子どものイヤイヤ、どう対応する? 『ベビーブック9月号』育児特集番外編Q&A

イヤイヤは子どもの成長の表れでもありますが、おうちの方としては困ってしまいますよね。どう対応すれば、イライラせずに子どもと向き合うことができるのでしょうか。保育士歴23年のベテラン保育士が、おうちの方の疑問にお答えします。

Q.1 まだできないことを自分でやりたがるときは、どうすればいいですか?

Q.2 「これじゃなきゃイヤ!」というこだわりが強く、対応に困ります……。

Q.3 外出先で子どもが騒いでも、周囲の目が気になって強く叱れません。

Q.4 着替えや入浴など、生活習慣としてやるべきことを嫌がるときは、どうすればよいですか?

Q.5 下の子が生まれてからイヤイヤがひどくなりました。どうすればいいですか?

Q.6 家で過ごす時間が長く、イヤイヤ期の子どもと1対1で向き合い続けるのがつらいです……。

Q.1 まだできないことを自分でやりたがるときは、どうすればいいですか?

A.

おうちの方が「やってあげる」という言い方をすると、子どものプライドを傷つけてしまうおそれがあります。できない部分に関しては「手伝ってもいい?」と子どもに許可を求めてから、手助けをするとよいでしょう。子どもが自分自身の力で何かをやり遂げたときは、ただ「すごいね」とほめるのではなく、「ボタンをとめることができてすごいね」というように、具体的に何がすごいのかを言葉にして伝えると、自信や達成感につながります。

Q.2 「これじゃなきゃイヤ!」というこだわりが強く、対応に困ります……。

A.

晴れた日に長靴(レインシューズ)をはきたがるなど、他人に迷惑をかけないこだわりなら、おうちの方の許容できる範囲で子どもの気持ちを尊重しましょう。実際にやってみることで、長靴だと遊びにくいといった「なぜやらないほうがよいのか」という理由に、子ども自身が気づくこともあります。子どものマイブームは時間とともに変化していくので、しばらくやってみたら気が済むことも少なくありません。それぞれのおうちで「ここまでなら許容する」というルールを決めて、お世話をする人が変わっても同じ基準で対応しましょう。

Q.3 外出先で子どもが騒いでも、周囲の目が気になって強く叱れません。

A.

乗り物に乗るときや、騒いではいけない場所に出かけるときは、前もって「小さな声でお話ししようね」と伝えておきましょう。小さなおもちゃや絵本などを用意しておくのもおすすめです。それでも騒いでしまったときは、「静かにしなさい!」と強い口調で言うよりも、ささやき声で「小さな声でお話ししてくれたらうれしいな」と伝えるほうが効果的です。子どもの気持ちがどうしてもおさまらないときは、一旦、他の人の迷惑にならない安全な場所に移動し、泣きたいだけ泣かせて気持ちが落ち着くのを待ちましょう。

Q.4 着替えや入浴など、生活習慣としてやるべきことを嫌がるときは、どうすればよいですか?

A.

子ども自身、何が嫌なのかがよくわからないまま、「イヤ」と言っていることも少なくありません。「イヤ」とは言うものの、毎日の習慣として実行できているのであれば、「そうか、イヤなんだね。わかった、わかった」と子どもの気持ちを受け止めつつ、「とりあえず服を着替えようか」「お風呂に入ろうか」と、やるべきことを進めていけば大丈夫です。嫌がる気持ちが強いときは、しばらく抱っこするなどして気持ちを落ち着かせてから、もう一度声をかけてみると気持ちが切り替わることもあります。

Q.5 下の子が生まれてからイヤイヤがひどくなりました。どうすればいいですか?

A.

この場合のイヤイヤは、おうちの方の愛情が下の子に奪われてしまうのではないかという不安や、「もっと自分のことを見て!」という気持ちの表れです。「お兄ちゃんでしょ」「お姉ちゃんでしょ」という言い方はできるだけせずに、下の子よりも上の子を優先して、「あなたのことが大好きだよ」ということを言葉とスキンシップで伝えていきましょう。1日に数回、「今日も大好きだよ」と上の子を抱きしめる時間を意識的につくるようにすると、安心感につながるはずです。

Q.6 家で過ごす時間が長く、イヤイヤ期の子どもと1対1で向き合い続けるのがつらいです……。

A.

つらい気持ちを一人で抱え込まないためには、共感してくれる人とコミュニケーションをとることが大切です。電話や通話アプリなどで、自分の親や友人などに気持ちを話して共感してもらいましょう。育児の合間に10分だけでもよいので、自分の好きなことをしてみるのも気分転換になります。好きな動画を見る、軽く体操をする、オンラインでできる習い事を始める、昔の趣味を再開してみるなど、「この時間だけは子どもよりも自分のことを優先する」という時間をつくると、気持ちが少し楽になりますよ。

 

中田馨先生
0~2歳児対象の中田家庭保育所の施設長。保育士歴23年。2児の母。著書に『イヤイヤ期専門保育士が答える 子どものイヤイヤ こんなときどうする? 100のヒント』(実務教育出版)など。

イラスト/オブチミホ 文/安永美穂 構成/童夢

イヤイヤはさまざまな場面で起こるものだからこそ、「こんなときはどうすればいいの?」ということが気になるのではないでしょうか。『ベビーブック』2021年9月号「もっとベビーブックwith HugKum」では、読者アンケートで上位にランクインしたシーン別のイヤイヤ対応法を詳しく解説しています!

育児特集 番外編Q&A【もっと教えて、先生!】全記事リストはこちら

注目記事

\最新情報は公式Xから/

最新記事

もっと見る

SNS

ベビーブック

人気記事ランキング

遊び・しつけ・知育ぜ~んぶまるごと!

小学館の知育雑誌『ベビーブック』は、遊び・しつけ・知育が1冊にぎっしり!

アンパンマン、きかんしゃトーマス、いないいないばあっ!など人気キャラクターがお子さんの笑顔を引き出します。はってはがせるシール遊びや、しかけ遊びでお子さん夢中まちがいなし!