幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年10月号
アンパンマン おかおをそろえて くるくる パネル
アンパンマンたちの顔のパネルをくるくる回して遊びます。同じ絵を一列並べたり、チームをそろえたり、好きなキャラクターをランダムに出したりなど、遊び方は無限大! 細かい指先の運動やパズル的思考で、ぐんぐん脳を育てましょう!
◇基本の遊び
「ばいきんまんのおかおをそろえてみよう」「アンパンマン、メロンパンナちゃん、しょくばんぱんのアンパンマンチームでそろえてみよう」などと言い、お子さんがパネルを回して絵をそろえて楽しみます。
◇言葉かけのヒント
「アンパンマンのおかお、同じだね。ぴったんこ、そろったね」
おなじものを見つける楽しさを共有しましょう。
「ドキンちゃんのおかお、いくつそろったかな? かぞえてみよう」「1、2。2そろったね」
同じ顔がそろったら、かぞえたくなるように声をかけましょう。
「スタートでパネルを回して、ストップで回すのを止めるよ。だれのおかおがそろうかな?」「よーい、スタート! パネルを早く回そう!」
お子さんにパネルをくるくる早く回してもらい、ストップで手を離します。パネルが止まったところでだれの顔がそろったか、偶然性を楽しみます。
◇発達のアドバイス
<1歳 指先の巧緻性を育てよう>
くるくる回すことが楽しい時期です。気のすむまでやらせてあげましょう。パネルを回すことで、自然と指先を使うことになります。
同じ絵が偶然そろったら、「同じだね」と声をかけ、同じものがそろう楽しさにも気づかせてあげましょう。同じ絵をそろえたいという気持ちが出てくると、指先を使って慎重にパネルを回すようになります。
<2~3歳 位置関係を意識させよう>
お子さんと一緒にパネルを見ながら、「真ん中のメロンパンナちゃんがそろったね」「メロンパンナちゃんの上にアンパンマンがいるね」などと、「上」「真ん中」「下」の位置を表す言葉を添えてみましょう。おうちの方がパネルを指さししながら伝えると分かりやすいです。
上、下、右、左などの位置関係の言葉と概念を、生活や遊びのなかで伝えていきましょう。遊びの中で手や体を動かすことで、「こっちが上かな」「こっちが右かな」と少しずつ認識できるようになります。すぐに理解させようと思わず、くり返し伝えましょう。
<右・左をわかりやすく伝えるには>
全部のカードをパネルから外し、縦にキャラクターがそろうようにカードをつけます。真ん中の列をアンパンマン(裏面はばいきんまん)にするとよいでしょう(写真参照)。
「アンパンマンが真ん中にそろったね。アンパンマンの右はだれがいるかな?」と、アンパンマンの右側を注目させる言葉をかけ、まずは「右」を意識させましょう。
◇さらに発展させよう
1歳 おかおを3つ揃えて、お話ししよう
お子さんにパネルを好きなように回してもらい、「ストップ」の合図で手を離します。パネルが止まったところで、おうちの方が「アンパンマンがもうひとつ出てくると3つそろうね」などとアンパンマンが隠れているパネルを指し示しながら言い、お子さんにそのパネルを回してもらいます。おかおが3つそろったら、会話して遊びましょう。「ねえねえ、アンパンマン、今日はなにして遊ぶ?」「メロンパンナちゃん、かくれんぼしよう」など、おうちの方がキャラクターになりきって、お子さんと会話を楽しみましょう。
2~3歳 パネルの片面を使って、神経衰弱をしよう
はじめに全部のカードをパネルから外し、パネルの片面にだけ、5つのキャラクターのカードを同じ顔が2枚ずつになるようにつけます(1つはペアなしになります)。そして、キャラクターの顔が見えないようにパネルを裏返しにしておきます。
「おかおが見えないね。どれか一つ回して」と言い、お子さんにパネルを回してもらいます。「メロンパンナちゃんがでてきたよ。もうひとつ探して2つそろえてぴったんこにしようね」。
おうちの方と交互に、神経衰弱の要領でキャラクターをペアにしていきます。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと