幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2020年5月号
「アンパンマン ポンポンハンマー」と「たたいてつくろう! アンパンマンごう&おうち」
ポンポンハンマーでパーツをトントンたたいて、くるまやおうちをDIY! パーツがキュッキュッと溝にはまっていく手ごたえは、自分で作っているという実感につながります。好きなように組み立てて、どんなできあがりになるのか、親子で楽しみましょう。
基本の遊び
ハンマーでパーツを取り付けて、くるまやおうちをつくろう
アンパンマンごう&おうちの組み立てキットのパーツをひとつずつ見ながら
「まるはコロコロ、しかくはカクカク、タイヤはどれにしよう?」
「これは何かな? おうちの屋根にはどれをつける?」
などと声をかけてそれぞれの形に注目させながら、アンパンマンごうやおうちにハンマーでパーツをたたいて取り付けます。
溝の大きさはどのパーツも同じなので、好きなように組み立て、どんなできあがりになるのか親子で楽しみます。
◆言葉かけのヒント
「コロコロ〜、まるはどれかな?」
「カクカクカク、しかくっていうんだよ」
「どこにつけようかな、ハンマーでトントンたたこうね」
「タイヤがついたね。アンパンマン号、走りま〜す。おうちには誰が待ってるかな?」
◆発達のアドバイス
<1歳>くり返し遊ぶことが楽しい時期、やってみたくなる声かけを。
穴に差し込んでハンマーでトントンたたく、パーツを引っ張って取り外す、をくり返して遊びます。はじめは「どれにする?」とパーツを選ばせたり、「ここに入れてみようか」と穴の位置を教えたりなど、具体的に声をかけましょう。
ハンマーでたたいてパーツがはまっていく感触が楽しくなり、何度もやるうちに自分でスムーズにできるようになっていきます。
ハンマーをたたいているときは、「トントントトトン」などリズミカルに声がけしてあげましょう。
<2~3歳>「自分で」やりたい時期、好きなように遊ぶのを見守って
自我が芽生え、何でも「自分で!」と言い始める時期です。おうちの方はなるべく手を出さず、うまくできないときにさりげなく手伝うくらいにしておきましょう。
パーツを自分で選び、穴に差し込んで片手で支え、もう片方の手を使ってハンマーでたたいていく作業をくり返すうちに、両手をうまく使うコツを自分でつかんでいきます。思う存分遊び、手先の器用さを育てましょう。
さらに発展させよう
1歳 パーツで手先遊びを楽しもう
まるやしかくのパーツをドーナツに見立てて遊びましょう。
棒状のパーツを持ち、フォークをさすように、まるやしかくのパーツに差し込みます。
「フォークでさして、ドーナツもぐもぐ」と、まずは、おうちの方がやって見せて。
お子さんが興味をもってやり始めたら見守り、「できた!」と見せてくれたら「ドーナツできたね」「もぐもぐおいしいね」などと、言葉をかけてあげましょう。
自分がやったことを見てもらえた、喜んでくれたということを感じてうれしくなり、「またやってみよう」という意欲につながります。
細かい手先の作業に集中することで、手先の器用さ(巧緻性)も高まる遊びです。
※注:パーツを口に入れたり、なめたりしないようにご注意ください。
2〜3歳 ハンマーでまねっこ遊びを楽しもう
ビニール製で安全なポンポンハンマーは、いろいろな遊びに使えます。2歳ごろからは、大人がすることをよく見て、まねするのが楽しくなる時期。ハンマーでまねっこリズム打ちをしてみましょう。
「よーく聞いて、まねっこしてね。どんな音かな?」と耳を傾けるよう言葉をかけます。おうちの人が手でたたいたリズムを、お子さんがまねしてハンマーでテーブルなどをたたきます。
本誌の「てあそびうたであそぼう」(18~23ページ)で紹介している手遊び歌をうたいながら、お子さんはハンマーで、おうちの方は手拍子でリズムをとるのも楽しいです。
♪てをたたきましょう 「たんたんたん たんたんたん」
正確なリズム打ちはまだむずかしい時期ですが、一緒にリズムを楽しんでください。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい!と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと