イヤイヤの対処法にはさまざまなバリエーションがありますが、基本的な対処法や考え方を知っておけば、いざというときに役立ちます。イヤイヤ期専門家の西村史子先生がおうちの方の悩みにお答えします。
Q1 イヤイヤをしずめるために、スマホの動画を見せてもよいのでしょうか?
Q2 子どもが大泣きすると、泣き止ませるだけで精一杯。どうすれば子どもの気持ちを受け止めてあげられるのでしょうか?
Q4 レストランや電車・バスの中など、公共の場で騒いでしまうときの対処法は?
Q6 イヤイヤに疲れてしまったとき、気持ちを切り替えるコツはありますか?
Q1 イヤイヤをしずめるために、スマホの動画を見せてもよいのでしょうか?
A.
スマホは最後の手段と考え、使う機会はできるだけ限定したほうがよいでしょう。
テレビは「この番組が終わったら消す」という使い方ができますが、スマホの動画は「もう1回見せて!」と新しいイヤイヤの原因になりやすいので、「どうやって動画を見せるのをやめるか」という次の行動まで考えておく必要があります。
見せる場合は、「1回だけ」「ママが料理をしている間だけ」など明確なルールを決めて、毅然とした対応を心がけましょう。
Q2 子どもが大泣きすると、泣き止ませるだけで精一杯。どうすれば子どもの気持ちを受け止めてあげられるのでしょうか?
A.
子どもはイヤイヤをしながら「気持ちや行動のコントロール方法を学ぶ」という自分自身の発達の課題に取り組んでいるので、おうちの方がすべての場面で無理に気持ちを受け止めようとする必要はありません。
就寝前など子どもが落ち着いたタイミングで、「あのとき、泣いてたね。本当はこうしたかったんだよね。お母さんはこういう言い方をしちゃったけど、○○ちゃんのこと大好きだからね」と伝えれば、子どもの安心感につながります。
時間差があっても思いは伝わるものです。「遅いかな?」と思わず、どんどん肯定的な言葉がけをしてあげてくださいね。
Q3 お友だちに手が出てしまうときはどうすればいいですか?
A.
なるべく子どものそばにいて、手を出す前に止めることを心がけましょう。手を出してしまったときは、相手の親子に「ごめんなさい。あとで話をしにきますから、一旦ここから離しますね」と伝え、まずはその場から引き離します。
落ち着ける場所に移動したら、「こういう理由でたたいたんだね」と子どもの気持ちを代弁してから、「たたくのはダメだから、次からはこうしようね」と、どんな行動をすればよいのかを具体的に伝えましょう。
Q4 レストランや電車・バスの中など、公共の場で騒いでしまうときの対処法は?
A.
子どもが座っていられるのは15分が限界なので、特別なおもちゃを用意するなど、飽きない工夫を心がけましょう。
「小さい声でしゃべってね」と伝えるだけでは、子どもはどのくらいの声ならよいのかがわからないことも。普段から、「ママが『シーッ』と口に指を当てたら、このくらいの声で話そうね」というように実際に声を出して練習しておくと、お出かけ先でも同じ行動をとりやすいです。
子どもの体に触れてこちらを向かせてから注意すれば、大声で叱らなくても伝わります。その際、おうちの方も声の大きさを変えることが重要。目で見て、耳で聞いて、体でわかるように対応していきましょう。
Q5 どうすれば遊び食べをしなくなりますか?
A.
まずは、食事に集中できる環境を整えましょう。食事をするときはテレビを消して、おもちゃを見えない場所に片づけたり、何もない壁側に向かって食べるように座る位置を変えたりすると、食べることに集中しやすくなります。
食べるのが遅い子で、十分な量の食事がとれていない場合は、一度に全部を食べさせようとせずに食べる回数を増やしましょう。食事の量を少なくし、15分くらいで無理なく食べ切れる量にすると、子どもは負担感を感じず、自己肯定感につながります。少量から徐々に増やしていくことで座って食べられるようになっていきますよ。
Q6 イヤイヤに疲れてしまったとき、気持ちを切り替えるコツはありますか?
A.
落ち込みが続いたり、イライラした気持ちがなかなか切り替えられなかったりするときは、「疲れている」というサインです。可能であれば、子どもを預けて一人になれる時間をつくり、自分がやりたいことをして過ごしましょう。
それが難しい場合は、自分の好きなお茶を飲む、自分の好きなメニューでごはんをつくるなど、「子どものため」ではなく「自分のため」に行動する時間を短時間でもよいので意識的につくることをおすすめします。
『ベビーブック』2019年6月号別冊付録「café BB」育児特集では、イヤイヤ期の全国調査結果と専門家のアドバイスを掲載しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
イラスト/まあこ 構成/童夢
監修/西村 史子先生
イヤイヤ期専門家。NLP心理学を学び、100人以上のイヤイヤ期の子どもの行動パターンや心理状態を観察して対処法を体系化。4歳・1歳児のママ。
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