幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年9月号
アンパンマン おかおボタンの おふろジュースサーバー
レストランにあるジュースサーバーが、お風呂で遊べるふろくになりました。
お湯を注いで、ボタンを押すとお湯がジャー。ジュースやさんごっこをお楽しみください。
◇基本の遊び
ジュースサーバーにお湯を入れ、コップをセット。アンパンマンのおかおボタンを押し、お湯をジャーッと出してコップに入れます。「オレンジジュースです。はい、どうぞ」「ありがとう」と、おうちの方とのやりとりを楽しみましょう。
◇言葉かけのヒント
「ご注文は?」「おまちどおさま、○○ジュースです」
最初はおうちの方がジュースやさんになります。慣れてきたら、お子さんと役を交代します。
「アンパンマンのおかおボタンを押すと好きな飲み物がでてくるよ。○○ちゃんは何ジュースが飲みたいですか?」「どんなお味かな?」
お子さんにジュースの味を想像させましょう。
「ジュースが空っぽになりました。新しいジュースを入れてください」
お子さんにサーバーにお湯を入れてもらうよう促します。
「オレンジジュースです。どんなにおい?」
「りんごとバナナを混ぜたらどんなジュースになるかな?」
お子さんが想像してどんな言葉を返してくるかを待ちましょう。「甘い味かな?」「酸っぱいかな」などと、ヒントを出してもいいでしょう。
◇発達のアドバイス
<1歳 やりとりを楽しむ時期、様々な言葉かけを>
「ジュースください」「どうぞ」「ありがとう」のようなやりとりを楽しめるようになる時期です。大人のすることを観察し、まねをすることで、やりとり遊びからごっこ遊びへと発展していきます。お子さんと一緒に遊びながら、コミュニケーション力を育てていきましょう。
<2~3歳 想像をめぐらせる時期、お子さんからの反応を待とう>
「今度はどんなジュースにする?」「どんな味にしたらうれしいかな?」などとお子さんに問いかけ、お子さんが自分の思いを言葉にしながら、自分で考えて遊びを展開できるようにします。お子さんの遊びを見守りながら、自主性を育てていきましょう。
◇さらに発展させよう
1歳 たっぷりとジュースを作ろう
ヨーグルトの空き容器やおままごとのコップなど、ふろくのコップより大きいコップを用意します。
「大きいコップはママの分。これにジュースを入れてください」と言います。お子さんがジュースサーバーのボタンを押してコップにお湯を注ぎ、そのコップの中身をおうちの方の大きいコップに移します。「まだ足りないので、もう一杯お願いします」などと言い、ジュースサーバーから注いだお湯を、コップから大きいコップに移し替えるのをくり返してもらいます。
コップからコップに移し替えるときの手首を返す動きは、普段の生活ではあまり経験できないものです。遊びを通して手の動きを育てましょう。
2~3歳 ちょっとかな? いっぱいかな? 量の感覚を育てよう
「ジュースをいっぱいください」「ジュースを少し、ください」「コップに半分だけジュースを入れて」。
ジュースやさんごっこでおうちの方が「少し」「いっぱい」「半分」など量を表す言葉を使って注文し、お子さんにその量を入れてもらいます。お子さんがアンパンマンのおかおボタンを押すときに、おうちの方がアンパンマンの声まねで「ジュースを少し入れたいときは、ボタンをちょっとだけ押すよ」「ボタンをなが~く押すといっぱい入るよ」などと言い、ボタンを押す長さで出てくるジュースの量が変わることに気づかせましょう。
ジュースを入れてくれたら、「いっぱい入れてくれたね、ありがとう」「少しだけ、入ってるね」など、量を見せながら言葉を添えることで、遊びを通して量の感覚を育てていきましょう。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと