ひとことで「紙」といっても、さまざまな種類があります。画用紙、和紙、ティッシュペーパー、珍しいものではプラスチックでできた破れにくい紙(「明和電機が紙の楽器を作ったら、予想外な音に!? 紙育シリーズ『ぺぱぷんたす』002号」参照)などなど。
小学館の園児向け月刊誌『幼稚園』2018年9月号でご紹介するのは、なんと「水に溶ける紙」。「えっ? 溶ける紙なんて、お絵描きしても水に溶かしたら消えちゃうでしょ?」と思いますよね。じつは、この紙には素敵な秘密があるのです。
今月も紙の神様、ソビー&ワッキーのナビゲートで、『ぺぱぷんたす』の楽しい紙遊びの世界を楽しんでくださいね。
■「とけるかみ」の実験、スタート!
ジャジャン! ご覧ください。これが付録の「とけるかみ」です。
…といっても、見た目にはなんの変哲もない画用紙に見えますね。それではこの「とけるかみ」に絵を描いて水に溶かしたらどうなるでしょうか?
こうぞうくんとソビー&ワッキーと一緒に、さあ、実験スタート!まずは「とけるかみ」に油性ペンで、自由に絵を描いてみましょう。
■あっと驚く“カミワザ”とは!?
ソビーの描いたイラストを、水の入ったシャーレに入れてみます。すると……! 衝撃の現象を動画でおたしかめください。
絵の周りを指でチョンチョン…と沈めながら、ソビーが「絵の存在だけになれー! まわりよ、溶けろー!」というと、あら不思議! 絵だけが水面に残って、まわりの紙だけが沈みながら溶けていきます。さすが、紙の神様の魔法の力…ではありません。
じつはこの紙は「水溶紙」といって、灯篭流しの灯篭や、刺繍用の下地などに使われる紙なのです。水に浮かべると、繊維がやわらかくほどけて紙が溶けていき、油性インクで描いた絵や印刷された部分が浮かんで残るのです。
水溶紙を使った灯篭は、川に流れながら溶けて自然にかえっていたのですね。目的によって、紙はいろいろな役割をもって生まれてきているということもわかります。
そしてこうした特殊な紙を使って「遊べる」ことを、ぜひたくさんのお子さんに知ってほしいと思います。
次回も、ソビーとワッキーの不思議な紙遊び『ぺぱぷんたす』は驚きや発見がいっぱい! どうぞご期待ください。
(ライター/菅原裕佳子)
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