幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年2月号
アンパンマンキャンディ クレーンゲーム
クレーンを動かしてキャンディをすくいとるクレーンゲームがふろくで登場。キャンディはみんなにお馴染みの不二家のアンパンマンキャンディとのコラボレーションです。
お子さんの大好きなアンパンマンキャンディをゲットして遊びましょう。
基本の遊び
キャンディをすくって遊ぼう
右手でレバーを持ち、透明の窓からのぞきながら、どのキャラクターのキャンディをねらうかを決めます。レバーを引っ張ったり押したりしながらねらいを定め、キャンディをすくったら、落とさないように気をつけながら左側の滑り台の上までレバーを動かします。レバーを「くるん」と回し、滑り落ちてきたキャンディをゲット! 何度もくり返しやってみましょう。左手はレバーの左の輪に添えると、マシーンが安定してやりやすいことを伝えましょう。
「不二家のアンパンマンキャンディ」や個包装されたラムネなど、おうちにある適当な大きさのお菓子を入れて遊ぶこともできます。「どのお菓子が取れるかな?」とお菓子すくいを家族で楽しんだりしてもいいですね!
◇言葉かけのヒント
「(右のほうへ)ひっぱってー、くるりん」「中のお皿が回るよ、くるりん」
「くるりんくるりん、あ、キャンディが乗ったよ」「そーっと(左側に)押して、滑り台から落とすよ。くるりん」
この遊びでは、「レバーを左右に動かす」「ひねって回す」2段階の動作が求められます。その動作をわかりやすく伝えます。
「誰が出てきたかな? ドキンちゃんだね」
「まだ出てきてないのは誰かな?」「はやく出してあげようね」
最後の1個まで出せるように声をかけましょう。
滑り台からキャンディが出てきたら
「出てきたキャンディはだーれだ?」
「ばいきんまん!」
ばいきんまんのまねっこをして「バイバイキーン」
「次はだれが出てくるかな?」
出てきたキャラクターのセリフや動きをまねっこして遊びます。
「メロンパンナちゃんはいちご味。(縁が)ピンク色だね」「コキンちゃんは、みかん味。オレンジ色」レバーを回して出てきたキャンディをよく見ます。「しょくぱんまんはみかん味。あ! コキンちゃんと同じ色だね」
色に注目させて、「同じ色」を探してペアを作っていきます。
◇発達のアドバイス
<1歳 手指の器用さを育てよう>
レバーを動かしながら遊んでいるうちに、レバーをひねって回すとキャンディがすくえること、キャンディを落とすと穴から出てくることが理解できてきます。くり返して遊ぶことで、手指の動きがスムーズになります。
また、レバーを回すときには手首を使います。ふだんの生活でも、ペットボトルのキャップやジャムのふたなど入れ物のふたの開閉などで手首を回す動作をおうちの方が手を添えながら、一緒にやってみましょう。
<2~3歳 できたという喜びを体験させよう>
レバーを持ち、マシーンを安定させながらキャンディをすくうためには、集中力が必要です。力加減を覚えるまではうまくいかずに焦ることもありますが、「もう一回挑戦しよう」「アンパンマンを取ってあげよう」と声をかけましょう。じっくり取り組んだ結果、「できた!」という体験は、根気強さを育てます。できたときは一緒に喜び、達成感を共有しましょう。楽しかったという思いがまたやりたいという意欲につながっていきます。
◇さらに発展させよう
1歳 キャンディ、誰にあげようかな?
出てきたキャンディがいくつかたまってきたら、誰かにキャンディをあげてみましょう。
「しょくぱんまんキャンディ、誰にあげる?」
自宅にあるぬいぐるみを並べて置いたり、または、ベビーブック本誌のアンパンマンのページを開いて、「だ、れ、に、し、よ、う、か、な」「この子にあげよう。はい、どうぞ」。おうちの方がもらったキャラクターの声まねをして「ありがとう」。
「はい、どうぞ」「ありがとう」をくり返して遊びます。
1歳後半ごろから、「はい、どうぞ」「ありがとう」といった、もののやりとりができるようになります。お家の方とやりとりを楽しむことで、いずれお友だちとのものの貸し借りなどもスムーズにおこなえるようになるでしょう。
2~3歳 かぞえて遊ぼう
キャンディを使って、数を意識して遊びます。2歳のお子さんなら3~5個、3歳なら5個くらいまでが把握しやすいでしょう。
おうちの方と「1、2、3。3個入れたよ」とかぞえながら屋根の穴からキャンディを入れます。全部入れたら、「いっぱい入ったよ。誰から取ろうかな」クレーンですくって落として、出てきた数をかぞえてみましょう。
「1、2。2個出てきたよ」、窓からのぞいて「あといくつ残ってるかな?」「残りも全部出して数えてみようね」
あわせていくつ? 残りはいくつ? を意識させながら遊ぶことで、数の概念が育っていきます。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい!と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと