1・2・3歳の歯の健康を守るためのポイントは? 『ベビーブック6月号』育児特集番外編Q&A

1歳から3歳の子どもたちにとって、仕上げみがきを嫌がったり、指しゃぶりがくせになっていたりするのはよくあること。むし歯や歯並びに関する悩みを抱えているおうちの方も多いのではないでしょうか。小児歯科専門医がさまざまな悩みにお答えします。

Q.1 指しゃぶりをしていると、歯並びに悪影響がありますか?

Q.2 仕上げみがきを嫌がるときはどうすればいい?

Q.3 歯みがきを習慣づけるため、親にできることは?

Q.4 乳幼児健診では、歯に関してはどんなことをチェックするのですか?

Q.5 親にむし歯があるとき、子どもにむし歯菌をうつさないためにできることは?

Q.6 歯並びをよくするために1~3歳のうちからできることはありますか?

Q.7 歯がきちんとみがけているかのチェックは、何歳ごろまで続ければいいですか?

Q.1 指しゃぶりをしていると、歯並びに悪影響がありますか?

A.

指しゃぶりは、自然に改善されていくケースも多いため、3歳ごろまでは無理にやめさせずに様子を見ていてかまいません。口の中央からのどの奥に向かう向きで指を入れている場合は、歯並びに多少影響があったとしても、3~4歳までに指しゃぶりをやめれば元に戻るケースがほとんどです。
ただし、指を口の横側から入れることがくせになっている場合は、あごの位置がずれてしまい、歯並びが悪くなる原因となることも。この場合は、3歳以前でも、歯科医に相談することをおすすめします。

Q.2 仕上げみがきを嫌がるときはどうすればいい?

A.

おうちの方が怖い顔をして無理やりみがこうとすると、子どもはその雰囲気を嫌いになってしまいます。むし歯予防には、歯みがきよりも食生活の見直しが大切なので、「仕上げみがきができなくて、むし歯になったらどうしよう」と神経質になる必要はありません。まずは、おうちの方が肩の力を抜くことが大切です。
人形を使って仕上げみがきのごっこ遊びをしたり、家族みんなで歯みがきごっこをして「最初はママのひざにパパがのって仕上げみがきをしてもらうから、次は○○ちゃんが仕上げみがきをしてもらう番ね」と声をかけたりするなど、家族みんなで歯みがきに親しむこともよいでしょう。
歯みがきごっこでおうちの方が仕上げみがきをしてもらう機会があると、「膝の当たる角度が変わると痛い」「長く続けるとつばがたまって苦しくなる」など、子どもが何を嫌がっているのかがわかるというメリットも。みがくときに力を入れすぎているケースが多いため、キッチンスケールを100~150g程度(自分の爪の付け根をみがいて痛くない程度)の力で押してみる練習をするのもおすすめです。歯ブラシは歯に直角に当て、ガシガシと大きく動かさずに小刻みに動かすことも、歯みがきの効果を高めて不快感を減らすポイントです。

Q.3 歯みがきを習慣づけるため、親にできることは?

A.

歯みがきは、お風呂や着替えと同様に生活習慣の一つなので、無理に楽しくやろうとする必要はありません。「やるのが当たり前」という姿勢でおうちの方自身が淡々と取り組む様子を、子どもに見せていくだけで十分です。子どもの性格によっては、「みがかないとむし歯になるよ」「むし歯になると痛い思いをするよ」といったマイナス面を強調するような言葉かけよりも、「みがくと歯がピカピカになって気持ちがいいね」といったプラスイメージの言葉かけが効果的な場合もあります。

Q.4 乳幼児健診では、歯に関してはどんなことをチェックするのですか?

A.

