もしもに備えて知っておきたい 夏の健康トラブル【ベビーブック2019年8月号Q&A】

 

夏の病気や皮膚トラブルを予防し、いざというときも落ち着いて対処できるようにするには、正しい知識を身につけておくことが大切です。

3人のお子さんのママでもある小児科医の三日市薫先生が、おうちの方の疑問にお答えします。

 

Q1 皮膚トラブルがあるときは、海やプールに入ったらダメですか?

Q2 皮膚トラブルを防ぐため、体を洗うときに気をつけるとよいことは?

Q3 病気で高熱が出ているわけでもないのに、寝汗をたくさんかいてしまうのが気になります……。

Q4 夏は普段から経口補水液を飲ませたほうがよいのでしょうか?

Q5 病院を受診した後、家で様子を見るときのおう吐や下痢のケアで大切なことは?

 

Q1  皮膚トラブルがあるときは、海やプールに入ったらダメですか?

A.

とびひの傷がジクジクしているとき、水いぼをかきむしってしまったとき、かゆみを伴う湿疹があるときは、海やプールに入るのは控えましょう。

水いぼがあるときにプールに入れるかは園や施設により判断が異なり、ラッシュガードの着用を求められる場合もあります。

浮き輪などを介してうつることもあるため、共同生活を送るうえでのマナーとして、園や施設のルールを確認しておくとよいでしょう。

Q2  皮膚トラブルを防ぐため、体を洗うときに気をつけるとよいことは?

A.

石けんやボディーソープは低刺激で香料の少ないものを選び、必要な皮脂まで洗い流さないように1日1回を目安に使いましょう。よく泡立てて、泡で汚れを包んで取り去るようにして洗うことが大切です。

肌に余計な刺激を与えないよう、手のひらでやさしくなでるように洗うとよいでしょう。目の粗いガーゼなどでこすると肌を傷つけることがあるため、汗や水分をふき取るときは柔らかいタオルを使うことをおすすめします。

Q3  病気で高熱が出ているわけでもないのに、寝汗をたくさんかいてしまうのが気になります……。

A.

子どもが寝汗をたくさんかくのは、1日の活動により上昇した体温を下げるためです。これは体にとって必要な働きなので、寝汗をかくこと自体は悪いことではありません。

夜になっても気温が下がらない熱帯夜の日などは、室温24~28℃くらいを目安に、風が子どもの体に直接当たらないように配慮したうえで冷房を活用しましょう。

子どもは大人よりも体温が高いので、おうちの方よりも1枚少ない服装を心がけると快適に過ごせます。

 

Q4  夏は普段から経口補水液を飲ませたほうがよいのでしょうか?

A.

経口補水液は、高熱で水分がとれないときや下痢が続くとき、汗を大量にかいたときの水分補給には適していますが、塩分だけではなく糖分も多く含まれているため、飲み過ぎると食事がしっかりとれなくなってしまうこともあります。

そのため、特に健康状態に問題がないときの水分補給では、水や麦茶を飲ませましょう。

 

Q5  病院を受診した後、家で様子を見るときのおう吐や下痢のケアで大切なことは?

A.

吐いているときに水分をとらせようとしても、またすぐに吐いてしまうことが多いので、吐き気がおさまった後で、経口補水液を小さじ1杯程度から始め、少しずつ量を増やしながら与えましょう。

水分がとれていれば、食事は無理に食べさせなくてもかまいません。食事を再開するときは、おかゆやうどんなどの炭水化物から始め、卵や白身魚などのたんぱく質、肉などの脂肪分を含むものという順で、様子を見ながら少しずつ食材を増やしていきましょう。

 

 

『ベビーブック』2019年8月号別冊付録「café BB」育児特集では、夏によくみられる健康トラブルの予防と対処について解説しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

 

イラスト/熊本奈津子  構成/童夢

 

監修/三日市 薫先生

さくらんぼこどもクリニック院長。小児科専門医。東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センターなどを経て現職。3児の母。

 

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