親子ふれあい体操で心もからだも健康に! 『ベビーブック10月号』育児特集番外編Q&A

コロナ禍の中で思うように外であそべない、運動不足や経験不足が心配……。自粛生活で感じるおうちの方の不安や疑問に、幼児期の運動体験の大切さと、「親子ふれあい体操」を広める活動を長年行ってきた専門家が答えます。

Q.1 2歳2か月の息子はからだを動かすあそびよりも、お絵かきや積み木等運動以外のあそびのほうが好きなようです。意識して運動させたほうがいいでしょうか?

Q.2 家が狭く集合住宅なのでドタバタすると近隣からクレームが入ります。そんな自宅でも親子ふれあい体操はできますか?

Q.3 コロナ禍の中で家にいる時間が増えて子どもが運動不足になっているように思います。家の中で体操するだけでも運動不足解消になりますか?

Q.4 ママ、パパそれぞれに、どんなふれあい体操がおすすめですか?

Q.5 1歳4か月の娘は歩き始めたばかりなのにすべり台の階段をのぼろうとするのでハラハラしてしまいます。やりたいようにやらせてもいいでしょうか?

Q.6 公園であそばせたいけれど新型コロナウイルスが心配です。公園あそびをしても大丈夫でしょうか?

Q.1 2歳2か月の息子はからだを動かすあそびよりも、お絵かきや積み木等運動以外のあそびのほうが好きなようです。意識して運動させたほうがいいでしょうか?

A.

じっとしたあそびが好きな子に対して、「たくさん運動させないと!」と意気込むのは逆効果です。公園に行って、ベンチや芝の上で絵を描いたり本を読んだりする等、無理なく楽しめるように誘うことが有効です。公園まで歩いて行けば、まずはそれが運動になります。外に出たり動いたりする時間を、楽しさの中で少しずつ増やしていきましょう。

Q.2 家が狭く集合住宅なのでドタバタすると近隣からクレームが入ります。そんな自宅でも親子ふれあい体操はできますか?

A.

もちろんできます。ドタバタすることばかりが運動ではありません。姿勢を維持してポーズを作る等、その場でがんばる「バランスあそび競争」がおすすめです。
まず、親と子が向かい合って立ち、片足立ちになります。足以外は、好きなポーズをしてバランスをとります。どちらが長く片足で立っていられるかを、親子で競いましょう。
どんなポーズがバランスをとりやすいか、どんなポーズがおもしろいか等、いろいろ試してみると楽しいですよ。

Q.3 コロナ禍の中で家にいる時間が増えて子どもが運動不足になっているように思います。家の中で体操するだけでも運動不足解消になりますか?

A.

子どもが育つには、よく「食べて・動いて・寝る」という生活習慣と、そのリズムづくりが大切です。十分にからだを動かせていないと、体力が落ちてきます。
太陽が出ている日中に外でからだを動かしてあそぶことはとても大切ですが、家の中だけでも体操をすることは、運動不足解消に役立ちます。Q.2で紹介したような、少しスペースがあれば道具がなくてもできる「親子ふれあい体操」を取り入れてみてくださいね。

Q.4 ママ、パパそれぞれに、どんなふれあい体操がおすすめですか?

A.

ママと子どもの場合は、自分を見つめてもらって自分の居場所を作ってもらうふれあい体操がおすすめです。手をつないで両足でジャンプする「手つなぎぴょんぴょん」や、足の甲の上に子どもを立たせ手をつないで一緒に歩く「ペンギン歩き」等がおすすめです。からだだけでなく心もふれあうことで、ありのままの自分を受け止めてもらえる安心感に満たされ、自己肯定感も育ちます。
パパとであれば、一緒にダイナミックに動けるふれあい体操がいいでしょう。子どもの胸と太ももに手を当てて持ち上げる「ビュンビュン飛行機」や子どもの両わきに手を入れて高く持ち上げる「高い高い」等がおすすめです。安心して挑戦させてもらえるパパの動きが、子どもの心の中に残るでしょう。
ママとパパともに、楽しくからだを動かせたときは子どもをほめたり、ポジティブなメッセージを伝えたりしていきましょう。それによって子どもは自信を生み、自分で動こうという気持ちになるのです。そして、「おもしろい」「楽しい」「またやりたい」と感動すれば、生活の中で運動実践はずっと続きます。

Q.5 1歳4か月の娘は歩き始めたばかりなのに、すべり台の階段をのぼろうとするのでハラハラしてしまいます。やりたいようにやらせてもいいでしょうか?

A.

幼児期の初期には脳や神経系の発育が旺盛で、すべり台の階段をのぼったり台の上に上がろうとしたりする行動が頻繁に見られるようになります。運動発達的には、「のぼる」「高いところに立つ」「バランスを取る」という刺激を与える動きをさせてあげることが大切なので、やりたいようにやらせてあげるといいでしょう。
ただし、この時期の子どもは頭が大きくバランスを崩しやすい体形をしており、姿勢を維持するための筋肉も発達途上なので、転びやすい傾向があります。もしすべり台で転んでも、すぐに反応して子どもを守れるよう、あそんでいるときは近くで見守りましょう。

Q.6 公園であそばせたいけれど新型コロナウイルスが心配です。公園あそびをしても大丈夫でしょうか?

A.

コロナ禍の中における安全な公園の利用については
・混んでいたら利用しない
・いつもより短時間の利用にする
・独占しないように使う
の3つを基本にしましょう。
公園は屋外の開放された空間であるため、「少人数」「短時間」「他の人との間隔を2m以上あける」「混んでいるときは利用を控える」「大人はマスクを着用する」等の感染対策を怠らなければ、あそんでも問題ありません。
ただし、公園の固定遊具は不特定多数の方が触れるので、感染の心配があります。あそんだ後は流水で手を洗ってうがいをし、こまめに消毒をしましょう。

 

前橋 明先生
早稲田大学人間科学学術院教授、医学博士。国際幼児体育学会会長。大学で教鞭をとるかたわら、「親子ふれあい体操」を全国に広げる活動を積極的に行っている。著書に『子どもにもママにも優しいふれあい体操』(かんき出版)『保育の運動あそび450』(新星出版社)等多数。

イラスト/ニシハマカオリ デザイン/平野 晶 文/洪 愛舜 構成/童夢

ベビーブック世代は健康なからだ作りに欠かせない運動機能が著しく発達する時期です。『ベビーブック』2021年10月号「もっとベビーブックwith HugKum」では、バランスよく運動能力を育てる秘訣と、ベビーブック読者が親子で楽しめる体操を詳しく解説しています!

 

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