幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2022年6月号
アンパンマン ごはん たけたよ♪ ふしぎな すいはんき
丈夫なプラスチック製の炊飯器がふろくに初登場! お米をセットしてふたを閉め、ボタンを押してふたを開けると、おいしそうなごはんが炊きあがっています。ごっこ遊びがますます楽しくなりますね。
◇基本の遊び
作りたいごはんを選んで炊飯器に入れましょう。生米プレートをセットしてふたを閉めます。左のボタンを押してふたを開けるとホカホカごはんのできあがり! しゃもじでごはんをよそい、お茶碗に。できたてのごはんにおかずやみそ汁を組み合わせて定食を作ったり、おうちの方とごはんやさんごっこをしたりして楽しみます。
◇言葉かけのヒント
「どのごはんを作りたい?」
選ぶ楽しさを味わわせましょう。
「納豆にする? 目玉焼きにする? どっちがいいかな?」
おかずの裏表を見せて選んでもらいましょう。
「どっちの手でボタンを押したほうがやりやすいかな?」「もう片方の手で炊飯器を押さえようね」
「お茶碗はそうっと持ってね。やさしくね」
ごはんや生米プレートをセットしたりボタンを押したりなど、手指を使った操作がうまくいかないときは、具体的にアドバイスをしましょう。自分でできたという感覚がもてるようにします。
「ホカホカのごはんができているね!」
炊飯器のふたに湯気がでていることに気づかせます。
◇発達のアドバイス
1歳 くり返し遊びながら、手先の器用さを育てよう
炊飯器のボタンを押す、ごはんをセットする、おかずを並べるなど、手先をたくさん使う遊びです。ごはんやお茶碗をつぶさないように力を加減したり、片手で炊飯器を支えながらもう一方の手でボタンを押したりなど、遊ぶうちに手先の動きがだんだんスムーズになっていきます。お子さんが遊ぶ姿をよく観察してみましょう。「いま、右手から左手に持ち替えたな」とか「そっとやさしく持つようになったな」など、その成長に気づかされるでしょう。
お子さん自身がやりたいから、楽しいからくり返すことが大切です。お子さんがじっくりと遊んでいるときは見守り、「できた!」という満足感を共有することで、またやってみようという意欲につなげていきます。
2~3歳 お子さんが考えている間は待ち、思考力を育もう
炊飯器にごはんと生米プレートをセットしてふたを閉めます。ボタンを押してふたを開けたら、中味が変わっている! お子さんはびっくりしますね。「どうしてかな?」「おもしろいね」と不思議に思う気持ちを共有し、お子さんが炊飯器を触ったりして考えている様子があったらその時間を大事にしましょう。
また、できたごはんとおかずをトレーに並べるときも、お子さんが「どれにしようかな? これにしようかな?」と考えているときは、おうちの方は口出しをせずに待つことが大切です。トレーの上におかずを並べられたら、「おいしそうにできたね」と認めることでお子さんの自信につながります。
◇さらに発展させよう
1歳 お届け競争
お子さんは炊きあがったごはんをすくってしゃもじにのせて、おうちの方はトレーにごはんやおかずをのせて、あらかじめ決めておいたぬいぐるみのところまで運びます。どちらが速く、落とさないで運べるかな?
始めは近くのところに届け、だんだん距離を伸ばしましょう。落とさないように気をつけて運び、落ちたらそこからやり直しします。何度も挑戦しているうちに、バランスよく運べるようになるでしょう。
慣れてきたら、おうちの方と役割を交代してもいいですね。
2~3歳 元気になるごはんを選んで作ろう
本誌32〜33ページの「ごはん いただきます!」と一緒に遊びます。
誌面を開き、32ページの炊飯器のイラストの上にふろくの炊飯器を置いて、おかずのプレートやトレーも並べます。
「ばいきんまんとドキンちゃんのごはんの時間だね。ドキンちゃんはごはんとスープ。あと、何を食べたら、元気いっぱいになるかな?」とおうちの方が聞きます。
誌面に描かれている調理器具を指差しながら、「フライパンがあるね。ソーセージをジュージューしよう」「○○ちゃんは、何を作る? お鍋で何ができるかな?」などと言い、ふろくや誌面にあるおかずなどを作るまねをします。できあがったらおかずなどをトレーにのせ、「ドキンちゃん、はいどうぞ」。
食育には、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得することも含まれています。魚を食べると骨が強くなるかな、野菜を食べると元気になるね、お味噌汁を飲むと体が温まるねなど、お子さんにわかりやすい言葉で食べものの大切さを伝え、食べものの組み合わせを考えるきっかけにつなげたいですね。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと