子どもが小さいうちこそが教育資金の「貯めどき」です。でも、日々の子育てで忙しいと、将来のお金のことを考えるのは後回しにしてしまいがち。子育て家庭のお金にまつわるお悩みに、ファイナンシャルプランナーがお答えします。
Q.1 幼児教育にお金をかけるより、将来の教育費に備えて貯蓄すべき?
Q.2 家計簿をつけるのが苦手な場合、家計管理で押さえておくべきポイントは?
Q.3 2人目の子どもを考える場合、お金の面で注意すべきことは?
Q.4 現在は専業主婦なのですが、保育料がかかっても早く働き始めたほうがよい?
Q.5 パートナーと前向きにお金のことを話せるようにするコツは?
Q.1 幼児教育にお金をかけるより、将来の教育費に備えて貯蓄すべき?
A.
お金の使い方に関しては、ペース配分を考えることが大切です。幼児期の教育や習い事にお金をかけすぎて後々の教育資金が貯められなくなり、貸与型の奨学金を頼りに大学進学すると、卒業してから奨学金の返済のためにやりたいことをあきらめなければならなくなるケースも。幼児教育や習い事に関しては、まず家計から将来の教育資金のための貯蓄を先取りし、残りのお金で無理なく取り組める範囲でできるものを検討することをおすすめします。
Q.2 家計簿をつけるのが苦手な場合、家計管理で押さえておくべきポイントは?
A.
教育資金など必要な貯蓄を収入から先取りしている場合は、毎月、残りのお金で暮らせていれば、家計簿をつけていなくても問題はありません。ただ、家計簿をつけると何にいくら使っているかがわかるので、苦手な人は「毎年4月だけ」「3か月だけ」と期間限定で取り組んでみましょう。「こうしなければダメ」というルールをつくらず、スマホのアプリを使う、日記にその日の支出をメモするなど、自分が取り組みやすい方法にすると続けやすくなります。
Q.3 2人目の子どもを考える場合、お金の面で注意すべきことは?
A.
教育費は必要になるタイミングと金額を予測することが可能なので、しっかりプランを立てれば不安になりすぎる必要はありません。家計の状況に合わせて進学先を選ぶこと自体に引け目を感じる必要はありません。公立の学校に通うことでたくましく生き抜く力が身につく場合もあります。ただ、2人目を考えるなら1人目にお金をかけすぎない工夫が必要です。また、保育園に預ける場合は、きょうだいが同時に在園していると2人目の保育料が軽減されることが多いため、きょうだいの年齢差は少ない方が保育料をおさえられます。
Q.4 現在は専業主婦なのですが、保育料がかかっても早く働き始めたほうがよい?
A.
一般的には、ブランク(仕事をしていない期間)が長くなるほど、仕事復帰へのハードルは高くなるといわれています。再就職のしやすさという点で考えると、目の前の保育料がかかるとしても、早めに働き始めることにはメリットがあるといえるでしょう。夫の扶養の範囲を超えて働くと社会保険料などの負担が増すことがありますが、長期的には収入増や将来の年金増につながりやすいため、自分の希望する働き方で働くことをおすすめします。
Q.5 パートナーと前向きにお金のことを話せるようにするコツは?
A.
「家計に余裕がないから、お金のことを話し合いましょう」という切り出し方をすると、パートナーは「あなたの収入が少ない」と責められているように感じてしまうかもしれません。できるだけポジティブな会話ができるように、まずは家計がギリギリの状態ではないときに「何年後にはこうしたいね」という夢を語り合ってみることをおすすめします。そこから「そのために毎月いくらずつ貯めていこうか」といった具体的な話題にしていくと、相談しやすくなるはずです。
大竹のり子さん
ファイナンシャルプランナー。女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立し、代表を務める。一般社団法人金融学習協会理事。
イラスト/伊藤和人 文/安永美穂 構成/童夢
教育費がかかる時期になって慌てないようにするには、子どもが小さいうちからの備えが大切です。『ベビーブック』2020年11月号「もっとベビーブックwith HugKum」では、教育資金はどのくらいの金額をどのように貯めていけばよいのかを、くわしく解説しています!