さんご本人の登場です。齋藤さんが手に持っているのが、パーツを外した状態の紙の部分です。まるで世界地図のようですね。
さらに、この物語にはもうひとつの秘密が。絵のなかにはたくさんの「かくれキャラ」が存在します。どこにどんなキャラクターが隠れているかな? ぜひ親子で探してみてください。
■遊んだ後は「モビール」にして飾りましょう!
最後のお楽しみをご紹介しましょう。編集部では「ぴよこ」と「プータ」、そして自由に色を塗った「ことり」「プテラノドン」を、モビールにしてみました。
北欧を思わせるやわらかな印象のモビールは、お部屋の雰囲気をがらりと変えてくれますよ。
作って、読んで、また作る。それは、お子さんの感性を知る時間でもあります。おうちの方は忙しい日々のひととき、ちょっと手を止めていっしょに楽しんでみてはいかがでしょうか。
(ライター/菅原裕佳子)
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