幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2020年10月号
アンパンマン おなじのど~れ? あわせてギュッギュッ おにぎりやさん
お子さんが大好きなおにぎりで、絵合わせ遊びが楽しめる知育おもちゃ。同じパーツを探してカチャッと合わせることで、指先の器用さが育ち、脳の発達も促します。のれんやのぼりもついたお店に並べて、おにぎりやさんごっこも楽しんで!
基本の遊び
絵合わせ遊びでおにぎりをつくろう
「おにぎりを作ろう」と言い、アンパンマン・ばいきんまんなどのキャラクターおにぎりの面か、おにぎりの具の面で同じものを探す「絵合わせ遊び」をします。同じパーツを探して組み合わせておにぎりの形にしたら、両手でギュッギュッと握ります。おにぎりができたらおにぎりやさんに並べ、のれんやのぼりもつけておにぎりやさんごっこ。おうちの方が「アンパンマンのおにぎりくださいな」などと注文し、お子さんにおにぎりをお皿に乗せて運んでもらいましょう。
◆言葉かけのヒント
「アンパンマンはどこかな?」「見つかったらアンパンマンおにぎりにしようね」
「かちっとはめて、おにぎりをぎゅっぎゅっと握ろうね」
同じ絵を探して、おにぎりを作ってお店に並べましょう。
絵合わせ遊びに慣れてきたら、おにぎりの中味を見せながら
「このさけと同じものはどこかな?」
「おにぎりくださいな」「1個ください。いくらですか?」
「アンパンマンおにぎりは何味ですか?」「今度はこんぶのおにぎりを買いたいな」
思ったこと聞きたいことを自分で言葉にして伝えられるよう、遊びの中でたくさんの言葉のやりとりを経験させましょう。
「おにぎり何個買いますか?」
「おにぎりを〇個ください」のように、買い物など社会生活に必要なやりとりや言いまわしは、おうちの方をまねて覚えるものです。遊びの中でも、いろいろなやりとりや言いまわしを見聞きさせていきましょう。
◆発達のアドバイス
<1歳>「見立て遊び」を広げ、想像力や協調性、コミュニケーション力を育てましょう
身近にあるものを何かに見立てて遊ぶ「見立て遊び」は、1歳台から始まります。お子さんといっしょにおうちの方もおにぎりを食べるまねをしたり、ごっこ遊びにつなげたりなど、イメージを共有し、広げていきましょう。お子さんの想像力が育つほか、協調性やコミュニケーション力の発達も促します。
例えば、おにぎりをハンカチに包んで手に持ち、 「ピクニックに行こう! どこに行こうかな?」 などとおうちの中の好きな場所まで行き、ハンカチを広げておにぎりを食べます。お気に入りの人形などもいっしょに連れて行き、おにぎりを食べさせたり、「おいしいね。また食べたいね」「次は何の味にしようかな」と言葉を交わしたりして、イメージを広げてごっこ遊びを楽しみましょう。
まだ言葉が出ないお子さんには、おうちの方が「くださいな」「どうぞ」「ありがとう」など、もののやりとりにともなう言葉を添え、くり返し伝えていきましょう。
<2~3歳>生活経験を増やし、イメージの幅を広げましょう
成長につれて、生活の中で経験したことを記憶して、リアルに表現するということができるようになります。家事の手伝いをしてもらったり、いっしょに買い物に行きお店の人とのやりとりや会計の様子を見せたりなど、子どもの生活経験を増やし、イメージの幅を広げていくことが大切です。
さらに発展させよう
1歳 オリジナルのおにぎりと一緒に遊ぼう
おうちにある紙やティッシュペーパーをぎゅっと握って、おにぎりの形にし、黒色の画用紙やガムテープを正方形に切って貼るとおにぎりの出来上がり! 紙の厚さによって力加減が変わるので、柔らかい紙からやってみましょう。両手にぎゅっと力を入れて握ります。最初はおうちの方が一緒に握ってあげると、徐々に感覚がつかめていきます。
「おにぎりぎゅっぎゅっ。にぎにぎ、にぎにぎ」「のりをぺたぺた。できあがり」
作ったおにぎりは、アンパンマンおにぎりと一緒にお店に並べて、「いらっしゃいませ」とごっこ遊びを楽しみます。おうちの方がアンパンマンのキャラクターになりきって「おみやげを買っていこう。ドキンちゃんおにぎりと〇〇ちゃんが作ったのりおにぎりを持ち帰りでお願いします!」などと言い、お子さんがおにぎりをお皿にのせて渡します。「ありがとう。みんな喜んでくれるかな」などとやりとりをしながら楽しみましょう。
お持ち帰り用にビニール袋などを用意しても。
おうちにあるままごとの食べ物(野菜など)を具材に見立て、おにぎりの中味にしてもいいですね。
2~3歳 おにぎり絵合わせじゃんけん
おにぎりのパーツをバラバラにして、お子さんとおうちの方と半分ずつ持ちます。
「せーの!」などの合図で、お店におにぎりを出します。
同じ具材になったら、「こんぶおにぎり出来上がり。ぎゅぎゅっと握ろう」と、パーツを合わせて完成させます。違う具材が出たら「ぶ、ぶー、残念。もう一回」と絵合わせじゃんけんをくり返し、全部のおにぎりを完成させてお店に並べましょう。
パーツを合わせるときに手先の巧緻性が養われます。自分でできるように、ゆっくり見守ってあげましょう。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい!と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと