幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年6月号
にんきもの いっぱい! くるくるボールタワーDX
ふたの穴から入れたボールが、赤い柱の周りをくるくるとまわりながら降りてくるボールタワー。ボールの動きを見ているだけでも楽しい組み立ておもちゃふろくです。
◇基本の遊び
2つのボールに好きなキャラクターのカードをセットして、ボールタワーのふたの穴から入れます。中に入れたボールが赤い柱の周りをくるくるまわりながら降りてくる様子を楽しみましょう。
◇言葉かけのヒント
「ポトン」「くるくるくるりん~♪」
ボールを穴に入れるとき、ボールが降りてくるときなど、動きに音をつけてあげると楽しさがアップします。
「ボールが出てきたよ、キャッチ!」
出てくるボールを手で受け止められるように、タイミングよく声をかけます。
「穴にボールを入れるよ、ポトン」「どうやったらうまくいくかな」「もう一回やってみよう」
うまくいかないときも、もう一度チャレンジさせてみましょう。お子さんが考えたり、工夫したりしているときは少し間をおいてから声をかけるとよいでしょう。
「パウ・パトロールの仲間はだあれ?」
ボールカードに同じお話に出てくる仲間がいることに気づかせましょう。カードを仲間分けしてから、ボールにセットしてもいいですね。
◇発達のアドバイス
<1歳 発見の喜びを共有しよう>
乳幼児は動くものに興味をもち、目で追いかけようとします。ボールタワーは、同じ動きがくり返される安心感、期待感があるため、集中して楽しむことができます。お子さんと同じ目の高さになって、一緒にボールの動きを追いかけると同時に、背景にある鳥や車の絵にも注目してみてください。同じ視線でいろいろな絵を見つけ、「発見の喜び」を共有しましょう。
<2~3歳 一人遊びを見守ろう>
穴からボールを入れると、くるくる回って落ちてくる。また入れてみる。2個のボールを一緒に入れたらどうなるかな? お子さんが一人で夢中になって、試したり、考えたり、工夫したりしているときは、口出しをせずそっと見守っていてください。そして「やった!」「見て」などとこちらを振り返ったときに、にっこりとほほえみ、「見ていたよ」という視線を送ってあげましょう。見守られているという安心感のなかで、お子さんは探求心を伸ばしていきます。
◇発展遊び
1歳 どっちがどっち?
お子さんに好きなキャラクターのカードを2枚選んでもらい、ボールにそれぞれセットします。おうちの方が両手で2個のボールを挟むように持ち、「ぐるぐるぐる~、ぎゅっ」と左右の手に一つずつボールを握り「どっちがどっち?」と聞きます。「こっちがアンパンマン、こっちがばいきんまん」「どうかな~、ぱっ!」「あたり~」。
キャラクターを当てたあとは、「どっちを先に入れる?」と聞いてからボールを穴にポトン!「アンパンマンが先に出てきたね」
いろいろなキャラクターの組み合わせで遊びましょう。
2~3歳 トイレットペーパーの芯ですべり台
トイレットペーパーの芯を縦半分に切って穴の上にセットし、ボールをすべらせながら穴に入れてみるのも楽しいです。初めはおうちの方がトイレットペーパーの芯を手で支え、慣れてきたら子どもが自分で支えながら、ボールを入れてみましょう。どの角度ならうまく入るか試行錯誤する様子を見守り、できたときは一緒に喜びましょう。
トイレットペーパーの芯を2つつなげると、少し難しくなりますが、スリリングさがアップします。切ったトイレットペーパーの芯で、床においたボールをスプーンのようにすくって、穴に運ぶ遊びも楽しいですね。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい!と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと