ちょっと気になる1・2・3歳の子どもの発達に専門家がアドバイス『ベビーブック2月号』育児特集番外編Q&A

子どもと過ごしていると、めざましい成長がうれしい一方で、もしかして発達が遅れているかも? と気になることもありますよね。ちょっと気になること、どうしたらいいわからないこと……そんな発達の悩みについて専門家がお答えします。

Q.1 立てるようになったのにハイハイばかりでなかなか歩こうとしないのですが、大丈夫でしょうか?(1歳2か月・女の子)

Q.2 新型コロナウイルスの影響でなかなか外に遊びに行けず、ほとんど家で過ごしています。同じくらいの年齢の子と関わったり、体を動かしたりする機会がほとんどなくなってしまって心配です。(2歳10か月・男の子)

Q.3 同じくらいの年齢の子がいても一緒に遊ばず、ずっと一人で遊んでいます。私はどちらかというと社交的なタイプなので、この子は大丈夫かと心配になってしまいます。(2歳1か月・女の子)

Q.4 生まれたときから体が小さく、ずっと成長曲線の下のほうです。何か問題はありますか?(1歳7か月・女の子)

Q.5 全然言葉を話しません。周りを見るともうママと会話が成立している子もいて焦ります。何かやったほうがいいのでしょうか?(2歳4か月・男の子)

Q.6 いつも落ち着きがありません。友だちに「発達障害なんじゃないの?」と言われ、ネットで調べてみたら当てはまる節があります。検査してもらったほうがいいのではと思っているのですが、どうでしょうか?(2歳2か月・男の子)

 

Q.1 立てるようになったのにハイハイばかりでなかなか歩こうとしないのですが、大丈夫でしょうか?(1歳2か月・女の子)

A.

「立つこと」と「一歩踏み出すこと」は機能が異なるので、立ったからといってすぐに歩くわけではありません。なかなか歩かないと、やきもきしてしまうかもしれませんが、ハイハイをすることで背筋や腕の筋肉が鍛えられるので、ハイハイをたくさんするのはとてもいいことです。今は、ハイハイをすることで少しずつ歩く準備をしているので、1歳6か月くらいまでは様子を見ていて構わないでしょう。

Q.2 新型コロナウイルスの影響でなかなか外に遊びに行けず、ほとんど家で過ごしています。同じくらいの年齢の子と関わったり、体を動かしたりする機会がほとんどなくなってしまって心配です。(2歳10か月・男の子)

A.

できなくなってしまったことがあると、心配になりますよね。でも、今からでもできることを探していくことに目を向けてみましょう。子どもには、どんな環境でも育っていく力があるので、それを信じることも大切です。
遠くに遊びにいけなくても、天気のいい日に少しでも外に出て、近所を散歩するだけで、子どもはたくさんの刺激を受けます。少しずつ様子を見ながら、無理なくできることをやっていけるといいですね。また、幼稚園入園まで同年代の子との関わりがなかったとしても、それほど気にする必要はありません。幼稚園は、入園するまで家庭で過ごしていた子どもたちを対象に保育・教育をするところですから、入園後に友だちと関わりながら、社会性を身につけていくことができますよ。

Q.3 同じくらいの年齢の子がいても一緒に遊ばず、ずっと一人で遊んでいます。私はどちらかというと社交的なタイプなので、この子は大丈夫かと心配になってしまいます。(2歳1か月・女の子)

A.

2歳ごろは、他の子に興味を持ち始める時期ではありますが、まだ一緒に遊ぶ時期ではありません。3歳ぐらいまでは、「同じ場所にいるけど、一緒には遊ばない」という関係が続くので、他の子と一緒に遊ばなくても、他の子に関心を持つことが見られるなら、様子を見ていいでしょう。周りの人にまったく関心を持たないことが続くようであれば、3歳児健診の際にそのことを相談してみてください。

Q.4 生まれたときから体が小さく、ずっと成長曲線の下のほうです。何か問題はありますか?(1歳7か月・女の子)

A.

成長曲線の範囲内に入っているのであれば、心配ありません。大きくても小さくても、その子自身の成長が曲線のカーブに沿っているかが大切です。
身長は下のほうなのに体重は上のほうだったり、身長は上のほうなのに体重は下のほうなどの場合は、食生活の問題と関わってくることがあるので、心配なことがあれば保健センターか、かかりつけの小児科医に相談してみるといいでしょう。

Q.5 全然言葉を話しません。周りを見るともうママと会話が成立している子もいて焦ります。何かやったほうがいいのでしょうか?(2歳4か月・男の子)

A.

言葉を話さなくても、こちらからの質問に指さしで答えることがよく見られ、コミュニケーションが成立しているかどうかがまずは大切です。1歳6か月児健診で何か指摘されたことはなかったでしょうか?
自分からの指さしや質問に答える指さしなど、指さしのタイミングで声をかけたり、共感するやりとりをしたりしてみましょう。
また、はっきりとした単語になっていなくても「マンマ」「ブーブ―」など意味のありそうな発声があるかにも、注目しましょう。それは言葉の芽が出始めている状態なので、「マンマ、食べようか」「ブーブー、だね」など、短い言葉で返してあげるといいでしょう。
もし、どちらも見られないようであれば、保健センターなどで相談してみるといいでしょう。

Q.6 いつも落ち着きがありません。友だちに「発達障害なんじゃないの?」と言われ、ネットで調べてみたら当てはまる節があります。検査してもらったほうがいいのではと思っているのですが、どうでしょうか?(2歳2か月・男の子)

A.

2歳2か月ごろならいろんなものに関心を持って活発になる子も多く、「落ち着きがない」といってもいろんなレベルがあります。1歳6か月児健診で何も指摘がなかったのであれば、3歳児健診まで様子を見てもいいでしょう。

 

河原紀子先生
共立女子大学家政学部児童学科教授。博士(教育学)。専門は発達心理学。著書に『0歳~6歳 子どもの発達と保育の本』(学研プラス/共著)など多数。

イラスト/とみたみはる 文/洪 愛舜 構成/童夢

毎日たくさんのことを吸収する時期なのに、新型コロナウイルスの影響で、外で遊べなかったり人と会えなかったりしても大丈夫? 『ベビーブック』2021年2月号「もっとベビーブックwith HugKum」では、不安を安心に変える、1・2・3歳の発達についての解説&おすすめの遊びを紹介しています。

 

 

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