幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年3月号
アンパンマン キラりん♪ おかおの サイコロボール
転がすたびにリンリンと鈴の音がして、星型のスパンコールがキラキラ光るサイコロボール。20㎝×20cmのビックサイズで登場です。ボールとして、サイコロとして、親子で楽しく遊びましょう。
基本の遊び
サイコロボールを両手で持って転がし、ころころ転がったサイコロの上の面を見て、そのキャラクターの表情をマネっこしたり、数をかぞえたりして遊びましょう。サイコロボールを上に持ち上げ、中のキラキラが見えるか覗いたり、左右に揺らし鈴の音を聞いてみたりもいいですね。おうちの方と向かい合わせになり、サイコロボールを転がしてキャッチをくり返すボール遊びも楽しいです。
◇言葉かけのヒント
「ボールの中がキラキラだよ、上に持ち上げてのぞいてみよう」
「ボールを動かすと、星の色が変わるね。虹みたいだね」
スパンコールの色が光に反射して、いろいろな色に光ることに気づかせましょう。
「両手で持ってひざの間から、ぽ~んって投げてみよう」
言葉をかけながら、おうちの方が動き方をやって見せましょう。
「リンリン、転がると鈴の音が聞こえるね。サイコロ待て待て~、追いかけよう」
転がるときにどんな音がするか耳を傾けます。
「誰の顔が出てくるかな?」
「どんな顔してる? ニコニコかな、プンプンかな」「○○ちゃんはどんなときにニコニコになる?」
サイコロの目のキャラクターの表情を見ながら、この表情だとどんな気持ちなのかを想像するように言葉をかけてみましょう。
「泣いてるコキンちゃんの顔はいくつある? かぞえてみよう。(指で差しながら)1、2、3。3だね」
かぞえるときは指で一つずつ差しながら、数を言っていきます。
◇発達のアドバイス
<1歳 表情に注目させよう>
「ニコニコ、うれしいね。」「え~んえ~ん、泣いちゃったね、悲しいね。」「プンプン、怒ってるのかな。」
1歳ごろから感情表現が豊かになってきますが、気持ちを言葉にするのはむずかしい時期です。おうちの方が、お子さんの気持ちを代弁するように言葉にすることで、言葉と感情が結びついてきます。サイコロボールを転がし、上になった面を見て「コキンちゃんはえ~ん、え~ん、泣いてるね。どうしたのかな?」と聞いたり、本誌22、23ページ「アンパンマンとサイコロあそび」を見ながら誰がどんな顔をしているかサイコロボールと一緒に確認し、「悲しい気持ちなのかな」「喜んでいるのかな」などと話すことで、感情への理解が深まるでしょう。
<2~3歳 ボール遊びで体を動かそう>
体全体でバランスをとりながら、様々な動きができるようになる年齢です。ボール遊びで、いろいろな動きを経験してみましょう。
サイコロボールを両手ではさむように持ち、ひざの間から投げ上げてみましょう。ボールを投げ上げる動作は、自然と背筋を使います。
背筋はいすに座るときに欠かせません。背筋がないといすに長い時間座ることができなくなってしまいます。小さいころから遊びの中で使っていくことが大切です。
◇さらに発展させよう
1歳 サイコロボールを運ぼう
本誌の「アンパンマンとサイコロあそび」のルーレットを回します。「誰の顔が出てくるかな、あ、アンパンマンだ!アンパンマンをゴールまで運ぼう」
ルーレットを回して出たキャラクターの顔を上にして、おうちの方と体のいろいろな部分でサイコロボールをはさんで運びます。あらかじめゴールの場所を決めておき、「ゴールまで落ちないように運べるかな」
手と手で、肩と肩で、など、いろいろな部分でサイコロボールをはさんで落とさないようにゴールまで運んでみましょう。
2~3歳 キャッチボールしよう
おうちの方と少し離れてサイコロボールを投げっこします。
ボールを目指す方向に投げたり、とんでくるボールをキャッチしたりするのはお子さんにはむずかしいことも。
まずは、バスケットボールのゴールのようにおうちの方が体の前で両手で大きな輪をつくり、お子さんがそこにボールを投げ入れることから始めてみましょう。
ボールの扱いに慣れてきたら、今度はキャッチの練習。お子さんが体の前に手をのばして待ち、おうちの方がお子さんが取りやすいようにサイコロボールを投げます。うまくつかめずいやがる様子があるときは、「しょくぱんまんも困ってるね。」「アンパンマンが『がんばれ!』 と言ってるよ」などと、サイコロのキャラクターを活用して気持ちを切り替え、楽しく練習しましょう。
くり返し投げっこをし、うまくキャッチできたときはたくさんほめてあげてください。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい!と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと