幼児教育のプロが指南
ふろくは遊び方しだいで、もっと楽しく! もっと学びに活用できます。
ここでは、お子さんの発達をふまえた遊び方や言葉かけをプロがアドバイス。
おうちの方と一緒に、楽しく遊んで学びましょう。お子さんの力がぐんぐん育ちますよ!
2022年3月号
アンパンマン おふろでパクパク ばいきんまん
ばいきんまんの大きなお口に、すくいざらですくったウレタン製のたべものパーツを「あ〜ん!」と食べさせてあげるおふろふろく。ポカポカおふろで遊びながら、十分に温まりましょう。
◇基本の遊び
おふろにたべものパーツを浮かべます。お子さんがパーツをすくいざらですくい、ばいきんまんの口に入れます。おうちの方がばいきんまんの声色で「おいしいぞ~」「もっとほしいぞ~」などと言いながら、食べさせ遊びをするのも楽しいですね。
遊んだあとは、お子さんにすべてのたべものパーツとすくいざらをばいきんまんの口に入れてもらってお片づけ。遊びながら片づけの習慣をつけていきましょう。
◇言葉かけのヒント
「ドキンちゃんの形のポテトサラダだよ。おいしそうだね」
「ハンバーグはお肉、ブロッコリーはお野菜」
「赤いいちごが1、2。2個あるね。どんな味がするかな?」
食べ物を紹介するように一つずつ見せて、興味をもたせましょう。
「お風呂にプカプカ浮かんだよ。うまくすくえるかな」
たべものパーツが浮かんでいる様子を“プカプカ”などの擬音語を使って表現してみましょう。
「まっすぐすくって、くるっとしたらばいきんまんのお口に入るね」
すくいざらでうまくすくえるように、コツを教えましょう。
「ぜんぶすくってお口に入れたら、ばいきんまんは元気いっぱい。○○ちゃんのからだもぽかぽかになったね」
◇発達のアドバイス
1歳 一緒に手を動かし、手先の器用さを育てよう
道具を使って、湯船にプカプカ浮かんでいるものをすくうのは、少し難しいかもしれません。はじめは、片手でたべものパーツをつかみ、もう片方の手に持ったすくいざらの上にのせてもいいですね。
おうちの方と一緒にすくってみると、手の動かし方がわかってきます。目標物をしっかりと見ながら手を動かし、とらえることを経験させ、手先の器用さや集中力を育てていきましょう。
2~3歳 思いやりの心を育てよう
「ばいきんまんは何が食べたいかな?」「おなかがすいているかな?」など、まずはおうちの方が言葉をかけます。おうちの方がばいきんまんの声色で「○○が食べたいなあ~」「おなかがすいているから、もっと食べたいぞ~」などとばいきんまんの気持ちを代弁し、相手にも気持ちがあることに気づかせましょう。ばいきんまんの気持ちに気づくことで、お子さんは、「おなかがすいているんだな」「何か食べさせてあげよう」と思うかもしれません。相手の気持ちを想像しながら遊ぶことで、思いやりの心が育っていきます。
◇さらに発展させよう
1歳 探してすくって、お口にポン!
「手にはブロッコリー、ここにはたまごやき……」などと言いながら、おうちの方が腕にたべものパーツをペタペタ貼り付けていきます。
「よく見ててね。たべものがどこかへいっちゃうよ~」と言い、たべものパーツをつけた腕を湯船の中に入れると、パーツがお湯に浮かび上がり、プカプカと湯船を漂います。
「ブロッコリーはどーこだ?」と声をかけ、お子さんが探して見つけたら、「あったね! ばいきんまんのお口に入れよう」。
「いちごはどーこだ?」「たまごやきはどこ?」と一つずつ見つけ、発見したらすくいざらですくって、ばいきんまんの口に入れていきましょう。
2~3歳 お料理ごっこで、「はいどうぞ!」
おふろの壁にたべものパーツを並べて貼り、「○○ちゃんレストラン」の開店! お客さんのばいきんまんに「ばいきんまん、何が食べたい?」と聞きます。
おうちの方がばいきんまんの声色で「ハンバーグをお願いします」と言い、お子さんが持っているすくいざらの上にハンバーグを置いて、焼くまねをします。焼けたら、ばいきんまんに食べさせます。ブロッコリーをゆでるまね、たまごやきを焼くまねなど、お料理ごっこに広げていきましょう。
教えてくれたのは
こんぺいと幼児教室 教室代表・斉藤明美さん
食べることを通して子どもたちの五感を育む「台所のある幼児教室」。食育を中心として、楽しい! もっとやりたい! と子どもが夢中になって活動する経験を重ね、「学びに向かう力」を育てていきます。
イラスト/AZU 構成・文/株式会社こんぺいとぷらねっと