「地頭」を育てるために親ができることは? 『ベビーブック4・5月合併号』育児特集番外編Q&A

これからの時代を賢く生き抜くために、「地頭のいい子」に育ってほしい。子どもが1・2・3歳の今、親のどんな関わりが「地頭」を育てることにつながるのでしょうか。家庭教育の専門家がお答えします。

Q.1 数は何歳くらいから数えられるようになりますか? どう教えればいいでしょうか。(1歳6か月)

Q.2 知育系の習い事に通っていますが、じっとするのが苦手であまり効果がないような気がしています。どうすれば有効に活用できますか?(2歳3か月)

Q.3 いろいろ絵本を読んであげたいと思っているのですが、同じ絵本ばかり選び、同じページをずっと読まされます。どうすればいいでしょうか。(2歳8か月)

Q.4 私たち夫婦は「赤ちゃん言葉」を使わずに育てたいと考えているのですが、義母が赤ちゃん言葉をやめてくれません。どうすればいいでしょうか?(1歳11か月)

Q.5 絵本に全く興味がなく、紙をぐちゃぐちゃにするばかりです。本好きに育てたいのですが、どうすればいいでしょうか(2歳1か月)

Q.6 ひらがなの読み書きは、何歳くらいまでにできるようになっておいたほうがいいですか?(2歳10か月)

Q.1 数は何歳くらいから数えられるようになりますか? どう教えればいいでしょうか。(1歳6か月)

A.

目安としては、小学校入学までの20くらいまでの数をわかっていればOK。個人差はありますが、必ず数えられるようになるので、焦る必要はありません。
生活の中で数に親しみやすいのはお風呂です。お風呂から出る前に「10まで数えたら上がろうね」と声をかけ、おうちの人が「いーち、にー、さーん」とゆっくり唱えます。お子さんは一緒に言えなくても構いません。「しつけ」とは、親が「し続ける」こと。おうちの人が毎日やり続けていると、いつの間にか子どもがそのパートを担うようになり、数も身につきます。

Q.2 知育系の習い事に通っていますが、じっとするのが苦手であまり効果がないような気がしています。どうすれば有効に活用できますか?(2歳3か月)

A.

子どもは日常生活を過ごしているだけでたくさんのことを学んでいます。五感を通してさまざまなことを吸収しているのです。習い事もそのうちの一つではありますが、「じっとして何かに取り組まないと知育ができない」ということはありません。今、じっとするのが苦手なのであれば、習い事で無理やりそれをやろうとすると「学ぶことって楽しくないんだ」と思わせてしまうことになります。今、お子さんに必要な学びは、その習い事ではないのかもしれません。他の子と比べるのではなく、日常生活の中でお子さんが五感をフルに働かせて思いっ切り楽しめる時間を大切にすることが、最大の知育活動です。

 

Q.3 いろいろ絵本を読んであげたいと思っているのですが、同じ絵本ばかり選び、同じページをずっと読まされます。どうすればいいでしょうか。(2歳8か月)

A.

全く問題ありません。お子さんが飽きるまで同じ本をずっと読んであげてください。大切なのは「おうちの人が飽きるまで」ではなく「お子さんが飽きるまで」ということ。同じ絵本ばかり、同じページばかり選ぶのは、お子さんにはその絵本、そのページに何か特別な魅力を感じているということ。それはとても素晴らしいことです。この時期の絵本とのふれ合いで最も大切なのは、「絵本って楽しい」という気持ちを育んであげることです。今、お子さんが魅力を感じているものにつき合うことがその第一歩です。ずっと繰り返していると必ずいつか飽きるときはくるので、そのときが来たら別の絵本や次のページに進めばOKです。

Q.4 私たち夫婦は「赤ちゃん言葉」を使わずに育てたいと考えているのですが、義母が赤ちゃん言葉をやめてくれません。どうすればいいでしょうか?(1歳11か月)

A.

幼児期に赤ちゃん言葉を使うことの是非はさまざまに議論されており、正解はこれ、と言い切るのが難しい問題です。
まず大切なのは、「私たちはこうしたいと考えています」ということをお義母さんにきちんと伝えることです。もしそれでもやめてくれないのであれば、気にすることはありません。子どもは「人が違うから言葉が違うんだ」と、自然に理解しているものです。
子育てをしていく上では、「容認していくこと」がとても大切です。この先も、言葉だけでなく文化や習慣など、「自分はこう考えるけど、この人はそうではない」ということにどんどん出会っていくでしょう。自分の考えと違う人を認められずシャットアウトしていると、子どもの世界が狭くなってしまいます。自分の信念を持つことは大切ですが、他の人を否定しないこと、他の人の考えも認めることを心がけましょう。

Q.5 絵本に全く興味がなく、紙をぐちゃぐちゃにするばかりです。本好きに育てたいのですが、どうすればいいでしょうか(2歳1か月)

A.

今はそういう時期なのかもしれませんが、子どもは成長によってどんどん変わっていくものです。数か月後、半年後には変わっているかもしれないので、今の状態だけを見て「うちの子は絵本に興味がない」とジャッジしてしまわないことが重要です。
紙をぐちゃぐちゃにする遊びにハマっているのであれば、今は絵本ではなく代替えとしてオーディオブックで楽しむのも一つの方法です。
お子さんに絵本に興味を持ってもらいたいなら、おうちの人も家で本を読む習慣をつけるといいでしょう。ファッション誌や漫画など、自分の好きなもので構いません。おうちの人が読書を楽しむ姿を見るうちに、自然と絵本に興味を持つようになるかもしれません。

Q.6 ひらがなの読み書きは、何歳くらいまでにできるようになっておいたほうがいいですか?(2歳10か月)

A.

小学校に入るまでに読めるようになれば十分です。早く読み書きできるほうがいいと思うかもしれませんが、「読めるメリット」だけでなく、実は「読めないメリット」もあるのです。
読めるメリットは、本の内容やストーリーがわかるということです。一方で、読めない=想像力が働くことにより、何を伝えようとしているのかを絵から想像したり、自分でお話を作っていたりすることがあります。「読めないメリット」は読めるようになると失われていくもの。読めないからこそ培われている能力もあるので、どちらの時間も大切にしながら、ゆったり過ごすといいでしょう。

 

 

岩田かおり先生
子ども教育アドバイザー。株式会社ママプロジェクトJapan代表。幼児教室勤務を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の想いから独自の教育法『かおりメソッド』を開発し、講座や講演を全国展開。受講生は累計7,000人以上。著書に『「天才ノート」を始めよう!』(ダイヤモンド社刊)がある。3人(1男2女)のママ。

イラスト/今井久恵 文/洪 愛舜 構成/童夢

ちょっとした心がけで日常のシーンが「地頭」を育てる働きかけに! 『ベビーブック』2023年4・5月合併号「もっとベビーブックwith HugKum」では、おうちで今すぐできる、声かけや過ごし方のヒントをたくさん紹介しています。

育児特集 番外編Q&A【もっと教えて、先生!】全記事リストはこちら

 

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