子どもが野菜好きになる「魔法のレシピ」をスズキエミさんが伝授!
お子さんの野菜嫌いに悩むあなたへ。レシピとヒントを毎月お届けします!
栄養たっぷりの野菜を食べてほしい! そう思うのに、1~3歳頃は、子どもの“野菜嫌い”に悩まされる時期。そこで『ベビーブック』では、別冊付録の表紙で、料理家・スズキエミさんの「野菜の料理」を1年間連載しています。
表紙のレシピ【蒸し煮キャベツと鮭のパスタ】
「生のキャベツは硬くて苦手」という子に、おすすめは蒸し煮です!
やわらかくなって甘みも増すので、ぐっと食べやすく、
かさも減るので、生よりたっぷり食べられますよ。
多めに蒸しておけば、おいしいパスタにアレンジも簡単です。
『ベビーブック』2019年12月号・別冊表紙掲載
まずは基本の蒸し煮キャベツを作ってみよう!
◆蒸し煮キャベツの材料
キャベツ 1/2個
にんにくの薄切り 1/2かけ分
【A】 塩 大さじ1/4
酒 大さじ1/2
オリーブ油 大さじ1.5
赤唐辛子 1/2本
※赤唐辛子はキャベツの泥臭さを消すため。辛みはつかない。
◆作り方
【1】キャベツは3等分に切り、芯の部分を切り落とす。
【2】直径22㎝くらいの厚手の鍋にキャベツを入れ、にんにくを散らし、【A】を全体に回しかけ、赤唐辛子をのせる(Point1参照)。弱めの中火にかけ、5分ほどして水分が出てきたら弱火にし、20分煮る(Point2参照)。
◆Point1
キャベツ1/2個なら、直径22cmくらいの鍋がぴったり。直径26cmくらいなら丸ごと1個蒸し煮にできます。鍋から少し飛び出しても、ギュッと蓋をすれば大丈夫です。
◆Point2
20分ほど煮るとしんなりとして、かさが減ります。底は少し焦がしてもおいしい!
蒸し煮キャベツをアレンジしてみよう!
◆材料(作りやすい分量・パスタは親子分)
- 蒸し煮キャベツと鮭のパスタ
スパゲッティ(大人用) 100g
ペンネ(子ども用) 50g
蒸し煮キャベツ 1/3量(1/6個分)
蒸し汁 適量
生鮭 1切れ
にんにくの薄切り 1/2かけ分
オリーブ油 大さじ1
塩、こしょう、小麦粉 各適量
◆作り方
【1】ペンネは時間通りに、スパゲッティは少しかためにゆでる。
【2】蒸し煮キャベツは一口大に切る。鮭は一口大に切り、塩、こしょう、小麦粉を振る。フライパンにオリーブ油、にんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たら、鮭を並べて両面を焼き、蒸し煮キャベツ、蒸し汁を加えてあたためる。
【3】【2】にペンネを加えてあえ、器に盛る。次にスパゲッティをあえて器に盛り、好みで粗引き黒こしょうを振る。
今月のテーマ「キャベツ」を子どもと楽しむために
(左)蒸し煮キャベツ (右)春野菜のいろいろ蒸し
https://www.instagram.com/suzukiemi.gohan/
蒸し煮にすればたっぷり食べられて、応用自在♪
葉が厚くて硬く、ずっしりと重い冬キャベツ。煮るとやわらかくなるとはいえ、ロールキャベツのような手の込んだ料理はちょっと……と思ってしまいます。
「20分くらい蒸し煮にするだけで、十分やわらかく、甘くなりますよ。蒸すときに、にんにく、塩、酒、オリーブ油で下味をつけるのがポイント。野菜って、特別な調味料を使わなくても、蒸すだけでびっくりするほどおいしくなるんです」
確かに、蒸し煮キャベツはそのまま食べても甘くて、底の焦がしたところもうまみになるんですね!
「時間のあるときに、キャベツをまとめて蒸し煮にしておけば、いろいろな料理に展開できます。わが家では、1回目はポークソテーなどの肉料理に添えていただき、2回目はキャベツを食べやすく切ってスープやパスタにします。おいしい蒸し汁も使いましょう」
冬キャベツと春キャベツは、それぞれのよさを生かして
冬キャベツは煮込みが定番ですが、春キャベツはどんなふうに調理していますか?
「ふんわりと軽い春キャベツは、葉のやわらかさを生かしたいので、サラダやさっと煮にしています。今回ご紹介している蒸し煮も、春キャベツで作るなら10分ほど煮ればいいですよ。生で食べるなら、細切りにしてさっと塩もみして“コールスロー”などに。しらす干しや油揚げなどと“だし煮”にしても、子どもが食べやすいですね」
教えてくれたのは
スズキエミさん
料理家。料理教室「暦ごはんの会」主宰。宮城県の米どころの農家に生まれ育つ。素材の持ち味を生かした、季節を感じられるレシピが人気。小学生の男の子のお母さん。
撮影/砂原 文 スタイリスト/黒木優子 構成・文/水口麻子