幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年 First冬号
アンパンマン おふろボード&わらべきみか おふろえほん
アンパンマン&シナぷしゅ おふろシール
おふろで遊べる、絵本とシールです。シールは濡らすと、おふろの壁や体にピタッとくっつ楽しいおふろ時間の親子のコミュニケーションに活用できますね。
◇基本の遊び
おふろえほんは、お子さんを膝の上に乗せて読み聞かせます。ひと通り読み終わった後は、絵を見ながら「アンパンマン、ねんねしているね」「ひよこさん、たくさんいるね」などとお話ししましょう。
おふろシールは湯船に浮かべたり、おふろの壁や体にペタッと貼ったりして遊びます。アンパンマンたちの表情やぷしゅぷしゅのいろいろな形を見るのも楽しいですね。
◇発達のアドバイス
<0歳後半~ 子どもの関心を引き出そう>
動くものに興味をもち、目で追ったり、手を伸ばしてつかんだりして、ものにかかわろうとする時期です。
湯船におふろえほんやシールを浮かべ、お子さんが興味をもって触れたくなるよう「触るとふわふわしているよ」と声をかけたり、お湯をかき混ぜてシールを動かしたりしてみましょう。
<言葉かけ例>
・おふろえほんを浮かべ、「ふわふわしているね」「やわらかいね」
・おふろシールを浮かべ、「ぷかぷか~。アンパンマンはどこかな?」
「ぷかぷか~。あっちに行っちゃったよ。手が届くかな~」
<1歳前後 喜怒哀楽の表情を見せよう>
自分の気持ちを人に伝えようとし始める時期です。
喜怒哀楽の表現は、まわりの大人の表情などを見て、まねをすることで覚えていきます。おふろえほんやシールを見せ、おうちの方がアンパンマンたちの表情のまねをすると、お子さんも顔まねをしようとします。日ごろから、わかりやすい表情でお子さんに接するとよいですね。
<言葉かけ例>
・アンパンマンおふろボードを見せて、「ばいきんまん、ねむそうだね」
・おふろシールの表情を見せて、「コキンちゃん、えーんえーん。○○ちゃんもえーんえーん」
<1歳後半~ 遊びのきっかけをつくったら、あとは見守ろう>
お子さん自身がおもちゃにかかわり、遊び始める時期です。
まず、おふろえほんをおふろの壁に貼り、「あれ、くっついてるね」とお子さんが興味をもつように促します。お子さんが自分でおふろえほんを手に取り遊び始めたら、口を出さずに見守ります。遊び方がわからずすぐに飽きてしまうようだったら、おうちの方が使って遊んでみせましょう。
<言葉かけ例>
・「ピヨピヨピヨピヨ。ひよこさんはたくさんだね」
おふろえほんを湯船に浮かべ、ひよこを指で押します。指が絵本とともに沈む感覚を楽しみます。
・「○○ちゃんのほっぺにペタリ。おててにペタリ」
体の部位を言いながら、お子さんの体におふろシールをつけます。
<子どもと遊ぶときの、おうちの方の心構え>
おうちの方は「遊び方」の通りに遊ばせよう思いがちですが、お子さん一人ひとり興味をもつものや反応は違います。
おうちの方がはたらきかけたことをお子さんは見ているだけかもしれませんが、それが遊びの始まりなのです。お子さんが何に興味を示して、何に手を伸ばすかはやってみないとわかりません。お子さんの反応を大事にして、様子に応じてかかわり方を変えてみましょう。
◇こんな遊びもできるよ
0歳後半~ えほんとシールでごっこ遊び
おふろシールを湯船に浮かべておきます。おふろえほんを持ち、「いぬさん、ワンワン! 走ってきたよ」などと言いながら、絵本を早く動かしたり、ジャンプするように持ち上げたりして、シールの近くまで持ってきます。「いぬさん、一緒に遊びたいって」と言い、アンパンマンなどの声まねで「うん、遊ぼう!」と応えながら、シールを絵本にはります。お子さんもシールをはりたそうにしたら、「ぷしゅぷしゅも一緒に遊びたいって」などと言葉を添えてあげましょう。
1歳前後 どんなおかおがでてくるかな?
おうちの方が湯船の中で座り、すべてのアンパンマンおふろシールを足の下に隠します。
「あれあれ、みんな隠れちゃったよ。誰がでてくるかな~」と言って足を離すと、シールが勢いよく湯船に浮かびます。出てきたキャラクターの表情を見ながら「ばいきんまん、プンプン怒ってるね」などと言い、おうちの方がおおげさに表情のまねをして、お子さんに見せます。同じようにまねっこするよう促してみましょう。
1歳後半~ 鳴き声まねっこ
おうちの方がおふろえほんを二つ折りにして持ち、生きものの絵を一つずつ指差しながら、お子さんと一緒に鳴き声をまねしてみましょう。
いぬを指して、「ワンワン!」。ねこは「ニャーニャー」、かえるは「ケロケロ」、ひよこは「ピヨピヨ」。
生きものの鳴き声に変化をつけたり、何匹いるかをかぞえたりしてもいいですね。
かぞえるときは、ねこなら「1、2。ねこは2だね」と一つずつ指で差しながらかぞえます。数を理解するにあたり、3歳くらいまでは、数の後に匹や羽などの助数詞はつけないほうがわかりやすいです。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと