遊び食べに好き嫌い、どうすればいい?【『ベビーブック2019年12月号』育児特集Q&A】

「残さずきれいに食べてほしい」と思っていても、1~3歳の子どもにとって、それはまだ難しいこと。どうすれば食事の時間をより楽しくできるのでしょうか。新渡戸文化子ども園で栄養士を務める大久保博美先生が、おうちの方の疑問にお答えします。

Q.1 遊び食べをしてしまうときはどうすればいい?

Q.2 嫌いなものは、細かく刻んで他のものに混ぜるなどしてでも食べさせるべき?

Q.3 洋食が多いのですが、和食のメニューを増やすにはどうすればいいですか?

Q.4 食べこぼしが多くて困っています。何かよい方法はありますか?

Q.5 スプーンの持ち方が正しくないのですが、食事のたびに注意すべきでしょうか?

Q.1 遊び食べをしてしまうときはどうすればいい?

A.

遊びと食事のメリハリをつけることが大切なので、まずは食事を始めるタイミングで手洗いをしてから席につき、「これからは食事の時間だよ」という切り替えができるようにしましょう。ある程度食べてから遊び始めてしまったときは、「ごちそうさま」をして切り上げるのでかまいません。完食したときには「こんなにきれいに食べられたね」と声をかけて達成感が得られるようにすると、少しずつ食べることに集中できるようになるはずです。

Q.2 嫌いなものは、細かく刻んで他のものに混ぜるなどしてでも食べさせるべき?

A.

細かく刻んだピーマンをハンバーグに混ぜるなど、「小さく切る」「やわらかく煮る」「他のものに隠して入れてみる」といった方法は食べるきっかけになりますが、無理強いをする必要はありません。しばらく時間を置いて別のタイミングで出してみると、苦手だったものを食べられるようになるケースもあります。「ピーマンを一緒に洗ってみよう」など、実際に食材に触れてみる機会をつくるのも、食材への興味を引き出すきっかけになります。

Q.3 洋食が多いのですが、和食のメニューを増やすにはどうすればいいですか?

A.

みそ・かつお節・乾燥わかめなどの具材を混ぜたみそ玉を子どもと一緒につくってストックしておくと、お湯を注ぐだけでみそ汁ができるので、朝食や夕食の一品として活用しやすくなります。ごはんは多めに炊いて1食分ずつ冷凍しておき、レンジで解凍したものをふりかけと一緒に出すようにすると、手間もかからず、子どもも食べやすくなります。常備菜を和食メニューにするなど、1日に1回、和食を取り入れることから始めてみましょう。

Q.4 食べこぼしが多くて困っています。何かよい方法はありますか?

A.

イスとテーブルの距離が遠すぎると、食べものを膝にこぼしやすくなるので、イスとテーブルの間が握りこぶし1個分くらいになるようにイスの位置を調整してから食べ始めるようにしてみましょう。お皿や器をひっくり返してしまうことが多いようなら、滑り止めがついているランチョンマットを敷くのもよいでしょう。食べこぼし対策として、あらかじめシートや新聞紙を床に敷いておくと、おうちの方の片付けの負担を減らせます。

Q.5 スプーンの持ち方が正しくないのですが、食事のたびに注意すべきでしょうか?

A.

園で集団生活を経験するようになると、上の学年の子たちの持ち方を見ながら自然と正しい使い方を覚えていくことが多いので、あまり神経質になる必要はありません。ずっと注意し続けるのではなく、最初の10分間だけは「こういう持ち方をしようね」と優しくアドバイスして、10分を過ぎたら持ち方が多少違っていても本人が自由に食べることを優先させるようにすると、親子ともにストレスを感じずに楽しい雰囲気で食事ができるはずです。

『ベビーブック』2019年12月号別冊付録「café BB」では、子どもの食事について、雰囲気づくりや調理のコツを特集しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

イラスト/秋野純子 構成/童夢

大久保 博美

栄養士。東京都中野区の新渡戸文化子ども園で給食の献立づくりを担当。園児たちの調理実習ではみそづくりなどに取り組んでいる。

新渡戸文化子ども園

2歳児からの幼保型のこども園。『子どもも家族もぺろり完食! 新渡戸文化子ども園のすごい給食』(新潮社)では給食のレシピを紹介。

 

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