1歳6か月児健診と3歳児健診で、歯が何本生えているか、むし歯やむし歯になりそうな歯の有無、歯の清掃状況、歯ぐきや粘膜の異常、かみ合わせなどをチェックします。初期のむし歯は歯が白っぽくなるのが特徴ですが、子どもの歯の色によってはもともとの色と見分けがつきにくいこともあります。おうちの方が初期のむし歯に気づくことは難しいので、乳幼児健診でむし歯が発見されるケースも少なくありません。むし歯の早期発見のためにも、乳幼児健診はぜひ受診しましょう。

Q.5 親にむし歯があるとき、子どもにむし歯菌をうつさないためにできることは?

A.

乳歯の奥歯が生えてくる1歳7か月から2歳7か月ごろにかけては、代表的なむし歯菌と言われているミュータンス菌が周りの大人からうつりやすい時期で、「感染の窓」が開いている時期と言われています。おうちの方にむし歯がある場合は、治療をしておいたほうがよいでしょう。
しかし、むし歯の原因はミュータンス菌だけではありません。一緒に暮らして通常のコミュニケーションを取っている以上、子どもへの全ての菌の感染を完全に防ぐことはできません。食器をわける、キスをしない、熱いものを「ふーふー」しない、というようなことも、子どものむし歯予防にそれほど効果がないことがわかっています。
おうちの方自身が歯のケアに気を配っていれば、菌がうつることに神経質になって親子のスキンシップを減らす必要はありません。むし歯予防には、菌がうつるかうつらないかよりも、食生活の改善の方がずっと現実的で効果的です。

Q.6 歯並びをよくするために1~3歳のうちからできることはありますか?

A.

歯並びは遺伝だけで決まるものではなく、赤ちゃんのときからの生活様式がかかわっている可能性があることがわかってきました。子どもの頭がのけぞる姿勢で抱っこをすることが習慣化すると、首の骨や舌を支える骨が後ろに引っ張られ、舌の位置が下がる原因になると言われています。すると、上あごを舌で押す力が弱くなってしまうため、あごが十分に広がらず、歯並びが悪くなってしまうおそれがあります。これとは逆に、ハイハイをしているときは舌が上あごを押す状態になるため、ハイハイをたっぷりさせることは、あごの発育をうながすことにつながります。
また、正しい姿勢でよくかんで食べることも、あごの発育には重要です。食事のときは足の裏が床や椅子の足置きなどにつくようにして、手づかみ食べも十分に経験させましょう。寝るときは、うつ伏せや横向きの姿勢は歯やあごに負担をかけるため、なるべく仰向けの姿勢にするとよいでしょう。
歯並びは、乳歯が生えそろい、いちばん奥の歯(第二乳臼歯)でしっかりかめるようになる3歳半から4歳ごろまでは流動的なので、基本的には様子を見ていてかまいません。4歳を過ぎると、下の歯が上の歯よりも前に出る「受け口(反対咬合)」の場合はマウスピースで治療できる場合もあるため、気になる場合は歯科医に相談してください。

Q.7 歯がきちんとみがけているかのチェックは、何歳ごろまで続ければいいですか?

A.

歯をきちんとみがけるようになるには、靴ひもを蝶々結びできるくらいの手先の器用さが必要だといわれています。そのため、小学校高学年になり、全ての歯が永久歯に生え変わるまでは、少なくとも週に1回はみがき残しがないかをおうちの方がチェックするとよいでしょう。おうちの方がチェックすることが、「歯みがきは必ずしなければいけないことだ」という意識づけにもつながっていきます。

 

今村由紀先生
小児歯科専門医。がくえんのもり小児歯科院長。NPO法人歯ぐくみ理事長。0歳からのむし歯予防に取り組み、ママ・パパ向けの情報発信も行う。

イラスト/みやれいこ 文/安永美穂 構成/童夢

むし歯予防のためには歯みがきのほかにも重要なことがあり、毎日の生活の中で3つのポイントを心がけることが大切です。『ベビーブック』2022年6月号「もっとベビーブックwith HugKum」では、1・2・3歳の歯を守るための3つのポイントについて詳しく解説しています!

育児特集 番外編Q&A【もっと教えて、先生!】全記事リストはこちら

 

 

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