子どもが野菜好きになる「魔法のレシピ」をスズキエミさんが伝授!
お子さんの野菜嫌いに悩むあなたへ。レシピとヒントを毎月お届けします!
栄養たっぷりの野菜を食べてほしい! そう思うのに、1~3歳頃は、子どもの“野菜嫌い”に悩まされる時期。そこで『ベビーブック』では、別冊付録の表紙で、料理家・スズキエミさんの「野菜の料理」を1年間連載しています。
表紙のレシピ【さつまいものポタージュ】
さつまいもをやわらかく煮て牛乳でのばし、塩で味をととのえるだけ。
素材の甘みを引き出すと、驚くほどまろやかで濃厚になるんです。
ミキサーは使いません。少し残ったおいもの粒々がまたごちそう!
『ベビーブック』2019年10月号・別冊表紙掲載
◆材料(4人分)
さつまいも 1本(250g)
オリーブ油 大さじ1
牛乳 200~300ml
塩 小さじ1/4
◆作り方
【1】さつまいもは皮をむいて1㎝厚さに切り、水にさらす。
【2】直径22㎝くらいの鍋を中火で熱し、オリーブ油を入れ、水気をきった【1】を重ならないように並べ入れ、表面が鮮やかな黄色になるまで炒める(Point1参照)。
【3】【2】にひたひたになるくらいの水(250~300ml)を加え、さつまいもがやわらかくなるまで15分ほど煮る(Point2参照)。
【4】すりこ木などでつぶし、牛乳で好みの濃度にのばし、塩で味をととのえる。器に盛り、好みであらびき黒こしょうを振ったり、生クリームをたらしても。
◆Point1
油で炒めて表面をコーティングすることで、甘みを閉じ込めてじっくり火を通すことができます。
◆Point2
さつまいもは、できるだけ重ならないように並べるのがコツ。直径22cmくらいの鍋だと、さつまいも1本分が重ならずに並び、水をひたひたにして均一に火を通せます。
今月のテーマ「さつまいも」を子どもと楽しむために
(左)さつまいもと里いものせいろ蒸し (右)いもようかん 柿ソース
https://www.instagram.com/suzukiemi.gohan/
さつまいもの甘みを引き出すには、1㎝厚さが必要です
エミ先生のポタージュは、材料も作り方も、ごくシンプル。それなのに甘みが濃厚で、「どうしてこんなにおいしくなるの?」と聞きたくなります。
「さつまいもは薄く切るほうが早く煮えますが、それだと甘みが充分に引き出せないんです。かといって、厚切りだと時間がかかって面倒。いろいろ試したところ、1㎝厚さで15分煮れば、ちゃんと甘みが出ることがわかりました」
おいものデンプンが糖質に変わって甘みが出るために、必要な厚さがあるんですね!
「さつまいもを最初に油で炒めるのも、大切なポイント。油で表面をコーティングしておくと、膜ができるので煮崩れしにくくなり、じっくり煮て甘みを引き出すことができます」
丸ごと1本をしっとり蒸せば、つぶしてアレンジが簡単
ポタージュは、モソモソするのが苦手な子にも、なめらかで食べやすいですね。ほかには、どんな食べ方がおすすめでしょうか。
「蒸し器で丸ごと1本を(入らなければ半分に切って)蒸しても、しっとりやわらかく、甘くなりますよ。つぶしてサラダ、コロッケ、いもようかんなどにアレンジできます。水と牛乳で好みの濃度にのばし、お砂糖で甘みを足した“おさつしるこ”は、おやつにぴったりです」
教えてくれたのは
スズキエミさん
料理家。料理教室「暦ごはんの会」主宰。宮城県の米どころの農家に生まれ育つ。素材の持ち味を生かした、季節を感じられるレシピが人気。小学生の男の子のお母さん。
撮影/砂原 文 スタイリスト/黒木優子 構成・文/水口麻子