幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2023年6・7月合併号
しなぷしゅ おしゃべりスマホ
ぷしゅぷしゅ型のスマホおもちゃです。電話やメールの着信音、アラーム音、買い物の支払い音や注文ボタンなど、ぷしゅぷしゅのかわいい音声がもりだくさん。ごっこ遊びに大活躍しそうですね。
◇基本のあそび
「どのぷしゅぷしゅとお話しする?」「決まったら、ボタンを押してね」
一番下の列のぷしゅぷしゅのボタンを一つ選んで押し、聞こえてきた言葉に合わせてお話ししましょう。
『あなたのお名前、なあに?』
「お名前なあにって言ってるよ。ぷしゅぷしゅに教えてあげようね」
ぷしゅぷしゅとの会話が楽しめるようにおうちの方がサポートします。
お子さんがどんなお話をするか、楽しみですね。
◇言葉かけのヒント
「ボタンがいっぱいあるね。押してみよう」
ボタンを押すと音が聞こえることを、最初に知らせてあげましょう。
「このボタンは何が聞こえるかな?」
「電話の音がしたね」
電話やカメラや時計のボタンを指さし、「何だろう?」と期待させてから音を聞かせましょう。音の違いに注意が向いていきます。
「ぷしゅぷしゅ、何て言ってた? ばいばい~って言ったね」
(ちゅうもんボタンを押して)
「ごちゅうもんどうぞ~、って言ってるね? 何を注文しようか?」
おうちの方がボタンのセリフを補足することで、遊びが始まります。
◇発達のアドバイス
1歳
ボタンを押すといろいろな音や言葉が聞こえます。自分でボタンを押す⇒声が聞こえることに気づくと、いろいろなボタンを押したくなります。まずは、お子さんの興味の向くままに、ボタンを押させてあげましょう。
しばらく遊んだら「何が聞こえるかな?」「ぷしゅって言ったね」などと言い、音を注意深く聞くように仕向けます。くり返し遊ぶことで「聞く力」が育ちます。
2〜3歳
「相手の言葉を聞く⇒理解する⇒答える」くり返しが「会話」です。おしゃべりスマホを通して、たくさん「会話」を経験しましょう。ぷしゅぷしゅの声を聞いて答える言葉のキャッチボールを楽しむうちに、会話の力が育っていきます。
◇さらに発展させよう
1歳 ぷしゅぷしゅどこかな~
おうちの方がスマホを持ち、お子さんに「ちょっと目をつむっていて」と言い、スマホを持つ手が見えないように背中にまわしたり、ポケットの中に入れたりして隠します。「おしゃべりスマホはどこにいったかな?」と言い、ボタンを押して音を出します。「ぷしゅぷしゅの声がするね? どこに隠れてるかな?」「探して探して」
もう一度音を出して、隠れているシナぷしゅスマホを見つけてもらいましょう。
より注意深く音に耳を傾けられるようになります。
2~3歳 とけいボタンで時間を意識しよう
『ピピピピッ、時間だよ~。ぷしゅっ』
「ぷしゅぷしゅの声が聞こえたよ。お片づけの時間だね」
「もう一回ぷしゅぷしゅの声が聞こえるまで、お片づけ競争しよう。よ~いドン」
「○○ちゃんは、クレヨンをしまってね。ママは折り紙を片づけるね」
おうちの方とお子さんで役割分担をして、片づけ競争をしましょう。
「もうすぐぷしゅぷしゅの時計が聞こえるよ~、急いで片づけよう」
片付けが終わるころにもう一回時計ボタンを押します。
『ピピピピッ、時間だよ~。ぷしゅっ』
「あ~よかった。間に合った。○○ちゃんの勝ち~!」
着替えをする、お風呂に入るなど、時間を区切りたいときに、時計の音を使ってみましょう。少しずつ時間が意識できるようなります。部屋にある時計を見ることにつなげてもいいですね。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと