習い事を始めるのは早いほうがいい? 【『ベビーブック2019年7月号』育児特集 番外編Q&A】

 

わが子の可能性をできるだけ伸ばしたい、親ならば誰もがそう願うもの。とはいえその願いゆえに、習い事に関する悩みも状況によって変化します。

ここでは、習い事にまつわるリアルな悩みについて教育ジャーナリストの杉山由美子先生にうかがいました。誌面では、幼児期の人気の習い事について体験談も交えてご紹介!

 

Q1 英語やピアノなどは早く始めたほうがいいでしょうか?

Q2 子どもが習い事に行くのを嫌がります。すぐにやめると「やめ癖」がつきそうです。

Q3 親子体操教室に通っていますが、子どもが決められたことを全然やらず、走り回っています。他の子はちゃんとやっているのになぜうちの子はできないんだろうと毎回落ち込みます。

Q4 やらせたい習い事が多すぎて悩んでいます。全部やらせてもいいのでしょうか?

Q5 ずっとやりたかった習い事(キッズバレエ)を始めてみたものの、思ったより出費がかさみ家計を圧迫するように。こんな理由でやめてもいいのでしょうか?

Q6 うちの子に合う習い事がわかりません。どうやって選べばいいですか?

Q7 うちはまだ習い事はやっていないのですが、お友だちはいろいろなことをやっていて、焦ります。でもパパに相談すると「まだやらなくていいと思う」と否定的。どうすればいいでしょうか?

Q8 子どもに絶対にやらせたい習い事があるのですが、本人は興味がない様子で……。どうすれば興味をもって通ってくれますか?

Q1  英語やピアノなどは早く始めたほうがいいでしょうか?

A.

早く始めることによる効果はありますが、それ以上に、子どもがやりたがっているときに始めることのほうが重要です。

早く始めないと「絶対音感がつかない」「英語耳にならない」などといわれて焦ってしまう気持ちもわかりますが、絶対音感はなくても困らないものですし、英語耳にならなくても英語は取得できます。

子ども自身が「やりたい」という気持ちになっているときが、一番の「やらせどき」なのです。

Q2  子どもが習い事に行くのを嫌がります。すぐにやめると「やめ癖」がつきそうです。

A.

習い事というものは、そのことを職業にしない限りは、ほとんどが「いつかはやめるもの」です。いつかやめるなら、今やめても問題ありません。

「やめ癖がつくのでは」と心配される方が多いのですが、「やめ癖」というものはありません。本当に好きなものは、何があっても続けますから。

親としては「せっかく始めたのだからここまでは習得してほしい」と思ってしまいますが、「この経験ができたこと」、それだけで十分なのです。

Q3  親子体操教室に通っていますが、子どもが決められたことを全然やらず、走り回っています。他の子はちゃんとやっているのになぜうちの子はできないんだろうと毎回落ち込みます。

A.

1、2歳くらいの子は、決められたことをその通りにする子は少ないでしょう。「せっかく連れてきたのに」「あの子はちゃんとやっているのに」と焦る気持ちもわかりますが、何のためにその教室に通っているか再確認してみましょう。子どもの成長のために通い始めたのに、親がイライラしたり落ち込んだりするのは子どもの成長に逆効果です。

「体操教室でちゃんとできる子」が「よい子」だと決めつけていませんか? もしかすると、自由な発想で好きなことができる子が、これからの社会では求められるかもしれませんよ。

 

Q4  やらせたい習い事が多すぎて悩んでいます。全部やらせてもいいのでしょうか?

A.

いろいろな経験をさせるのはいいことなので、お金と時間に無理がないのであれば何でもやってみるのはいいでしょう。

ただし、忙しすぎて疲弊してしまっては、どんないい習い事であっても楽しめません。幼児期は特に、自由に過ごす時間の中で心と体が育ちます。スケジュールに捉われないで親子で自由にのびのびと過ごす時間も大切にするといいでしょう

 

Q5  ずっとやりたかった習い事(キッズバレエ)を始めてみたものの、思ったより出費がかさみ家計を圧迫するように。こんな理由でやめてもいいのでしょうか?

A.

習い事には「お金」と「時間」が必要です。どちらも大切なものなので、無理してまで続けることはありません。しかし、どうしても続けたいものであれば、方法はあります。

例えば市区町村が主催する教室なら、比較的安く受講することができ、発表会なども開催しない場合が多いのでその費用もかかりません。地域のサークルで子ども向けバレエ教室があるか探してみるのもいいでしょう。

 

Q6  うちの子に合う習い事がわかりません。どうやって選べばいいですか?

A.

今、合う習い事がわからないのであれば、習い事を無理に始める必要はありません。公園や児童館などで、親子で自由に思い切り遊ぶといいでしょう。

遊んでいる様子を見ているうちに、わが子の好きなものがだんだんわかってきます。「絵を描くのが好き」「走り回るのが好き」などわが子の特徴がわかってきたら、それを伸ばす方向で探すといいでしょう。

 

Q7  うちはまだ習い事はやっていないのですが、お友だちはいろいろなことをやっていて、焦ります。でもパパに相談すると「まだやらなくていいと思う」と否定的。どうすればいいでしょうか?

A.

習い事は「必ずやらなきゃいけない」というものではないので、周りの子がやっていても子ども本人が気にしていないようであれば、まだやる必要はありません。

もし、子ども自身が「やりたい!」と強く望むのもが既にあるなら、夫婦で話し合うといいですね。その場合、「みんながやってるから」ではなく「この子がこんなにもやりたがっていて」という方向で話すといいでしょう。

 

Q8  子どもに絶対にやらせたい習い事があるのですが、本人は興味がない様子で……。どうすれば興味をもって通ってくれますか?

A.

現時点で興味をもっていないことをやらせたいときに、親がやるべきことは簡単です。それは、親自身がそれを楽しんでいる姿を見せること。

例えばスイミングを習ってほしいと思うなら、親が泳いでいる姿を見せるのです。子どもは、親がやっていることに興味をもつもの。ママ・パパの姿を見て「かっこいい!」と思えば、自分もできるようになりたいと、がんばるようになるでしょう。

 

 

『ベビーブック』2019年7月号別冊付録「café BB」育児特集では、人気の高い習い事について、専門家の意見や読者の声を紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

 

イラスト/ひらのゆきこ 構成/童夢

 

監修/杉山 由美子先生

教育ジャーナリスト。おもに教育、女性が働くことについて取材、執筆。著書に『お金をかけずに「できる子」を育てる』(岩崎書店)『中学受験SAPIXの授業』(学研新書)など多数。

 

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