幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2020年12月号
もしもし♪アンパンマン おしゃべりでんわ
12月号ふろくは、おうちのコードレスフォンをイメージしたアンパンマンの電話おもちゃ。「プルルルル♪」「もしも~し、げんき?」「バイバイ、またあそぼうね!」「プーッ プーッ プーッ♪」の4種類の音声で、電話ごっこを楽しみましょう。
基本の遊び
おうちの方が言葉をかけて、電話ごしの会話を楽しもう
おうちの方が台座から受話器を上げて音を出します。「プルルルル♪」などと音声が流れてきたら、受話器をお子さんに渡します。おうちの方がアンパンマンたちキャラクターになりきって「私、ドキンちゃん」「何してるの?」などと声まねで問いかけながら、お子さんと電話ごっこをして会話を楽しみましょう。
◇言葉かけのヒント
「最初にもしもし、って言ってみようか」
電話で話すときによく使われる言葉であると伝え、会話につなげていきましょう。
「次は何て言うかな? どんな音がするかな? よーく聞いてみてね」
耳を傾けて、集中して聞けるような言葉をかけましょう。
「お名前は?」「何歳ですか?」
お子さんが答えやすい質問から始めましょう。
「なにして遊んでいるの?」「一緒に遊んでいい?」
「好きなものは何かな?」
お子さんが具体的にイメージしやすいような問いかけをして、聞かれたことに答えるようにして遊びましょう。
相手が何を言っているのか、耳を傾ける習慣になるとよいですね。
◇発達のアドバイス
<1歳> 「聞く」力を育てましょう
相手と自分という自他の区別がついてきたら、人の言葉に耳を傾けることを経験させましょう。電話というツールを使って、聞くことは楽しいという経験ができるといろいろな場面で聞いてみようという気持ちにつながります。
聞く力は言葉の獲得につながっていきます。
<2~3歳> 聞いて、「答える力」を育てましょう
聞く力を養うことで、言葉の習得だけでなく、思考力、理解力も高めることにつながっていきます。
楽しく遊びながら、相手が何を言っているのかよく聞いて理解し、答えるように促していきましょう。
また、自分が言ったことを聞いて反応してくれる人がいると、伝えたいという気持ちが育ち、言葉が豊富になっていきます。
◇さらに発展させよう
1歳 電話はどこかな? 電話のかくれんぼ
まず、おうちの方が手の届く範囲に受話器と台座を隠せる場所(例えば、テーブルやソファ、おもちゃ箱の近くに座ったり、まわりに大きなぬいぐるみや袋などを置いたり)を予め用意します。
受話器を台座にセットした状態で、お子さんに見えないようにテーブルの下などに隠しつつ、受話器を台座からあげます。音声が聞こえるので、「あれ、どこかで電話が鳴ってるね、どこかな?」と言って、お子さんに電話を探してもらいます。
お子さんが見つけられなかったら、おうちの方が受話器を台座に戻し、また外して音声を聞かせましょう。
「あ、あった!」とお子さんが見つけたら、「誰からの電話かな? 受話器を持ってみてね」と電話ごっこにつなげても。
慣れてきたら、おうちの方が電話と一緒にかくれんぼするのも楽しいですね。
「電話と一緒にかくれんぼするから、探しに来てね。音のなるほうへ来てね。」
お子さんに目をつぶっていてもらい、おうちの方は電話を持って家の中の適当な場所に隠れ、音声を流します。お子さんは耳をすまして、音をたよりに探します。
台座から持ち上げると電話が鳴ることを認識し、耳をすます、音をよく聞く経験をしましょう。
2~3歳 「お知らせタイマー」にして遊ぼう
電話の音声を合図にして、行動を切り替えるきっかけにします。どの音声が流れてもおうちの方が言葉をプラスして、次は何の時間かな? 今からどうすればいいかな? と気づくように促します。なんでもイヤイヤと言う時期ですが、楽しみながらその時期を乗り切りましょう。
言葉例)
『プルルルル♪』→お知らせします。ご飯の時間ですよ。おかたづけしてくださーい。
『もしも~し、げんき?』→元気だよ、そろそろお風呂の時間だね。自分で服を脱げるかな?
『バイバイ、またあそぼうね!』→今日はもう寝る時間ですよ。
『プーッ プーッ プーッ♪』→明日また、電話して遊ぼうね。おやすみ。
お子さんにも受話器を持たせて、「はーい」とお返事をしてもらったり、「もうちょっと遊びたい」などと気持ちを言ってもらい、「では、時計の針が5のところにいったら歯磨きしましょう」など、電話での遊びを生活習慣の確立につなげていきましょう。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい!と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと