幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2021年12月・2022年1月合併号
アンパンマン いっしょにおさんぽ クリスマスふうせん
ビッグサイズのふうせんをタイヤ付きの台車に乗せてお散歩しましょう。ふうせんは、アンパンマンたちのクリスマス柄。クリスマス気分を味わいながら、楽しく遊びましょう。
◇基本の遊び
ふうせんを台車に乗せ、コロコロ引いて部屋の中を歩きましょう。歩き始めたばかりの1歳のお子さんは、台車を倒さずに引くのはむずかしいかもしれません。台車が倒れてもおうちの方は直したりせず、そのままで。台車とともにあちこち歩き回る楽しさを充分に味わわせてあげましょう。
◇言葉かけのヒント
ふうせんを見せて
「アンパンマンど~こだ?」
「ふうせんふわふわ! やさしくぎゅ~しようね」
台車を引いて歩き始めるときに
「いってらっしゃ~い」「いってきま~す」
台車が倒れても、
「アンパンマン、いっしょについてきてるね」と
引いている楽しさを感じさせましょう。
「だんだん早く歩いてみよう。倒さずに歩けるかな」
歩き方に変化をつけるよう促してみましょう。
◇発達のアドバイス
<1歳 引っ張って歩く楽しさを味わわせましょう>
歩き始めると、自分で好きなところに移動できることがうれしくなり、どんどん歩きたくなります。ふうせんを乗せた台車を引っ張りながら歩くと、大好きなアンパンマンたちと一緒に歩いているような気持ちになり、歩くことがさらに楽しくなります。たくさん歩くことで、歩く力が安定してきます。楽しみながら体を動かし、体力をつけていきましょう。
<2~3歳 台車を倒さずに動かすことでバランス感覚を育てよう>
ふうせんを乗せた台車を倒さず引いて歩くには、バランス感覚や力加減をコントロールする力が必要です。お子さんが台車を倒さないよう注意しながら引けるよう、「台車が倒れないように歩こうね」などと言葉をかけましょう。
手先の動きや力加減をコントロールできるようになると、細かな作業もできるようになっていきます。
◇さらに発展させよう
<1歳 アンパンマンが飛んで届けにくるよ>
ふうせんを台車に留めているテープをていねいに取り、ふうせんを外して遊びます。
おうちの方が「アンパンマンが飛んでプレゼントを〇〇ちゃんのところに届けるよ」と言い、お子さんと少し離れて立ちます。お子さんには両手を体の前にのばし、手のひらを上にして待っていてもらいます。「プレゼントを持ってアンパンマンが飛んでいくよ。そ~れ!」などと言い、お子さんの両手に乗るように、ふうせんをぽーんと投げます。キャッチできたら、「アンパンマンが届けてくれたね!」。次はお子さんに投げてもらいます。投げるのがむずかしそうなら、歩いて届けてもらいましょう。
ふうせんをキャッチするには、ふうせんの動きをよく見る必要があります。動いているものを目で追いながら、手でつかむのはなかなかむずかしいことです。まずは「見る力」が育つように、よく見ることを伝えます。うまく取れなくても続けて遊び、うまくいったときに一緒に喜ぶことで、子どものチャレンジする気持ちが育ってきます。
<2~3歳 台車に乗せてかたづけよう>
「おもちゃを台車に乗せて、おもちゃ箱まで運んでしまおうね」と言い、ふうせんを外した台車に小さめのおもちゃ(積み木やブロック、小さなぬいぐるみなど)を乗せて、お子さんにおもちゃ箱まで落とさないようにバランスを取りながら運んでもらいます。
「ゆっくりゆっくり、おもちゃが落ちないように」「積み木が落ちそうだよ~、気をつけて。落ちないように運んでね」などと声をかけ、台車が傾いたり、おもちゃが落ちたりしないように引っ張る力を加減して歩くよう促します。試行錯誤をくり返して、力加減のコントロールを覚えていきます。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと