幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2022年2月号
アンパンマン ジュースの じどうはんばいき
「自分で選んでジュースを買いたい!」「何度もやってみたい!」そんな子どもの気持ちを満たしてくれる、自動販売機のおもちゃふろくです。おなじみのジュース「明治 それいけ!アンパンマンシリーズ」とのコラボデザインなので、本物そっくりのジュースでうれしい。飲み終わったら、ばいきんまんのごみ箱へ。生活習慣のしつけにも役立ちますよ。
◇基本の遊び
おうちの方といっしょに自動販売機にジュースをセットしましょう。好きなジュースを選んでボタンを押すとジュースがころん! と出てきます。飲み終わったら、ばいきんまんのごみ箱にポイ! と入れます。
◇言葉かけのヒント
「自動販売機のボタンを押すとジュースが出てくるよ。どれにしようかな」
「ごくごく、おいしいね。空っぽになったよ、どうしよう?」
販売機からジュースを出す楽しさにプラスして、ごっこ遊びの要素も入れていきましょう。
「りんごジュースが出てきたよ。はい、どうぞ」「ありがとう」
もののやりとりに合わせて、言葉のやりとりも添えます。
「赤いジュース入れるよ。今度は黄色いジュースを入れてみよう」
「今度は何色のジュースが出るかな?」「赤のジュースが出てきたね。」
箱の色の名前を伝えながら遊び、色に注目させてみましょう。
「ごみ箱はどこかな? 飲んだ後はごみ箱にポイ、だね」
「ポーン、ごみが入っていくね」
ごみはごみ箱に捨てることを、楽しく伝えていきます。
◇発達のアドバイス
<1歳 くり返し遊びの喜びを共有しよう>
黄色いボタンを指で押すと、ジュースが出てくる! また押すと、また出てきた! 楽しいからもう一度やりたい! 楽しいことはくり返したくなります。
同じことをくり返しているだけで何がおもしろいの? と大人は思いがちですが、子どもにとっては、毎回、自分が予想したことがその通りになる驚きと喜びがあります。その気持ちが「またやってみよう」という意欲につながるのです。
販売機が動いてしまってうまくボタンが押せないなどの場合は、そっと手を添えるなどサポートしながら、お子さんがくり返し遊ぶのを見守りましょう。ジュースが出てきたら、「何のジュースかな?」「ごくごく、おいしいね」などと声をかけ、うれしさを共有することも大切です。
<2~3歳 手先を使い、工夫する力を育もう>
「自分でやりたい」という思いが強くなってくる時期です。手伝ってもらうのも嫌、だけどうまくいかなくてイライラ。そんなときは、「やってみるから見ていてね」と言ってお手本を見せ、「次は○○ちゃんの番だから、やってみてね」とバトンタッチしてやらせてみましょう。ジュースはまっすぐ入れる、ボタンを押すときはもう片方の手で販売機を支えるなどコツを見せながらおこなうとよいでしょう。自分でやることで手指をたくさん使い、手先の巧緻性が育つとともに、工夫する力もついていきます。
◇さらに発展させよう
1歳 ジュースをお届け
ジュースをおうちにあるぬいぐるみなどに届けてもらいます。
おうちの方がぬいぐるみの声色で「ジュース飲みたいよ~」などと言います。「どこからか声がするね。あ、ぬいぐるみのくまさんの声だ」「くまさんがジュースが飲みたいって。ジュースを届けてあげよう」と言います。
お子さんが販売機のボタンを押してジュースが出てきたら、くまさんに届けにいってもらいます。届けたときは、おうちの方がくまさんの声色で「○○ちゃん、ありがとう。ごくごく、おいしいね」。
「あれ、『ジュース飲みたいよ~』っていう声がまた聞こえるね。誰の声かな? うさぎさんかな? いぬさんかな?」などと言い、いろいろなところへ届けにいってもらいましょう。
「ジュースを欲しがっているのは誰かな」と想像をめぐらし、まわりを見渡したり、やりとりを楽しんだりすることで遊びが広がり、くり返し遊ぶようになります。
2~3歳 よく聞いてやってみよう
おうちの方がジュースの自動販売機ロボットになり、ロボットのように抑揚をつけない話し方でお子さんに指示を出すことで、お子さんが楽しく指示に従えるようにします。
「ジュースロボットです。ジュースを機械に入れてください」
「赤色のジュースが飲みたいです」
「ジュースを飲み終わったらごみ箱に入れてください」
遊びに慣れてきたら、「ジュースを2個、出してください」「今度は左手でボタンを押してください」などと、だんだん難易度を上げていくのも楽しいです。
お子さんがうまく操作できないときなどは、「黄色いボタンを押すときは、片方の手で自動販売機を支えるといいですよ」とロボットの話し方でヒントを出し、お子さんのやってみようとする姿勢を見守りましょう。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと