ベビーブック世代の食事のお悩みを解決するためにできることは? 『ベビーブック9月号』育児特集番外編Q&A

「歩き食べをしてしまう」「おやつに何を与えればいいかわからない」など、「食べない」以外にも子どもの食事には悩みが尽きないものです。おうちの方がイライラや不安を抱え込まずにすむように知っておくとよいことを、保育園勤務経験を持つ管理栄養士がアドバイスします。

 

Q.1 初めての食材を食べさせるときに注意することはありますか?

Q.2 うちの子は魚をあまり食べたがりません。どうすれば食べられるようになりますか?

Q.3 調味料の使い過ぎを防ぐために、調理方法や食べ方で工夫できることはありますか?

Q.4 子どものおやつはどのようなものを選べばよいですか?

Q.5 食事中に立ち歩いてしまうときは、どうすればよいのでしょうか?

Q.6 1~3歳の子にもできる食事づくりのお手伝いには、どのようなことがありますか?

Q.1 初めての食材を食べさせるときに注意することはありますか?

A.

食材の種類や子どもの体質によってはアレルギー症状が出る可能性もあるため、初めての食材は子どもが元気なときに少量から与えるようにしましょう。かかりつけ医が診療を行っている日の日中に与えるようにすると、万が一、何らかの症状が出た場合にもすぐに受診できるので安心です。

帰省先や旅行先では、まだ食べたことがない食材に出合うことがあるので特に注意が必要です。万が一のときにかかりつけ医を受診できない環境で、新しい食材を食べさせることは控えたほうがよいでしょう。

Q.2 うちの子は魚をあまり食べたがりません。どうすれば食べられるようになりますか?

A.

サバやブリなどの青魚はくさみを感じて苦手とする子が多いので、タイやカレイなどの白身魚を選ぶことをおすすめします。

魚を見ることに抵抗がなければ、アジやサンマのように頭も尾も付いている状態で売られている魚を買ってきて、塩焼きにしてみましょう。「ここに目があるね」「どうやって泳いでいたのかな?」と話をすると、食べることに興味を持てるようになることもあります。親子で一緒に買い物に行き、「今日はどのお魚がいい?」と子どもの意見を聞いてみることも、食べ物としての魚に興味を持つきっかけになるはずです。

Q.3 調味料の使い過ぎを防ぐために、調理方法や食べ方で工夫できることはありますか?

A.

子どものころから濃い味に慣れてしまうと、大人になるにつれて、ますます味の濃いものや脂質の多いものを好むようになってしまうおそれがあります。子どもに取り分けるメニューは、調理する時点では薄味を意識して、大人が食べるときに物足りないようであれば、大人が食べる分にだけ調味料を足すとよいでしょう。

1~3歳の子どもは「自分でやりたい」という意欲が旺盛なので、ケチャップやマヨネーズなどをチューブごと食卓に出すと、中身を際限なく絞り出そうとしてしまうことがあります。調味料は適量を小皿に入れて食卓に出すようにすると、つけ過ぎを防げます。

Q.4 子どものおやつはどのようなものを選べばよいですか?

A.

子どもにとってのおやつは食事の一部であり、「お菓子」とは別物だと考えましょう。おにぎり、バナナ、ヨーグルト、チーズなど、お腹を満たして栄養も補うことができるものを選ぶのがおすすめです。

食べる楽しさを感じられるように少量のお菓子を与えるのは問題ありませんが、油脂の多いチョコレートやケーキなどは次の食事に響くため、食べすぎには注意が必要です。習慣化せず、あくまでお楽しみとして位置付けてあげましょう。3歳ごろまでは、かむ力がまだ弱いので、ガム、あめ、こんにゃくゼリーなど、のどに詰まらせるおそれがあるものを与えるのは避けましょう。

Q.5 食事中に立ち歩いてしまうときは、どうすればよいのでしょうか?

A.

おうちの方としてはイライラしやすい場面ですが、まずは一旦落ち着いて、「なぜ立ち歩くのだろう?」という理由を考えてみることが大切です。

そもそもおなかが空いていないのであれば、食べる時間を見直したり、外遊びなどで体を動かす時間をつくったりする必要があるでしょう。テレビやおもちゃなど、気になるものを見つけてしまって食事に集中できない場合は、気になるものが視界に入らないように食事の環境を整えることが必要です。

椅子のサイズが合っていなくて、長時間座り続けるのを苦痛に感じているケースもあります。足が床につかないと姿勢が安定しないので、高さのある椅子を使う場合は足置きの位置を調整して、足がブラブラしない状態で食事ができるようにしましょう。

Q.6 1~3歳の子にもできる食事づくりのお手伝いには、どのようなことがありますか?

A.

この年齢の子どもは、おうちの方が付き添っていても、思わぬ行動をすることがあるため、包丁や火を使わずに手伝ってもらえることを探しましょう。テーブルを拭く、食事をする机の上の片づけをするといった、毎日おうちの方がやっていることの一部を子どもにお願いしてみるのがおすすめです。

食材を触ることに興味がある子の場合は、レタスやキャベツをちぎったり、しめじやまいたけなどをほぐしたりすることをお願いしてみてもよいでしょう。ただ、下ごしらえのお手伝いだけでは達成感が得られにくいので、仕上げの盛り付けの一部も子どもにお願いしてみましょう。例えば、ほうれん草のごまあえを作る場合、ごますりをお手伝いしてもらえば、完成した料理がすぐに味わえます。おうちの方に「おいしいね」と言ってもらえると大きな達成感が得られます。

盛り付けのお手伝いが難しい場合は、子どもに味見をお願いし、感想を言ってもらってから食卓に並べるようにするだけでも、子どもは達成感が得られます。苦手な食材も、台所で「一口だけ味見をしてみて」とお願いしてみると食べてみようと思えるきっかけになるかもしれません。

 

藤原朋未先生
管理栄養士、乳幼児食指導士。保育園栄養士として勤務した後、現在はレシピ開発を手がけるほか、乳幼児食に関するセミナー講師などを務める。3児の母。

イラスト/石山綾子 文/安永美穂 構成/KANADEL

1・2・3歳の「食べない」を解決するには、調理方法を工夫することも効果的です。『ベビーブック』2024年9月号「&ベビー」では、保育園の給食づくりで実践されている調理の工夫について詳しく解説しています!

育児特集 番外編Q&A【もっと教えて、先生!】全記事リストはこちら

 

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