しっかり眠れるようにして生活リズムを整えるには? 『ベビーブック3月号』育児特集番外編Q&A

子どもの脳の発達には、十分な睡眠をとることが欠かせません。しっかり眠ることで、食事や日中の活動も含めた生活リズムを整えていくことができます。そのためには、どんなことを心がければよいのでしょうか。子どもの睡眠や生活リズムに関するお悩みに、小児科医がお答えします。

Q.1 休日だけ遅く起きるなど、生活リズムが変わっても大丈夫?

Q.2 パートナーの帰宅時間が、寝かしつけの時間帯と重なってしまいます。

Q.3 2歳になり、お昼寝をしたがらないのですが、させなくてもいいですか?

Q.4 上の子と下の子の生活リズムが合わず、下の子の寝かしつけがなかなかできません。

Q.5 寒い季節は手足が冷えないように、手袋や靴下を着用して寝かせるべきですか?

Q.6 感染症予防のために外出がしにくくなり、親子ともにストレスがたまりがちです。どうすればよいのでしょうか?

 

Q.1 休日だけ遅く起きるなど、生活リズムが変わっても大丈夫?

A.

休日の寝だめは平日の睡眠の質を低下させることが、さまざまな研究により明らかになっています。起床と就寝の時刻は休日であってもなるべく変えないようにし、時間をずらす場合でも、できるだけ1時間以内に留められるとよいでしょう。休日に子どもがいつもと同じ時刻に目が覚め、同じ時刻に朝ごはんを食べたくなるのは、生活リズムがきちんと整っていることの表れなので、おうちの方もできるだけいつも通りの時刻に起きることを心がけましょう。

Q.2 パートナーの帰宅時間が、寝かしつけの時間帯と重なってしまいます。

A.

パートナーの帰宅を待たずに、18時ごろには夕食をすませ、20時には寝るといった子どもの生活リズムを優先しましょう。寝かしつけの時間帯にパートナーが帰ってきても影響が少なくてすむように、例えば、リビングではなく寝室で寝かせるようにするなど、できるだけ子どもを起こさない配慮ができるとよいですね。おうちの方は帰宅後ではなく朝に子どもと遊ぶのを習慣にすると、子どもは朝の楽しみが増えて、早起きをするモチベーションが高まりますよ。

Q.3 2歳になり、お昼寝をしたがらないのですが、させなくてもいいですか?

A.

夜にぐっすり眠ることができ、十分な睡眠時間が確保できているのであれば、お昼寝はしなくても問題ありません。子どもが眠いようであれば寝かせるといった考え方でよいでしょう。お昼寝をしないと夕方に眠くなることがあるかもしれませんが、夜の睡眠に影響が出るのを防ぐため、16時以降はできるだけ寝かせないように心がけましょう。夕方に眠くなってしまった場合は、早めに入浴と軽めの夕食をすませ、19時ごろに寝かしつけをするのがおすすめです。

Q.4 上の子と下の子の生活リズムが合わず、下の子の寝かしつけがなかなかできません。

A.

上の子が話を理解できる年齢であれば、脳を育てるには早く寝ることが大切であることを伝え、下の子の寝かしつけをお願いしてみてもよいでしょう。寝る前におうちの方ときょうだい全員で布団に入ってゴロゴロしながら遊ぶ時間をつくり、楽しく過ごしてから皆で眠るようにするという方法もあります。上の子が夜にやりたい遊びがある場合は、朝ならやってもいいというルールにすると、早寝早起きの習慣が身につきやすくなるかもしれません。

 

Q.5 寒い季節は手足が冷えないように、手袋や靴下を着用して寝かせるべきですか?

A.

眠くなると子どもの手足がポカポカ温かくなるのは、体をリラックスさせる副交感神経がよく働くようになり、手足の先の血管が広がって血流がよくなるためです。この状態になると体から効率よく熱を逃がせるようになり、体温が下がって眠りに就きやすくなります。手袋や靴下は体内の熱を逃がしにくくしてしまうため、眠るときの着用はおすすめしません。冷えが気になる場合は、パジャマの上から胴体だけを覆うベスト型の服を1枚着せるとよいでしょう。

Q.6 感染症予防のために外出がしにくくなり、親子ともにストレスがたまりがちです。どうすればよいのでしょうか?

A.

多少のストレスがあっても、生活リズムが整っていれば気持ちが落ち着きやすくなります。まずは「しっかり眠る」「しっかり食べる」「室内でも適度に体を動かす」ことを心がけましょう。子どもが夜なかなか寝つけなくなっている場合は、まず、朝5~7時ごろに起きることをおすすめします。また、お昼寝は短時間に留めることで、19~20時ごろに寝るといった生活に切り替えていけるでしょう。おうちの方が笑顔でいると子どもは安心するので、おうちの方自身も心身の健康を維持するために十分な睡眠時間を確保するようにしてくださいね。

 

成田奈緒子先生
小児科医、医学博士。文教大学教育学部教授。不登校・引きこもり・発達障害等の親子・当事者支援事業である「子育て科学アクシス」の代表も務める。

イラスト/たはらともみ 文/安永美穂 構成/童夢

生活リズムを整えるには、年齢に応じて必要な睡眠時間を確保し、日中によく活動して夜はぐっすり眠れるようにすることが大切です。『ベビーブック』2021年3月号「もっとベビーブックwith HugKum」では、子どもがよい睡眠をとれるようにするために心がけたいことを詳しく解説しています!

 

育児特集 番外編Q&A【もっと教えて、先生!】全記事リストはこちら

 

 

 

 

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